忍者ブログ

下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

カテゴリー「【特集:宇都宮LRT】」の記事一覧

【宇都宮LRT】JR宇都宮駅は「北側」ルートで横断

■JR宇都宮駅の

 宇都宮市と芳賀町が共同で整備を進めているLRT(軽量軌道交通)、JR宇都宮駅の在来線(1F)と新幹線(3F)の間の高さ(2F)を東西に横断するルートが「北側」に決まったようです!

 JR宇都宮駅の2F部分には、何ヶ所かLRTの東西横断に適した場所があって、その内のどこに軌道を通すか、これまで宇都宮市とJR東日本との間で協議・検討が進められていました。
 大きく分けると、「北側」「中央」「南側」。実現すると一番インパクトがあるのは「中央」なんですが、駅構内の商業施設などの構造を大きく変える必要があること、「南側」だと駅周辺の既存施設との兼ね合いで線形が厳しくなることなどから、もっとも実現性が高い「北側」に決まった……という感じでしょうか。

 横断ルートが決まれば、LRT新設に伴って駅西口の構造をどうするのか・どう変えるのかという検討も具体化するでしょうから、今後の続報が楽しみですね。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[1回]

PR

【宇都宮LRT】広島電鉄・東急電鉄が技術協力

■運転士養成などLRTを運営する新会社に技術協力!

 宇都宮市の佐藤市長と、芳賀町の上野副町長が、広島電鉄東急電鉄の本社を訪問して、LRT事業に関する技術協力を要請!
 両社とも既に技術協力に応じていて、今回改めて全面的に協力したいとの意向を明らかにしています。

・佐藤市長らが広島電鉄訪問 LRTに協力求める(下野新聞 2015年9月1日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/utsunomiya/news/20150901/2069602

・ 運転士養成など新会社に技術協力 LRT事業で東急電鉄(下野新聞 2015年9月2日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/utsunomiya/news/20150902/2070654

 広島電鉄の椋田(むくだ)社長は、広電本社を訪ねた宇都宮市長・芳賀副町長からの技術協力要請に応じて、芳賀・宇都宮LRT新会社への人材派遣・運転士養成などに全面協力の意向を表明しました。
 広島電鉄は、中心市街地の「路面電車」と、鉄道並みの速度で運行する宮島線という「郊外電車」を運行していて、今日で言うLRTの要素をすでに有していたともいえます。

 8月31日に広島電鉄を訪問したのに続き、宇都宮の佐藤市長と芳賀の上野副町長は9月1日に東急電鉄本社を訪問。
 東急では今村副社長が対応して、引き続いての協力を表明しています。

 芳賀・宇都宮LRTは、完全新規に開業するLRTとしては最大規模となる一大プロジェクトで、2019年度に先行開業する「優先整備区間」(JR宇都宮駅~本田技研北門、約15km)だけでも、56人以上の運転士が必要に。
 開業した後であれば、増発や延伸に伴ってさらに運転士が必要になっても自社内で対応できるでしょうが、開業前の短期間に大量の運転士さんを要請するには、既存の軌道事業者各社の技術協力が必要不可欠となります。
 幸い、宇都宮市長と芳賀副町長が訪問した広島電鉄・東急電鉄を含む複数の事業者が芳賀・宇都宮LRTへの技術協力に応じる方針です。


 地元最大のバス事業者・関東自動車が、
(1)宇都宮市の「ネットワーク型コンパクトシティ」戦略の実現に協力したいと表明し、
(2)LRTを運行する新会社への参画を決断し、
(3)バスのドル箱区間であるJR宇都宮駅西側へのLRT延伸についても「異論はない」と表明
するなど、この2~3年でLRTを取り巻く状況は激変しています。

 その中で、短期間で大量の運転士をどうやって養成するかが、LRT事業を考える上で最大の課題となっていたのですが、全国の軌道事業者が人材派遣や運転士養成に協力する方針であることから、この点についても課題は解決されたと考えて良いでしょうね。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[2回]

【宇都宮LRT】芳賀町内のLRT軌道は道路中央に

■道路中央・外側を比較検討して「センターリザベーション」に

 芳賀町が町内のLRT軌道敷設位置を「道路中央」に決定!

 芳賀・宇都宮LRTの軌道は、道路空間を活用して敷設する区間と、新規に専用軌道を敷設する区間があります。
 芳賀町内の「優先整備区間」のルートは、宇都宮市との市町境界から広い県道沿いに約1.2km東進して、芳賀工業団地の管理センター前交差点を左折して、本田技研北門に向けて約1.8km北上。
 芳賀町内の優先整備区間に関しては、道路空間の中に軌道を敷設するのですが、道路中央が良いのか、それとも道路外側が良いのか、さまざまな比較・検討が行われました。

 道路中央に敷設する場合(センターリザベーション)は、言ってみれば広い中央分離帯に軌道を敷設するような感じで、路側帯に軌道がないことで荷さばきや駐停車を疎外しない等のメリットがあります。
 道路外側に敷設する場合(サイドリザベーション)は、既存のバス停がある場合にLRTと共用しやすい等のメリットがあります。
 必ずしもどちらが優れているということはないので、比較・検討したうえで、より適している方を採用すれば良い、ということにはなります。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[0回]

【宇都宮LRT】車両基地や電停などの詳細明らかに

■車両基地は新4号内側、電停は対向式ホームが基本に

 芳賀・宇都宮LRT、車両基地は新4号バイパスの内側(西側)に設置し、敷地面積は約4ha。「優先整備区間」開業時に必要な最大25編成は勿論、駅西延伸時に30編成を超えても対応できる余地も……。
 2015年8月24日(月)に開催された第8回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」で、LRTの詳細が明らかに!

 新聞報道だけではちょっと情報不足だったので、宇都宮市の公式サイトに掲載された詳細な資料(PDFファイル)を見てみると……。
 かなり詳細な情報が掲載されてます。

■第8回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」の資料に詳細情報が

 注目すべきは、以前から各方面から要望が出ていた東武宇都宮線やJR日光線、真岡鐵道などへの延伸可能性についても検討していること、鉄道路線に乗り入れても遜色ない走りが可能な車両を検討していること、「Suica」「PASMO」などIC乗車券の導入によってほぼ「信用乗車制」(セルフレジ方式)に近い乗降ができそうなこと……などなど。
 電停(停留所)のホーム配置は実に合理的で、交差点を挟んで上下ホームを互い違いにすることで、しっかり右折レーンのスペースも確保。
 いろんなことをしっかり検討していることが分かります。

 真岡鐵道への延伸が実現すると、接続地点にもよりますが茂木や益子への直通列車が運行できるようになったり、現在整備準備中のルート以外に新たなルートの整備が検討されれば、たとえば真岡駅へ短絡する新ルートが整備されたり……なんてことも十分あり得ます。
 (管理人個人としては、宇都宮~上三川~真岡というのはかなり有望なルートだろうと考えています)

 ……というわけで、「余所の出来事だ」なんて傍観している余裕はなく、今後どんな展開になっていくか注視して、状況を先取りしていかないと……と考える次第です。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[3回]

【宇都宮LRT】運営新会社に関東自動車も出資へ!

■新会社の名称は「とちぎ県央LRT株式会社(仮称)」

 JR宇都宮駅と芳賀町の本田技研北門までの約15kmを「優先整備区間」として先行整備するLRT。
 官民連携のLRT新会社(運営主体)の名称は「とちぎ県央LRT株式会社(仮称)」で、バス会社「関東自動車」も出資へ!

 芳賀・宇都宮LRTは、線路や施設などのインフラを行政が整備して、列車の運行は民間が行う「公設民営」「上下分離方式」を採用。
 (要するに、道路整備と同じ考え方で整備する)
 列車の運行を行う運営主体は「官民連携の新会社」ということになって、その名称は「とちぎ県央LRT株式会社(仮称)」。
 「とちぎ県央」としているところに、将来への含みを残しているといえます(素人目にも「必要なのに整備が難しかったルート」が複数あるように見受けるので、今後新路線の検討も行われていくのではないか……と)。

 「とちぎ県央LRT株式会社(仮称)」設立時の資本金は1.5億円で、出資比率は行政51%・民間49%。
 開業する2019年度には、資本金を10億円にまで増資して、出資比率は行政49%・民間51%に。


 地方の公共交通を考えるとき、従来のような「民間任せ」では、ネットワークやサービスを維持できなくなっています。

 民間には「経営の失敗」リスクがあります。
 一般的な企業であれば、社会的に大きな影響があるというほどではないのですが、公共交通の場合は減便や廃止などに直結するため、地域社会に甚大な負の影響が及んでしまいます。
 これまで、そのようにして減便や廃止が頻発してきたことからも明らかなように、公共交通は営利事業という「常識」を根底から変えない限り、地方はどんどん不便になってしまいます。

 公設民営・公有民営による上下分離方式は、その「常識」を根底から覆す手法で、先年日本でもやっと導入できるようになりました。
 交通は、まちづくりや都市計画と密接にリンクしているわけで、その意味でも行政が関わりを持つということは大きな意味を持ちます。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[0回]

【宇都宮LRT】運営主体は官民共同の新会社設立へ

■行政が主導する官民連携の新会社で信用性を高める!

