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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

カテゴリー「オススメ(ブログ・サイト)」の記事一覧

「北海道の鉄道をどうすべきか」

■人口密度が低いうえに札幌への一極集中が進む北海道、解決策は……

 モビリティジャーナリスト・森口 将之さんのブログ「THINK MOBILITY」
 毎回分かりやすい文章で、さまざまな問題について論じています。
 今回、北海道の鉄道をどうすべきか、タイムリーな話題について論じています。

・北海道の鉄道をどうすべきか(THINK MOBILITY 2016年2月20日)
 http://mobility.blog.jp/archives/55123486.html

 詳しくはブログ記事をご覧いただくとして……。

 「JR北海道など現行の会社を残したままで解決を目指すなら、上下分離方式を導入し、保線などの整備を切り離し、各社からの使用料や国の補助をベースに全国一括で面倒を見る手法があるのではないでしょうか」

 管理人もこの考えに同意します。

■地域の持続的発展を支える社会資本、どうやって支えていくか

 今回のブログ記事は北海道についてのものでしたが、全国の地方も共通の問題を抱えていると考えてよいでしょう。

CR70形
▲ 第三セクター鉄道に転換してから17年後の2006年に廃止となった「北海道ちほく高原鉄道」。

 鉄軌道の役割は、地域の持続的発展を考える上でとても大きなものがあります。
 少なくとも、表面的な事業採算性(いわゆる「赤字・黒字」の評価)だけで論じるのはナンセンスですし、短期的な評価だけで論じるのもどうか……と。

 その一方、地域に必要な社会インフラとして地域の鉄軌道をどんな枠組みで