 各メディア、宇都宮・芳賀LRTの運営主体が行政主導による官民連携の第三セクター新会社となることが正式発表されたニュースを報じています。
 地元・「下野新聞」の紙面では、1面トップを飾ったほか、複数の関連記事が掲載されていて、独自取材で定評がある「レスポンス」でも新たな記事が掲載されています。

・LRT運営 行政主導 秋にも三セク新会社 宇都宮市、芳賀町発表(下野新聞 2015年7月29日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20150729/2035032・宇都宮市・芳賀町LRT、営業主体は行政主導の三セクに…新会社設立へ(レスポンス 2015年7月29日)
 http://response.jp/article/2015/07/29/256678.html


 「産経新聞」は、公募に応じたのが関東自動車1社だったことについて、「日本初」ということで「二の足を踏んだ」事業者が多かったと分析しているようです。

・宇都宮のLRT事業 三セク設立、運営へ 市と芳賀町「行政が多くの役割を」(産経新聞 2015年7月29日)
 http://www.sankei.com/region/news/150729/rgn1507290036-n1.html

 確かにそういう面もあるだろうとは思いますが、事前に事業者間でさまざまな話し合いは行っているのでしょうから、「1社だけ」と評価するのはちょっと違うのかな……という気はします。
 また、結果的に地元最大手のバス会社のみが手を挙げたということで、バス会社の面目は大いに保たれたといえますから、これはこれで良かったのではないか、と思っています。

 今後はどこが出資するか、出資比率がどうなるか、ですね。


 「朝日新聞」は、運営主体を第三セクターとした点について、公募に応じた関東自動車の提案も官民連携の第三セクターという前提であったことから、行政側は運行開始当初から民間主導というのは厳しいと判断した、と書いています。

・LRTは宇都宮市・芳賀町主導で、両首長が発表(朝日新聞 2015年7月29日)
 http://digital.asahi.com/articles/ASH7X3QXXH7XUUHB001.html


 民間には「経営の失敗」リスクがあります。
 一般的な企業であれば、社会的に大きな影響があるというほどではないのですが、公共交通の場合は減便や廃止などに直結するため、地域社会に甚大な負の影響が及んでしまいます。

 地方の公共交通を考えるとき、従来のような「民間任せ」では、ネットワークやサービスを維持できなくなっています。
 公共交通は営利事業という「常識」を根底から変えない限り、地方はどんどん不便になってしまう……。

 公設民営・公有民営による上下分離方式は、その「常識」を根底から覆す手法で、先年日本でもやっと導入できるようになりました。
 交通は、まちづくりや都市計画と密接にリンクしているわけで、その意味でも行政が関わりを持つということは大きな意味を持ちます。


 宇都宮・芳賀LRTは、地元のバス会社も検討会議に参画していますし、かつては反対していた「関東自動車」も(親会社が変わった後は)最近では駅西口へのLRT導入にも反対しない姿勢を示していています(要するに利害調整の段階に入った)。
 このことから、今後の焦点は、行政主導で設立する方針が固まった官民共同の新会社の出資者の顔ぶれと、出資比率がどうなるかに移ったといえそうです。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。

拍手[4回]

【宇都宮LRT】大幅な需要増に対応して事業費も増加

■既出の記事の中では、おそらくもっとも詳しい記事

 宇都宮市と芳賀町が共同で整備するLRTについて、おそらくこれまででもっとも詳しい記事が「レスポンス」に掲載されました。
 今回発表された新たな事業費は406億円、快速を運行する場合は412億円となっています。
 増加の理由は至ってシンプルで、要するに「従来の予想より、大幅に多い利用者が見込める」ため。
 この記事では、事業費の増加が大幅な需要増加に伴うものであること、新たな需要予測に基づく試算だと、快速を運行するケースでもしないケースでも営業黒字になる見通しである点なども明記しています。

・宇都宮LRT構想、事業費は412億円…車両増加などで1.6倍に(レスポンス 2014年8月29日)
 http://response.jp/article/2014/08/29/231080.html

 芳賀・宇都宮LRTについては、沿線企業アンケートでマイカーからの転換率が19.1%にも及ぶというデータが。
 かなりシビアに見積もって、開業当初はこの半分程度しか転換しないとしても、従来想定の転換率3.6%を大きく上回る通勤利用者がクルマから電車へとシフト(このケースでも当初想定の約3倍に!!)。


▲ 福井鉄道「F1000形」と同様、30m級のLRVを18編成導入する想定です(注:「F1000形」は編成長27m)。(クリックすると動画を再生します)

 地方でマイカー通勤の人が1~2割公共交通利用にシフトすれば、地域社会に大きな変革をもたらします。

 実際に運行を始めるまでは、半信半疑の人も多いものと思いますが、公共交通を使うか使わないかの判断基準は、一言でいえば「便利かどうか」
 通勤通学時間帯に快速運行の場合は4分ごと、そうでないケースでも6分ごとという「都心並みに高頻度に列車が走ってくる」(しかも、渋滞に巻き込まれず時間通りに運行する)という状態は、地方における公共交通観を根底から覆すインパクトを持っています。

 これ、まさに「革命級」です。

 LRT導入を機にバスネットワークが再編されて、利便性が目に見えて向上(運賃制度の共通化や、支払い方法の簡略化など)すれば、さらなる相乗効果を期待できます。


【当ブログの宇都宮LRT関連記事】
【宇都宮LRT】企業アンケ「利用する」23.3%(2014年7月25日掲載)

【宇都宮LRT】関東自動車が「営業主体に」との意向表明(2014年4月12日掲載)

本田技研北門まで「快速」で最速32分(2014年2月28日掲載)

宇都宮市長「2018~19年に運行開始」(2014年1月6日掲載)

使用車両は「30m級」を想定?(2013年12月28日掲載)

JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示(2013年12月18日掲載)

「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算(2013年11月21日掲載)

100億円を超える基金の行方(2013年6月19日掲載)

とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その1)(2013年3月3日掲載)
とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)(2013年3月3日掲載)

佐藤市政3期目に、LRT導入への課題(2012年11月25日掲載)
課題(1)関東自動車との調整(2012年11月25日掲載)
課題(2)運行主体の決定(2012年11月25日掲載)
課題(3)市民への周知継続(2012年11月25日掲載)

建設費などの具体的なデータについて(2012年11月17日掲載)

朝日新聞の連載記事「宮っ子の選択」前編都市間競争に生き残れるのか(朝日新聞 2012年11月6日)について

【特集:宇都宮LRT】下野新聞の連載記事「LRTを問う」について
「LRTを問う」第1回富山:中心部への回帰傾向が進む(下野新聞 2012年10月27日)について
「LRTを問う」第2回宇都宮:民間との信頼を築けるか(下野新聞 2012年10月28日)について
「LRTを問う」第3回いわゆる「採算性」の問題(下野新聞 2012年10月29日)について
「LRTを問う」第4回支援:国、県は市の計画待ち(下野新聞 2012年10月30日)について
「LRTを問う」第5回BRT:コスト安いが課題も(下野新聞 2012年10月31日)について
「LRTを問う」第6回議論:市は「受益」示しきれず(下野新聞 2012年11月1日)について
「LRTを問う」第7回連合栃木の主張(下野新聞 2012年11月2日)について
「LRTを問う」第8回筑波大大学院・谷口守教授へのインタビュー(下野新聞 2012年11月3日)について


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[1回]

【宇都宮LRT】企業アンケ「利用する」23.3%

■マイカー通勤からの転換率は19.1%!!

 宇都宮市と芳賀町が共同で整備するLRTについて、新たな動きです。
 LRT沿線にある清原工業団地、芳賀工業団地、芳賀・高根沢工業団地、大型商業施設「ベルモール」の従業員(約33,000人)を対象とするアンケートの調査結果が明らかに。

 「LRTを利用する」「快速があれば利用する」の合計が「23.3%に上った」……と下野新聞が報道。
 予想を大きく上回る高い数値が出ています。

・「LRT利用する」23% JR宇都宮駅東の企業従業員 宇都宮市がアンケート(下野新聞 2014年7月24日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20140724/1665393

・宇都宮LRT沿線企業アンケート 「自動車から転換」19%(MSN産経 2014年7月25日)
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/140725/tcg14072503520002-n1.htm

 アンケート対象者(約3.3万人)の内、回答したのは約1.2万人で、回収率は37.8%。
 「下野新聞」紙面の情報も総合すると……。


 「LRTを利用する」……13.5%
 「快速があれば利用する」……9.8%
 「実際に運行しないと分からない」……18%
 「利用しない」……55.2%
 (無回答)……3.4%


 「利用する」「快速があれば利用する」の合計は、23.3%。
 しかも、「実際に運行しないと分からない」の18%も、利便性が高ければ「利用する」に移行する可能性が高いといえます。

 注目すべきはマイカー通勤からの転換率で、なんと19.1%にも及びます(宇都宮市の事前想定は3.6%)。
 地方での通勤はほとんどがマイカーという状況の中で、2割に迫る転換率は注目に値します。

 一応捕捉しておきますと、アンケートの回収率が37.6%なので(この手のアンケートで約4割が回答というのは結構高い数値)、「23.3%が利用の意向」「マイカーからの転換率は19.1%」という数値をそのまま全体に当てはめることはできないとはいえ、予想を大きく上回る「嬉しい誤算」といえそうです。

 運行ルートや運行頻度、サービス水準、所要時間、想定運賃などが明らかになると、従来は漠然とした不安や懐疑を感じていた人も具体的にイメージしやすくなり、利用したいというマインドは高まるでしょう。
 ……ということは、従来の想定のまま事業化すれば、乗客が多すぎて「運びきれない」状況もあり得えます(その公算大かなと)。

 LRTの新規整備の場合、もっとも費用を要するのは軌道敷設などのインフラ整備費です。
 たとえ18m級LRVが走っても、30m級LRVが走っても、基本となるインフラ整備コストはそう変わりませんので(停留所や車庫などは長くする必要があります)、一定以上に需要が見込めるのであれば、できるだけ輸送力が大きい編成を導入して投資対効果を高めることが重要となります。

 今後は運転士などの人件費は抑えつつ、どうやって輸送力を増強するかを考えないと、ということになるのでは……と。
 具体的には、宇都宮市が最近検討している「30m級LRV」でも輸送力が不足するので、ラッシュ時には2編成以上を併結するとか、1編成あたりの編成長を長くする(世界的に主流の40m級以上とか)ことを検討しないといけないかも。
 (そのどちらの場合でも、軌道法の特認を得る必要があります)


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[1回]

【宇都宮LRT】関東自動車が「営業主体に」との意向表明

■LRT導入に向けた「最大の課題」、ひとまず決着

 芳賀・宇都宮LRT関連で大きなニュース!

 栃木県下最大のバス会社「関東自動車」「LRTの営業主体を担う責務がある」と初めて明確に導入を肯定する意思表明を行ったことで、導入に向けた最大の障害は事実上解決に。

 一時期はLRT導入に関する市との協議にも応じない強硬姿勢を取ってきた同社。
 経営陣が交代してからは現実路線に舵を切ってきましたが、これで今後の方向性は決定的になりました。

・「LRT 営業主体担う責務」関東自動車、導入を肯定 宇都宮駅東(下野新聞 2014年4月5日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20140405/1555305

 「関東自動車」は、栃木県の地元紙「下野新聞」の取材に応じる形で、



・とかくLRTだけの採算性の議論になりがちだが、周辺地域を結ぶバス路線を含めた公共交通全体の「面的持続性」が保たれることが重要
・公共交通ネットワーク全体の「面的持続性」が担保されれば、LRT導入に異を唱えることはしない
・県下最大の交通事業者である「関東自動車」がLRTの営業主体を担うことは責務
・LRT運行まではバス運行するので、LRT開業に伴って失う営業基盤に対する「補償」が必要



 と意思表明。

想定されるLRT運行ルートと停留所(下野新聞 2013年12月18日掲載)
▲ 2013年12月18日付の「下野新聞」に掲載された宇都宮・芳賀LRTの先行整備区間の現時点でのルート&電停案。「関東自動車」は、「県下最大の交通事業者として、LRTの営業主体になることが責務」と明言しました。


 「補償」という言葉が出てきたのは、これまでの経緯を振り返ってみると、実は画期的なこと。
 条件面の調整が難しい場合でも、協議の上で「金銭面で折り合いますよ」という姿勢を明確化したわけで、これは一方の当事者として重要な意思表明です。
 (つまり、「LRT導入を前提として協議を進めている」)
 とはいえ、関東自動車は「駅西」がメインエリアで、「駅東」でLRTルートに直接かぶる路線はほとんどなく、「とりあえず権利を主張してみました」という気もします。
 ただ、LRTが運行開始すると、清原工業団地や芳賀工業団地などの企業から運行受託している通勤目的のシャトルバスが不要(または大幅削減)になるので、シャトルバス運行契約で得ている利益分を「補償」してほしい、ということが真意であれば「なるほど」と合点がいきます。


■「駅東」は肯定、路線バスのドル箱「駅西」については「注文」

 一方、同社にとって「ドル箱」といわれる駅西側(JR宇都宮駅の西側)については、



・既存の公共交通が発展し(?)、移動需要を創出する度合いは東側ほど高くない
・朝夕のピーク時にLRTだけでは対応できず、路線バスとの併存になる
・駅東と駅西は状況が違うので、当面既存バスネットワークの高度化や利便性強化が合理的



 などと「否定的だ」(←「下野新聞」の報道による)。

 「否定的」というより、今後の市との交渉を強く意識した上で、西口の大通りをLRTだけに集約するのではなく、バスを残す(LRTとバスを併存させる)ことも考慮してもらわないと困る……とも読み取れます。

宇都宮市(西口大通り)宇都宮市(西口大通り)宇都宮市(西口大通り)
▲ JR宇都宮駅から東武宇都宮駅方面に向かう西口大通りは片側3車線。ただし、右折レーンと路側帯がなく、ラッシュ時は1車線がバス優先レーンになるので、最混雑時は「実質1車線」。(クリックすると拡大画像を表示します)

 もし「既存の公共交通が発展している」という主張が、バス路線の数が多かったり、走っているバスの台数が多いことを指すのであれば、首をかしげざるを得ません。
 バス会社にとって、JR宇都宮駅西口~東武宇都宮駅の区間が「確実な乗客数を見込めるドル箱区間」であることは理解しますが、



・性格が異なる多数のバス系統が重複して運行しているために、混雑する車両と閑散とした車両が混在するという非効率
・大量のバスが西口の大通りに流入することで、日常的な「バス渋滞」が発生する非効率



 ……などが発生していることは見逃せない問題です。

 バス会社としての立場上「言わざるを得ない」事情はあるのだろうとは思います。しかし、こうした非効率を放置することは経営を圧迫する一因にもなります。
 今回は駅西側へのLRT導入に関連しての話でしたが、そうでなくても複雑かつ飽和状態のバス系統と台数の整理統合はバス会社にとっても喫緊の課題でしょうね。
 (「JR宇都宮駅に直通を」という「直通指向」を無視できない……ということが、フリーハンドの検討を縛っているのではないかと推察します)

 私見ですが、駅西側へもLRTを導入することを契機に、系統数や台数を集約したバスやBRTを、LRTと軌道・停留所を共用して運行する方法が効果的では……と考えます。
 関東自動車がLRTの営業主体になるのであれば、バスの運行経費を大幅に圧縮しつつ、従来通りドル箱はドル箱として権益を維持できるわけですから、悪い話はないといえます。
 (駅西へのLRT導入に対する「落としどころ」として、バス会社としてそうした想定をしているのであれば、市としても建設的な協議を進めやすいし、バス会社にとっても結果的には実利が大きくなるものと思います)


■LRTの営業主体になれるのか?

 関東自動車が「LRTの営業主体になることは、栃木県下最大の交通事業者としての責務だ」と態度を明確化したことは、これはきわめて重要!
 ちょっと見方を変えれば、行政とはLRT導入が前提の協議を進めているので、いわゆる「とにかく反対」のような言動で混乱させないように……と、各方面に対して自制を求めているとも受け取れます。

 ここで問題になるのは、



・関東自動車はバス会社で、電車の運行を行っていない
・過去も鉄道や軌道の運行を行った経験がない



 ということ。

 この点、今回ご紹介している「下野新聞」の記事のWeb版では省略されているのですが、紙面には一問一答形式の質疑応答が掲載されていて、関東自動車として……というより、おそらく現在の親会社「みちのりホールディングス」としての考え方が分かります。

 それによると、



・「みちのりホールディングス」のグループ会社には「福島交通」がある
・「福島交通」は福島県で鉄道事業を行っている
・「みちのりホールディングス」グループ全体の事業運営能力を勘案すれば、LRTの営業主体になることは十分に可能



 ……とあります。

 「みちのりホールディングス」の傘下には、水戸市周辺で多数のバス路線を運行する「茨城交通」も含まれます。
 今の「茨城交通」はバス事業者ですが、元々は複数の鉄軌道を運行していた経験があり、6年前までは鉄道路線「湊線」(勝田~那珂湊)を運行していました。
 (「湊線」は第三セクター鉄道に転換して、ひたちなか市が51%、茨城交通は49%出資しています)

ひたちなか海浜鉄道
▲ 第3セクター鉄道「ひたちなか海浜鉄道」。6年前までは「茨城交通」の鉄道路線でした。「茨城交通」は「ひたちなか海浜鉄道」に出資し、今も資本関係があります。(クリックすると拡大画像を表示します)

 「関東自動車」本体は鉄軌道の実績がなくても、親会社である「みちのりホールディングス」傘下には鉄道を運営する交通事業者や、かつて鉄道を運営し、今は鉄道会社に出資している交通事業者がある……。
 こうしたことから、「みちのりホールディングス」はLRTの営業主体としての成算が「十分ある」と判断しているのでしょうね。
 また、宇都宮でバス事業者がLRT運行に携わることと、行政と共同で公共交通ネットワークの再生・拡充に成功することは、同様の動きがある他の地方都市にもノウハウを適用できることになるため、「みちのりホールディングス」にとっては大きなビジネスチャンスになる可能性があるといえます。

 ともあれ、従来の関東自動車の姿勢を考えれば、「運行主体を担うのが責務」とまで言及したのは決定的な進展。
 もし同社がLRTの運行主体になって、バスと共通の運賃体系を導入&IC乗車券などで乗降の円滑化が実現できるなら、駅西側も円滑な導入が可能なのでは……と。


■「1枚の切符で、何度乗り換えても目的地へ行ける」ようになるか

 この問題に関連して、利用者の立場で考えてみると、一番ありがたいのは「運賃体系の一元化」。
 JRとの運賃共通化は難しいとしても、LRTとバス、地域内交通の運賃が一元化されて、途中で何度乗り換え・乗り継いでもOK、というのが望ましい。
 (できれば宇都宮LRTと東武宇都宮線を一体化して、栃木まで運行エリアに含まれれば、さらに効果大)

東野バス
▲ 現在はバス同士の乗り換えの際、改めて運賃を支払わないといけませんが、運行会社や交通手段が違っても「目的地が同じなら何度乗り換えても運賃は同じ」にできると良いですね。(クリックすると拡大画像を表示します)

 たとえばJR宇都宮駅から目的地Aに向かう場合、同じ目的地への運賃はLRTもバスも共通であったり、途中でLRTからバスに乗り換えたり、バスからバスに乗り継いでも「1枚の切符で(乗り換えのたびに加算運賃が発生しないで)」自由に乗降できる状態。
 鉄道では、途中駅で快速から各停に乗り換えても運賃は加算されないし、たとえば宇都宮駅で宇都宮線(東北本線)から烏山線に乗り換えても、乗り換える行為自体で運賃は加算されません。
 この状況が、LRT快速とLRT各停、LRTとバス、バスとバスなどでも適用されれば嬉しいし、利用促進に直結するわけです。


 ともあれ、バス会社がここまで明確に意思表明を行ったことは、導入成功に向けた重大な局面を迎えたということでもあります。



【当ブログの宇都宮LRT関連記事】

【特集:宇都宮LRT】下野新聞の連載記事「LRTを問う」について
「LRTを問う」第1回富山:中心部への回帰傾向が進む(下野新聞 2012年10月27日)について
「LRTを問う」第2回宇都宮:民間との信頼を築けるか(下野新聞 2012年10月28日)について
「LRTを問う」第3回いわゆる「採算性」の問題(下野新聞 2012年10月29日)について
「LRTを問う」第4回支援:国、県は市の計画待ち(下野新聞 2012年10月30日)について
「LRTを問う」第5回BRT:コスト安いが課題も(下野新聞 2012年10月31日)について
「LRTを問う」第6回議論:市は「受益」示しきれず(下野新聞 2012年11月1日)について
「LRTを問う」第7回連合栃木の主張(下野新聞 2012年11月2日)について
「LRTを問う」第8回筑波大大学院・谷口守教授へのインタビュー(下野新聞 2012年11月3日)について

朝日新聞の連載記事「宮っ子の選択」前編都市間競争に生き残れるのか(朝日新聞 2012年11月6日)について

建設費などの具体的なデータについて(2012年11月17日掲載)

佐藤市政3期目に、LRT導入への課題(2012年11月25日掲載)
課題(1)関東自動車との調整(2012年11月25日掲載)
課題(2)運行主体の決定(2012年11月25日掲載)
課題(3)市民への周知継続(2012年11月25日掲載)

とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その1)(2013年3月3日掲載)
とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)(2013年3月3日掲載)

100億円を超える基金の行方(2013年6月19日掲載)

「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算(2013年11月21日掲載)

JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示(2013年12月18日掲載)

使用車両は「30m級」を想定?(2013年12月28日掲載)

宇都宮市長「2018~19年に運行開始」(2014年1月6日掲載)

本田技研北門まで「快速」で最速32分(2014年2月28日掲載)


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[0回]

【宇都宮LRT】本田技研北門まで「快速」で最速32分

■「高速区間」を70km/h運転すると所要32分

 宇都宮・芳賀LRT、先行整備区間のJR宇都宮駅東口~本田技研北門(約15km)を最速32分、途中停車は4ヶ所のみ――。
 すっかりご紹介するのが遅くなってしまったんですが、宇都宮市の総合政策課が市議会に対して提示した検討案では、かなり踏み込んだ内容が出てきました。

・LRT、快速導入で最大11分短縮(下野新聞 2014年1月18日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/region/news/20140118/1477543

 宇都宮市&芳賀町が共同整備するLRT(ライト・レール・トランジット)は、鉄道と路面電車の「いいとこ取り」をして、鉄道導入に近い効果をコストをかけずに実現するという、日本ではまだ目新しい「軽量軌道交通」システムです。
 (注:LRTは、宇都宮市が推進するネットワーク型コンパクトシティ戦略を実現するための「手段」の一つで、バス再編や地域内交通の拡充といった他の「手段」と連携させることが前提です)

 2013年秋、正式に芳賀町が話に加わったことで、先行整備区間はJR宇都宮駅東口~清原工業団地~テクノポリス~芳賀台~本田技研北門の約15kmに。
 この区間に19ヶ所の電停(電車の停留所/「駅」と考えて良いでしょうね)が設けられて、「各駅停車」だけでなく、朝夕ラッシュ時には「通勤快速」を走らせることも検討している……というのは既報の通り。

想定されるLRT運行ルートと停留所(下野新聞 2013年12月18日掲載)
▲ 2013年12月18日付の「下野新聞」に掲載された宇都宮・芳賀LRTの先行整備区間の現時点でのルート&電停案。私見ですが、(17)管理センター前~(19)本田技研北門までは将来的には「支線」になって、「本線」は(17)から東に延伸するのではないか……と。

 先行整備区間には、宇都宮市内に15ヶ所、芳賀町内に4ヶ所の電停(駅)を設置予定。
 全電停に停車するタイプの列車は15kmを43分、速達タイプの「通勤快速」だと各停より6~7分短縮=ということは36分か37分で走る見通し。
 この所要時間は、全区間に「軌道法」を厳格適用して最高速度40km/hで走る場合の想定なんですが、上記マップの内、専用軌道を新設する(8)下平出~(9)下竹下の間と、おそらくここも専用軌道になるだろう(17)管理センター前~(19)本田技研北門の間は「鉄道」並みに整備して高速運転(最高速度70km/h)すると、「通勤快速」はJR宇都宮駅東口~本田技研まで最速32分で結ぶ……と。


▲ 郊外では駅間距離が長め(駅と駅の間の距離が長め)で、鉄道のように高速運転することも、所要時間を短縮する有力な方法の一つです。

 鉄道のように高速運転を実現するためには、鉄道並みの設備が必要です。
 また、快速を運行する際、JR宇都宮線が古河駅などで行っている「緩急接続」(快速列車と普通列車が接続して、相互に乗り換え可能)を実現するには、追い越し設備を設置する必要があります。

 ただ、所要時間が短い路線かどうか、快速など速達列車が走る路線なのかどうかでは、路線の価値がまるで違います。
 また、現在は(19)本田技研北門までの先行整備段階ですが、今後真岡鐵道方面に延伸を行うことになれば、より長距離を運行することになるため、「途中区間をできるだけ早く!」ということが重要になってきます。

 この辺の話は、「将来の拡張性をどこまで検討・設計に含めるか」という長期戦略に関わってきます。


▲ とても重要なのが「将来の拡張性をどこまで検討・設計に含めるか」ということ。延伸の予定があったり、他の鉄道路線への乗り入れを検討している場合は、特に重要です。

 たとえ「今すぐ」は必要なくても、そう遠くない将来に必要になる可能性があるなら、「あらかじめ織り込んでおく」ことは、結果的にトータルコストを圧縮する効果があります。
 たとえば住宅建築でも、将来の増築を見越した設計にしておけば、いざ増築するとき最小限の費用と工期で済みますが、事前に全く考慮せずに設計・建築してしまうと、将来増築が必要になったとき、思わぬ追加費用や手間がかかってしまうことがあります。

 鉄道やLRTなど公共交通機関を整備する場合も同様です。

 将来の都市戦略・地域戦略を見据えて、どこまで延伸する計画があるのか。
 そのときどの程度輸送量が増えそうなのか。
 駅の大きさをどの程度拡張できるように見ておけば良いのか。
 車両のサイズや仕様についてどこまで余裕を見ておけば良いのか……等々。

 目先のコストや今見えている事象だけでなく、長期的な視点で考えておくことが重要になる……というわけです。

清原工業団地
▲ 宇都宮市にとって超重要エリアの清原工業団地。宇都宮市の財政の結構な部分を「清原地区が支えて」いるので、頼りになり分かりやすい交通手段を整備することは極めて重要! また、芳賀工業団地、芳賀・高根沢工業団地に通っている人の多くも宇都宮市内に住んでいます。

 なお、相変わらず「赤字だ」というような言説を見聞きすることがあるのですが(「公共」交通なので、表面的な赤字黒字の採算性だけで判断するのはナンセンスなんですが)、宇都宮・芳賀LRTは「公設民営」「上下分離方式」で整備することが決まっています。

 これは、線路(軌道)はもちろん、駅や車庫などの施設、使用する車両の調達・整備などを含めた「下(インフラ部分)」は公的に整備して、運行会社は「上(列車の運行サービス)」に専念する方式です。
 これをバスに置き換えると、道路や停留所、使用するバス車両は公的に整備して、運行会社はバスの運行サービスに専念……と同じことになります。
 (注:LRT整備はバス活性化とセットで、今後バスに対してもさまざまな公的支援が行われる計画です)

 ご承知のように、地方の公共交通ネットワークを従来のような独立採算制で維持し続けるのは困難です。
 でも今、この「常識」は大きく覆ろうとしているんです。
 これまでは、とかく道路だ鉄道だLRTだバスだと分けて考える人が多かったんですが、今後は異なる交通手段であっても一つの「交通体系」として、バランス良く整えていくことが一般的になっていきます。
 具体的には、これまで道路を公的に整備してきたのと同様に、公共交通ネットワークも「重要な社会資本」として、少なくともインフラ部分は公的に整備する方向に変わっていくことになります。
 それが「公設民営」または「公有民営」の「上下分離方式」です。

 行政がインフラ整備の面倒を見る方式に変わるだけで、地方の公共交通ネットワークはかなりの部分が十分ペイするようになります。
 また、独立採算制だと全部の経費を運賃で回収しないといけませんが、行政がインフラを担当することでその分の経費がかからなくなれば、運賃の引き下げや運行本数の増加がしやすくなります。
 公共交通ネットワークが便利になって、しかも運賃も下がって利用しやすくなる(または、運行本数が増えて利用しやすくなる)のであれば、その分クルマを使わずに済む人が増えて交通量が減りますから、道路渋滞も緩和します。
 (クルマを使うか公共交通を使うか、より多くの人が「選べる」ようになることが重要!)


【当ブログの宇都宮LRT関連記事】

【特集:宇都宮LRT】下野新聞の連載記事「LRTを問う」について
「LRTを問う」第1回富山:中心部への回帰傾向が進む(下野新聞 2012年10月27日)について
「LRTを問う」第2回宇都宮:民間との信頼を築けるか(下野新聞 2012年10月28日)について
「LRTを問う」第3回いわゆる「採算性」の問題(下野新聞 2012年10月29日)について
「LRTを問う」第4回支援:国、県は市の計画待ち(下野新聞 2012年10月30日)について
「LRTを問う」第5回BRT:コスト安いが課題も(下野新聞 2012年10月31日)について
「LRTを問う」第6回議論:市は「受益」示しきれず(下野新聞 2012年11月1日)について
「LRTを問う」第7回連合栃木の主張(下野新聞 2012年11月2日)について
「LRTを問う」第8回筑波大大学院・谷口守教授へのインタビュー(下野新聞 2012年11月3日)について

朝日新聞の連載記事「宮っ子の選択」前編都市間競争に生き残れるのか(朝日新聞 2012年11月6日)について

建設費などの具体的なデータについて(2012年11月17日掲載)

佐藤市政3期目に、LRT導入への課題(2012年11月25日掲載)
課題(1)関東自動車との調整(2012年11月25日掲載)
課題(2)運行主体の決定(2012年11月25日掲載)
課題(3)市民への周知継続(2012年11月25日掲載)

とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その1)(2013年3月3日掲載)
とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)(2013年3月3日掲載)

100億円を超える基金の行方(2013年6月19日掲載)

「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算(2013年11月21日掲載)

JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示(2013年12月18日掲載)

使用車両は「30m級」を想定?(2013年12月28日掲載)

宇都宮市長「2018~19年に運行開始」(2014年1月6日掲載)


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[2回]

【宇都宮LRT】宇都宮市長「2018~19年に運行開始」

■2016年度の着工から2年程度で運行開始かも

 宇都宮市の佐藤栄一市長は、今日(2014年1月6日)行われた新春記者会見で、宇都宮・芳賀LRTについて、「2016年度の着工をめざす」としたうえで、「2018~19年あたりで運行開始したい」と発言。

 これまで慎重な姿勢を貫いてきた佐藤市長が運行開始時期についてここまでハッキリ発言したのは、たぶん今回が初めて。
 これまでの流れを考えると、何も裏付けがなければここまで踏み込んだ発言を行うことは考えにくいので、関係各方面との協議や調整がかなり進んでいて、「時期を公表できる段階に達した」ことを意味するのでは……と推察できます。

・「2018年にも運行したい」 LRTで宇都宮市長(下野新聞 2014年1月6日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20140106/1466008

 これまでのところ、LRT先行整備区間はJR宇都宮駅東口~清原工業団地~テクノポリス~芳賀台~本田技研北門で、約15km。
 この区間に19ヶ所の電停(電車の停留所/=「駅」と考えて良いでしょうね)が設けて、「各駅停車」だけでなく、朝夕ラッシュ時には「通勤快速」を走らせることも検討しているようです。

想定されるLRT運行ルートと停留所(下野新聞 2013年12月18日掲載)
▲ 2013年12月18日付の「下野新聞」に掲載された宇都宮・芳賀LRTの先行整備区間の現時点でのルート&電停案。電停の地名が記載されていて、イメージが把握しやすい地図です。

 もうちょっとご紹介すると、電停は宇都宮市内に15ヶ所、芳賀町内に4ヶ所設置予定で、全電停に停車するタイプの列車は15kmを43分、速達タイプの「通勤快速」だと各停より6~7分短縮=ということは36分か37分で走る見通し。
 2016年度には着工予定で、今回の発表で2018~19年の運行開始を目指していることが判明しました。

 なお、先行整備区間の開業時までには、JR宇都宮駅の東西乗り越えは間に合わないとの想定のようで、この時点ではJR宇都宮駅東口が暫定的な起点になるようです。
 JR宇都宮駅の東西乗り越えと、JR宇都宮駅の西側整備などについても、並行して検討が行われていくのだろうと思います。

 既出の範囲内で注目すべき点は、


(1)先行整備区間に「芳賀・高根沢工業団地」にある「本田技研北門」が含まれた
(2)鬼怒川を挟んだ約2.4kmは専用軌道&高速運転
(3)「通勤快速」運行を検討、途中の停留所5ヶ所に追い抜き施設を設置
(4)車両1編成の定員155人(最大232人)を想定


 の4点が挙げられます。
 ((1)~(3)についての詳細(4)についての詳細)。

 「定員155人」に該当するLRV(ライト・レール・ヴィークル/LRT用の車両)といえば、先日「福井鉄道」が導入した「FUKURAM」こと「F1000形」がありますので、現在宇都宮・芳賀LRT用の車両としては少なくとも「30m級」のLRVを想定していることが分かります。


▲ 福井鉄道に導入されたLRV「F1000形」は、全長27.16m・全幅2.65mの3車体連接車です。

 1人の運転士さんでより多くの乗客を運べる方が輸送効率が高いことは言うまでもないことですし、着座率を高めて快適性を向上するためにも、自転車の車内持ち込みを容易にするためにも、できるだけ大柄な車両の導入が効果的といえます。


 計画を進める際、時期を明示することは重要なポイントですが、裏付けのないスケジュールなら安易に明示しない方が賢明です。
 これまでの流れを振り返ると、佐藤市長はこうした点に慎重過ぎるほど慎重で、運行開始時期について公の場でここまで踏み込んだ表現はしてこなかったと思います。
 その慎重な市長が具体的な時期を公言したということは、公言しても差し障りがないまでに「状況が整った」ためではないかと思いますので、今回の発言はかなり重要な意味を持っているように感じます。


【当ブログの宇都宮LRT関連記事】

【特集:宇都宮LRT】下野新聞の連載記事「LRTを問う」について
「LRTを問う」第1回富山:中心部への回帰傾向が進む(下野新聞 2012年10月27日)について
「LRTを問う」第2回宇都宮:民間との信頼を築けるか(下野新聞 2012年10月28日)について
「LRTを問う」第3回いわゆる「採算性」の問題(下野新聞 2012年10月29日)について
「LRTを問う」第4回支援:国、県は市の計画待ち(下野新聞 2012年10月30日)について
「LRTを問う」第5回BRT:コスト安いが課題も(下野新聞 2012年10月31日)について
「LRTを問う」第6回議論:市は「受益」示しきれず(下野新聞 2012年11月1日)について
「LRTを問う」第7回連合栃木の主張(下野新聞 2012年11月2日)について
「LRTを問う」第8回筑波大大学院・谷口守教授へのインタビュー(下野新聞 2012年11月3日)について

朝日新聞の連載記事「宮っ子の選択」前編都市間競争に生き残れるのか(朝日新聞 2012年11月6日)について

建設費などの具体的なデータについて(2012年11月17日掲載)

佐藤市政3期目に、LRT導入への課題(2012年11月25日掲載)
課題(1)関東自動車との調整(2012年11月25日掲載)
課題(2)運行主体の決定(2012年11月25日掲載)
課題(3)市民への周知継続(2012年11月25日掲載)

とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その1)(2013年3月3日掲載)
とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)(2013年3月3日掲載)

100億円を超える基金の行方(2013年6月19日掲載)

「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算(2013年11月21日掲載)

JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示(2013年12月18日掲載)

使用車両は「30m級」を想定?(2013年12月28日掲載)


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[1回]

【宇都宮LRT】使用車両は「30m級」を想定?

■12月18日付「下野新聞」の記事を読み解くと……

 先日当ブログでもご紹介した宇都宮・芳賀LRTの先行整備ルート案
 このときのブログ記事は、ルートと電停(電車の停留所)を地図付きで紹介していた「読売新聞」web版の記事を読み解く形で記述しました。
 で、実は「下野(しもつけ)新聞」web版にもさらに詳しいマップ付きの記事が掲載されていましたので、遅れ馳せながら、そちらの情報も加味した考察をまとめてみます。

・LRT導入の年間支出、最大9・2億円 宇都宮市が試算(下野新聞 2013年12月18日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/utsunomiya/news/20131218/1447282

・LRT全ルート案提示…「高速区間」「通勤快速」も(読売新聞 2013年12月18日)
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20131217-OYT8T01469.htm

 2013年12月18日付「下野新聞」は、現時点で宇都宮市が想定している先行整備ルートと、全19ヶ所の電停のおおよその位置を記載した地図を掲載しています。
想定されるLRT運行ルートと停留所(下野新聞 2013年12月18日掲載)
▲ 宇都宮・芳賀LRTの先行整備区間の現時点でのルート&電停案。電停の地名が記載されているので、イメージが把握しやすいですね。

 宇都宮市・芳賀町が先行整備するルートは、「JR宇都宮駅東口」~「本田技研北門」約15km
 宇都宮市内に15ヶ所、芳賀町内に4ヶ所の電停(電車停留所)を設け、全電停に停車するタイプの列車は15kmを43分で、速達タイプの「通勤快速」だと各停より6~7分短縮=36~37分で走る見通し。
 2016年度には着工予定で、早ければ5~6年後には実現する先行整備区間の開業時までには、JR宇都宮駅の東西乗り越えは間に合わないとの想定のようで、この時点ではJR宇都宮駅東口が暫定的な起点になるようです。

 前回のブログ記事で注目すべき点として、


(1)先行整備区間に「芳賀・高根沢工業団地」にある「本田技研北門」が含まれた
(2)鬼怒川を挟んだ約2.4kmは専用軌道&高速運転
(3)「通勤快速」運行を検討、途中の停留所5ヶ所に追い抜き施設を設置


 この3点を挙げました(これらの詳細は先日の記事をご覧いただくとして……)。


大きな地図で見る
▲ LRT先行整備区間は、芳賀町の途中から北上。広大な敷地の「本田技研」は、南北2ヶ所の電停が利用できる想定です。

 で、今回「下野新聞」の記事を読んでいて、大いに気になる記述を発見しました。
 それが、


 車両1編成の定員155人(最大232人)


 という部分です。

■「定員155人」のLRV=福井鉄道「F1000形」クラスを想定?

 「定員155人」に該当するLRV(ライト・レール・ヴィークル/LRT用の車両)といえば、先日「福井鉄道」に導入された「FUKURAM」こと「F1000形」が挙げられます。


▲ 福井鉄道に導入されたLRV「F1000形」は、全長27.16m・全幅2.65mの3車体連接車です。

 「F1000形」は、これまで日本国内で登場したLRVの中では最大規模の車両です。
 全長は27.16mで、いわゆる「30m級」のLRVに類します。
 全幅は2.65mで、鉄道車両に近い幅です。車内には通路を挟んで4人掛けのボックスシートが左右に並びます。
 定員は155人(座席53人)で、3車体連接車です。

 世界的に見ると、「F1000形」と同じ30m級LRVの輸送力は「普通」で、都市によっては40m級のLRVや、30m級のLRVを2~3編成併結する(編成長60~90m)ケースも結構あります。
 宇都宮では、以前の想定では富山ライトレールの「TLR0600形」と同等のLRV(全長18.4m・全幅2.4m)を想定していた時期もあったようです。
 しかし最近では、宇都宮市長が「LRTに自転車を持ち込めるように検討している」という主旨の発言をしていて、これは言い換えると「大柄な車両の導入を考えている」(車内スペースに余裕がなければ自転車は持ち込めない!)ということでもありますから、どうやら少なくとも30m級のLRVを念頭に置いて検討を進めているものと考えて良さそうです。

 マイカー依存度が高い地方で公共交通の利用促進を図るには、


「待たずに乗れる」十分な運行頻度
「飲んでも帰れる」遅めの時間帯までの運行
「快適に移動できる」余裕がある車内スペース


 が重要な意味を持ってきます。
 宇都宮・芳賀LRTの場合は、さらに、


「JRの最終列車から乗り継げる」終列車の設定
「自転車も持ち込める」余裕があるスペース
「クルマからも乗り換えが便利」な乗換拠点の整備


 が実現できるとなお良し、となります。

 輸送力に余裕がある大柄の車両を検討しているのであれば、これはとても良い話といえます。
 なぜかというと、ラッシュ時には混雑緩和になりますし、日中の比較的空いている時間には確実にイスに座れるし、自転車持ち込みスペースを確保しやすいからです。

 LRTの終列車は、少なくとも東北新幹線の終列車に接続する必要があります。
 できればJR宇都宮線の下り終列車との接続も取って欲しいところですが、25時台(翌日の午前1時台)にJR宇都宮駅を出発するダイヤになりますので、実現する場合は深夜料金(首都圏の深夜バスのように運賃が倍増するか、一律○百円の深夜料金を徴収)を設定しても良いかも。

 なお、運行時間帯について、「下野新聞」の記事では6時~23時と掲載しています。


■多くの人は「実現していないもの」を正当に評価しにくい!!

 LRT事業単体の採算見通しについて、「読売新聞」の記事では、


・年間の運営費……7億1600万円~9億2400万円
・年間の収入……7億4400万円~11億1700万円


 と紹介していますが、「下野新聞」の記事では


・年間の運営費……7.1億円~9.2億円
・年間の収入……7.4億円(最低限の需要で)


 と記載しています。

 「下野新聞」が掲載した年間収入「7.4億円」という数字は、「清原工業団地、芳賀工業団地の企業などに行ったヒアリング」の結果、LRT利用に変更する人が「3.6%」で、「1時間あたり1,695人が乗り換え」るという試算に基づくもののようです。
 この「3.6%」という数値は、「かなり控えめな数値だなあ」という感想で、実際にはさらに多くの人が転換することにはなると思います。
 (今の段階では多くの人にとってまだまだ「絵空事」で、実際にLRTが開業してみないと利便性を実感できない)


▲ 宇都宮市と姉妹都市のオルレアン(フランス)のLRT。公共交通サービスは、実際に開業して便利さを享受してからでないと、本来の価値を正当評価しにくいといえます。

 これまでに出ている需要予測は、沿線全てが対象ではないこと、先行整備区間が芳賀・高根沢工業団地の本田技研まで含まれることになったことから、今後調査を継続すればするほど、当然ながら需要予測は上方修正されていくでしょうね。


 LRTに限った話ではないのですが、「まだ実現していないもの」や「実際に見ていないもの」について、事前に正当な評価を下せる人は、ごくごく少数です。
 「百聞は一見にしかず」といいますが、多くの人にとって「実現した後」で初めて正当な評価が下せる状態になるのだ……というわけです。

 事前に正当評価が難しいのであれば、同様の事例がどうなっているかを見てみれば、ある程度想像できるといえます。
 宇都宮からもっとも近くで、新たに公共交通サービスの提供を始めた好例が「つくばエクスプレス(TX)」(秋葉原~つくば間)です。

 開業前は「建設費が莫大(整備費は8,000億円以上)」とか「どうせ赤字だ」とか「誰も乗らない」と揶揄され、開業直後に日中のもっとも乗客が少ない時間帯の列車が「ガラガラ」で「赤字必至だ」と一部報道で取り上げられたことすらありました。
 2005年の開業から8年。
 「つくばエクスプレス」沿線は急速な発展を遂げていて、今後も相当な伸び代があるだろうことが容易に想像できます。
 かつては宇都宮周辺以上にクルマに依存しきった地域だったのですが、利便性が高い公共交通サービスが提供されるようになって、沿線住民の意識も行動様式も変化しています。

 実際にできてしまうとさまざまな相乗効果が生まれますし、相乗効果が生まれるような工夫や努力をしていくことも大切だといえますね。


【当ブログの宇都宮LRT関連記事】

【特集:宇都宮LRT】下野新聞の連載記事「LRTを問う」について
「LRTを問う」第1回富山:中心部への回帰傾向が進む(下野新聞 2012年10月27日)について
「LRTを問う」第2回宇都宮:民間との信頼を築けるか(下野新聞 2012年10月28日)について
「LRTを問う」第3回いわゆる「採算性」の問題(下野新聞 2012年10月29日)について
「LRTを問う」第4回支援:国、県は市の計画待ち(下野新聞 2012年10月30日)について
「LRTを問う」第5回BRT:コスト安いが課題も(下野新聞 2012年10月31日)について
「LRTを問う」第6回議論:市は「受益」示しきれず(下野新聞 2012年11月1日)について
「LRTを問う」第7回連合栃木の主張(下野新聞 2012年11月2日)について
「LRTを問う」第8回筑波大大学院・谷口守教授へのインタビュー(下野新聞 2012年11月3日)について

朝日新聞の連載記事「宮っ子の選択」前編都市間競争に生き残れるのか(朝日新聞 2012年11月6日)について

建設費などの具体的なデータについて(2012年11月17日掲載)

佐藤市政3期目に、LRT導入への課題(2012年11月25日掲載)
課題(1)関東自動車との調整(2012年11月25日掲載)
課題(2)運行主体の決定(2012年11月25日掲載)
課題(3)市民への周知継続(2012年11月25日掲載)

とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その1)(2013年3月3日掲載)
とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)(2013年3月3日掲載)

100億円を超える基金の行方(2013年6月19日掲載)

「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算(2013年11月21日掲載)

JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示(2013年12月18日掲載)


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[0回]

【宇都宮LRT】JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示

■JR宇都宮駅東口~本田技研北門を先行整備、「高速運転区間」「通勤快速」も!!

 宇都宮・芳賀LRTで、またまた新しい動きが!
 宇都宮市と芳賀町が中心となってLRT整備に向けた具体的な検討を行う「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」の第2回会合が行われて、宇都宮市・芳賀町が先行整備する区間の全ルート案が明らかになっています。

LRTのルートと停留所の案(読売新聞 2013年12月18日掲載)

 宇都宮市・芳賀町が先行整備するルートは、「JR宇都宮駅東口」~「本田技研北門」までの約15km。
 宇都宮市内に15ヶ所、芳賀町内に4ヶ所の電停(電車停留所)を設け、全電停に停車するタイプの列車は15kmを43分で、「通勤快速」だと各停より6~7分短縮=36~37分で走る見通しです。

・LRT全ルート案提示…「高速区間」「通勤快速」も(読売新聞 2013年12月18日)
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20131217-OYT8T01469.htm

 今回明らかになった情報で注目すべき点は、次の3点です。

(1)先行整備区間に、「芳賀・高根沢工業団地」にある「本田技研北門」が含まれた
(2)鬼怒川を挟んだ約2.4kmは専用軌道&高速運転
(3)「通勤快速」運行を検討、途中の停留所5ヶ所に追い抜き施設を設置

 (1)については、従来は宇都宮側と一体で先行整備する区間は「芳賀工業団地」付近までと発表されていたのですが、さらに北側にある「芳賀・高根沢工業団地」にある「本田技術研究所」が含まれたこと。
 「将来的には真岡鐵道への結節を見越す」方針なので、本田技研方面への先行整備区間は、おそらく将来的には分岐線になるのだろうと思います。


大きな地図で見る
▲ 芳賀町内の先行整備区間に「本田技研北門」が含まれることが明らかに。万単位の従業員を抱える企業や工業団地をサービスエリアに含めることは、今後の利用促進を考える上で重要な決定です。

 LRT先行整備区間が開業すれば、現在シャトルバスで通勤している人だけでなく、通勤で利用できる公共交通機関がなくてマイカー通勤している人の中からも、LRTが高頻度で時間通りに運行するのであれば、乗り換えを検討する人が相応に出てくるものと考えられます。
 (注:企業としては、従業員にはできるだけ公共交通機関を使ってもらう方が良い)

 また、今後の従業員の部屋探しや家探しの際、「東西基幹LRTの沿線かどうか」という選定基準が大きな意味を持つようになります。
 (直接の沿線でなくても、間接的に便利=バスなどと乗り継ぎが容易なエリアかどうかも次善の策になります)

 (2)については、鬼怒川を渡河するために下平出~下竹下に直線的で最短の専用軌道を新設することになるため、ここは鉄道と同じく高速運転が可能だということです。
 私見ですが、広大な清原工業団地内でも、道路脇に専用軌道を設けることができそうなのと、停留所の間隔を長めに取れるのであれば、高速運転が行えるのではないか……と見ています。
 まあこの辺は、今後検討が進む中であれこれ揉まれることにはなるのだろうと思いますが、早い&速いに越したことはないので、安全を担保した上でバランス取りをしていくことになるのかなと。


▲ 米国ポートランドのLRT「MAX」の動画。中心市街地での軌道をどのように敷設するか、部分的な高架や地下、専用区間を設けるかどうかも、定時運行性や速達性を考える際、重要になります。

 (3)については、鉄道が行っている普通列車と快速列車の待ち合わせや追い越しをLRTで実現しようという、少なくとも国内では前例がなかった意欲的な考え方といえます。
 記事では5ヶ所の追い越し施設をどこに設置するかまでは触れていませんが、スペース的な余裕がある主要電停(ベルモールとか?)や、大規模なパーク&ライド用の駐車場を備えるトランジットセンターなどが念頭にあるものと思います。


 また、LRT事業単体の採算見通しも明らかに。
 どんな車両を使って、どの程度の運行頻度にするのか、運賃体系がどうかなど、詳細が煮詰まっていない段階ではあるのですが、現時点では、

・年間の運営費……7億1600万円~9億2400万円
・年間の収入……7億4400万円~11億1700万円

 と試算しているようです。
 (運行経費や人件費など、他県の路面電車などの経営状況などを参考にしている試算だと思います)

 実際には、導入による効果はかなり広範に及ぶので、本当は事業採算性「だけ」で評価するのは的外れともいえるのですが、まあ一応の判断基準にはなるのではないかと。


 マイカー通勤からのモーダルシフトを促すためにも、適正な運賃水準で、高い運行頻度、かつ通勤ラッシュ時でも一定以上の快適性が保てる車両(=編成長が長い)での運行が望ましいところ。
 鉄道やバスなどの交通機関との乗り換え・乗り継ぎの利便性を高め、マイカーからの乗り換えも容易にしていくことも重要です。
 朝夕ラッシュ時は難しいかも知れないですが、車内に自転車を折りたたまなくても持ち込める状態だと、なお良いと言えます。


【当ブログの宇都宮LRT関連記事】

【特集:宇都宮LRT】下野新聞の連載記事「LRTを問う」について
「LRTを問う」第1回富山:中心部への回帰傾向が進む(下野新聞 2012年10月27日)について
「LRTを問う」第2回宇都宮:民間との信頼を築けるか(下野新聞 2012年10月28日)について
「LRTを問う」第3回いわゆる「採算性」の問題(下野新聞 2012年10月29日)について
「LRTを問う」第4回支援:国、県は市の計画待ち(下野新聞 2012年10月30日)について
「LRTを問う」第5回BRT:コスト安いが課題も(下野新聞 2012年10月31日)について
「LRTを問う」第6回議論:市は「受益」示しきれず(下野新聞 2012年11月1日)について
「LRTを問う」第7回連合栃木の主張(下野新聞 2012年11月2日)について
「LRTを問う」第8回筑波大大学院・谷口守教授へのインタビュー(下野新聞 2012年11月3日)について

朝日新聞の連載記事「宮っ子の選択」前編都市間競争に生き残れるのか(朝日新聞 2012年11月6日)について

建設費などの具体的なデータについて(2012年11月17日掲載)

佐藤市政3期目に、LRT導入への課題(2012年11月25日掲載)
課題(1)関東自動車との調整(2012年11月25日掲載)
課題(2)運行主体の決定(2012年11月25日掲載)
課題(3)市民への周知継続(2012年11月25日掲載)

とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その1)(2013年3月3日掲載)
とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)(2013年3月3日掲載)

100億円を超える基金の行方(2013年6月19日掲載)

「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算(2013年11月21日掲載)

JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示(2013年12月18日掲載)


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[3回]

【宇都宮LRT】「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算

■「東側」(JR宇都宮駅~清原工業団地)の需要は「少なくとも9千人超/日」

 宇都宮・芳賀LRTで、また新しい動きが!
 宇都宮市が同市東部のLRT(ライト・レール・トランジット)導入に関して、沿線の一部企業や学校を対象としたヒアリング調査を行った結果、少なくとも「1日あたり9,089人」が利用するという試算が出ました。
 調査を行った企業や学校は沿線の一部に過ぎないので、今後も調査を続けると、さらにこの人数が増えることは確実です。

 で、これを報じた「下野新聞」の記事なんですが……。
 見出しだけを見ると「たった3,800人?」とも読めてしまうのですが、記事を読み進めると「合計9,089人/日」が利用するという試算だということが分かります。

・通勤通学、毎朝3800人利用 LRTのJR宇都宮駅東部で試算(下野新聞 2013年11月20日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20131120/1419003

 ちょっと記事の書き方がどうかな……と思ってしまうのですが、web版の記事と、新聞紙面の内容を分解して改めてまとめてみると、こんな感じになります。

 今回の市の試算は、
・「清原工業団地」の「従業員数250人以上」の「11企業」
・「清原地区」周辺にある「大学・短大・高校」の「3校」
 だけを対象としたヒアリング調査に基づくものです。

 また、沿線にある
・ベルモール(大型ショッピングモール)
・グリーンスタジアム
・清原球場
 以上3つの沿線施設への来客を試算に盛り込んでいます。
 ……ということは、言い換えると、これら以外の需要は「まだ盛り込んでいない状況」です。



・企業が自社運行する通勤シャトルバスは、現在3社で片道1,934人/日が利用
・通学バスの利用者は、片道500人/日
・企業来訪者は、10社で片道549人/日


・LRT開業後、通勤・通学バスの利用者は全員LRTに転換すると試算
・企業来訪者は、半数がLRTに転換すると試算
・清原工業団地&芳賀工業団地にクルマで通勤する人の3.6%がLRTに転換すると試算
・この結果、通勤通学利用者は、片道3,855人/日、往復で7,710人/日が利用すると試算


・通勤通学の需要とは別に、大型商業施設や県グリーンスタジアムなどの沿線施設への来場者数は、往復1,379人/日、往復503,652人/年と試算


・通勤通学と、その他の需要を合わせると、「往復で9,089人/日」が利用と試算
・片道の基本運賃が100~400円の設定で、年間収入は7.4億円を見込む
 (現状、路線バスでJR宇都宮駅~芳賀バスターミナル間は770円)


 この試算、かなり控えめな数字だなあ……というのが正直な印象です。
 (現状の企業シャトルバス利用者数がベースになっているので仕方ない面はあるのですけれども)
 クルマ通勤からの転換組は、素人判断ですが少なくとも5%以上を見込んでも良いのではないかと。

 具体的な検討はこれからなので、まだ何ともいえない部分はあるのですが、


・先行整備区間として、従業員数が多い本田技研までをルートに含めるのかどうか
・運行頻度はどうか
・使用車両のグレードや収容力はどうか
・運行速度と所要時間はどうか


 ……などによって、クルマ通勤から転換する人はさらに増えるものと思います。
 また、LRTのサービスレベルが高ければ沿線開発が進みますので、それに伴って利用者も増加していくものと見ています。


▲ 公共交通は、良質なサービスレベルを提供できると、利用者が大幅に増加します。福井では新型車両「F1000形」を1編成導入した効果、パーク&ライド推進効果もあって、利用者が8.3%増加しました。(クリックすると拡大画像を表示します)

 市は今後も沿線の他の企業の従業員や、沿線住民にも利用意向やクルマからの乗り換えなどについてヒアリングを行っていくとのことです。


 2001年に実施した「LRT利用に関する意識調査」によると、JR宇都宮駅東口~宇都宮テクノポリスセンター間(約12km)の需要予測は「往復で13,740人/日」。

 今回市が出した試算をベースに、まだ市が盛り込んでいない需要がある点、2001年当時にはなかった芳賀工業団地までの一体整備が盛り込まれることになった点を考慮すると、「13,740人」を超える需要があると考えて良いのではないかと思います。


【当ブログの宇都宮LRT関連記事】

【特集:宇都宮LRT】下野新聞の連載記事「LRTを問う」について
「LRTを問う」第1回富山:中心部への回帰傾向が進む(下野新聞 2012年10月27日)について
「LRTを問う」第2回宇都宮:民間との信頼を築けるか(下野新聞 2012年10月28日)について
「LRTを問う」第3回いわゆる「採算性」の問題(下野新聞 2012年10月29日)について
「LRTを問う」第4回支援:国、県は市の計画待ち(下野新聞 2012年10月30日)について
「LRTを問う」第5回BRT:コスト安いが課題も(下野新聞 2012年10月31日)について
「LRTを問う」第6回議論:市は「受益」示しきれず(下野新聞 2012年11月1日)について
「LRTを問う」第7回連合栃木の主張(下野新聞 2012年11月2日)について
「LRTを問う」第8回筑波大大学院・谷口守教授へのインタビュー(下野新聞 2012年11月3日)について

朝日新聞の連載記事「宮っ子の選択」前編都市間競争に生き残れるのか(朝日新聞 2012年11月6日)について

建設費などの具体的なデータについて(2012年11月17日掲載)

佐藤市政3期目に、LRT導入への課題(2012年11月25日掲載)
課題(1)関東自動車との調整(2012年11月25日掲載)
課題(2)運行主体の決定(2012年11月25日掲載)
課題(3)市民への周知継続(2012年11月25日掲載)

とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その1)(2013年3月3日掲載)
とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)(2013年3月3日掲載)

100億円を超える基金の行方(2013年6月19日掲載)

「東側」は最低限「9,089人/日」利用と試算(2013年11月21日掲載)

JR宇都宮駅東口~本田技研北門までの全ルート案提示(2013年12月18日掲載)


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[2回]

【宇都宮LRT】100億円を超える基金の行方

「清原工業団地を造成・売却した際の売却益は、清原のために使ってほしい」

 1984年から4期に渡って栃木県知事を務めた渡辺文雄氏は、かつてこのように語っていたそうです。
 もっと具体的にいえば、「陸の孤島」で慢性的な渋滞に苦しんでいた清原地区の住民達との「公約」でもあった、宇都宮駅への軌道系公共交通機関整備に充当して欲しい……と。

 現在、売却益は約100億円残されています。


 公共交通に対する姿勢と理解が変わりつつあるとはいえ、まだまだ「下野新聞」の認識は不十分というか何というか。
 LRT整備に関連した報道では、相変わらずこのような報じ方になってしまいます。

・LRT反対派外し? 宇都宮開発組合議員選挙(下野新聞 2013年6月19日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20130618/1069017


 「宇都宮市街地開発組合」は栃木県と宇都宮市で構成する一部事務組合で、1960年、工業団地の造成などを目的に設立されました。

 これまでに、清原サッカー場(今の県グリーンスタジアム)の整備などに関わっています。
 組合には今でも100億円を超える財政調整基金があって(以前はもっとあった)、この基金をどのように活用していくかは大きな関心事になっていました。

 知事も市長も、これまでの講演でたびたびこの基金については触れています。
 また、交通事情の抜本的な改善を求め続けている清原地区の住民達も、一刻も早いLRT整備を熱望していて、売却益を整備費として充当することに賛同しているそうです。


 鬼怒川の東側にある清原地区は、元々は「芳賀郡清原村」で、1954年に宇都宮市に編入合併されています。 
 実際に清原工業団地の分譲が始まったのは1974年になってからですが、広大な土地を工業団地にすることには地権者の間でもさまざまな考え方があっただろうことは想像に難くありません。
 一説によると、工業団地整備に合意する交換条件として、地元住民は中心市街地に向かう軌道系公共交通機関の整備を求めたとも言われています。

 清原地区と宇都宮駅を結ぶ軌道系公共交通機関は、当初はLRTの概念がまだ日本には伝わっておらず、モノレールやAGT(「ニューシャトル」や「ゆりかもめ」のようなもの)が検討されていたものと思います。
 しかし、いずれも整備費は高額で、AGTは1kmあたり80~100億円、モノレールは1kmあたり100~120億円ですし、当時は上下分離方式もないご時世ですから、とてもとても早期整備は望めない状況だったと思います。

 その後、海外からLRTの成功事例が伝わってきて、ここでやっとLRTが具体的かつ現実的な有力候補になります。
 路面レベルを走るので乗降がしやすい点や、整備費が1kmあたり20~25億円と他の新交通システムよりかなり割安であること、まちづくりにリンクした交通機関であることなどが評価されたのは、当然だといえます。

 後にLRTから既存鉄道へ乗り入れるトラムトレインが実現可能であること、公設民営による上下分離方式を導入可能であることなど、良い材料が加わっていきました。


 宇都宮市の東にある芳賀町、市貝町、さらには茂木町の3町長が、昨秋の宇都宮市長選前に「LRTの早期整備を」と異例の要望を出した際、芳賀町の町長は「宇都宮テクノポリスセンターまで軌道を敷設してもらえれば、後は我々が東に軌道を延ばして真岡鐵道に結節させる」とまで語ったと報じられました。
 さらには「上三川町(かみのかわまち)にも声を掛けようか」という話まで出ていたと報じられています。

 真岡鐵道に結節して、宇都宮駅~茂木駅(さらには「ツインリンクもてぎ」)まで1本の列車で直通できるようになれば、過疎化に苦しむ芳賀地域にとっては抜本的な変革がもたらされる可能性があります。

 また、いつになるか、どういうルートになるかはまだまだ紆余曲折があるでしょうが、現時点では軌道系交通機関がない上三川町(宇都宮市との境界付近に大規模な郊外型ショッピングエリアと、多数の従業員が通勤する日産の工場があります)と宇都宮駅が直結することになれば、こちらも大きな波及効果があります。

 宇都宮から上三川へ伸びる路線ができれば、当然その東側にある真岡市も黙ってはいないでしょう。
 鬼怒川を渡河する必要はありますが、「真岡まで!」という動きが出てくるのは自然な流れになると思いますし、そうなれば下館駅まで直通する列車が設定される可能性も出てきます。


 宇都宮のLRT計画は、実は単に宇都宮市内だけの問題ではありません。

 市内から清原工業団地や芳賀工業団地などに通勤する7万人の移動をどうするか。
 周辺エリアから宇都宮市内に通勤・通学・買い物に行く人達の移動をどうするか。
 限界に達している路線バスネットワークの効率化・活性化をどうするか。
 伸び悩んでいる東武宇都宮線、JR日光線を今後どうするか。
 過疎化に悩む栃木県の県東地域の活性化をどうするか。

 このような視点から、投資効果や波及効果をトータルで考えていかないといけない問題でもあります。 



 ともあれ、昨秋の市長選で「LRT導入」を明示し、LRTを含む公共交通ネットワーク拡充を公約に掲げた現職が大差で当選したことで、「潮目は変わった」のだと感じることが多くなってきました。

 まだネガティブな動きは出るのだろうと思いますが、少なくとも報道機関は公共交通が果たす役割について、さらに、もっと、しっかり勉強していただきたいと思います。
 また、何か懸念材料があるのだとしても、殊更対立を煽るような表層的な報道からは卒業して、課題があるならどう解決したら良いのか、こんな方法もあるのではないか……といった、未来指向型の有意義な報じ方にシフトしていただいきたいものだと思っています。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


拍手[9回]

カレンダー

05 2017/06 07
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

プロフィール

HN:
NAL(管理人)
性別:
男性
趣味:
鉄道、鉄道模型、ミリタリーなど
自己紹介:
 「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
 しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
 公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!

mixi(ミクシィ)
Facebook(フェイスブック)
Twitter(ツイッター)

・ご連絡&お問い合わせメールアドレス
 nal@sainet.or.jp(←「@」を半角文字にしてお送りください)

ブログ内検索

カウンター

リンク

最新コメント

[02/20 GOO]
[10/31 (ハンドルネームをご記入ください)]
[07/27 NAL(管理人)]
[07/12 風旅記]
[12/26 NAL(管理人)]
[12/25 いわせあきひこ]
[07/29 (ハンドルネームをご記入ください)]
[05/15 (ハンドルネームをご記入ください)]
[09/06 関鉄RFC会長]
[09/06 関鉄RFC会長]

最新トラックバック

忍者アド

アクセス解析

Copyright ©  -- 下館レイル倶楽部 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Photo by momo111 / Powered by [PR]

 / 忍者ブログ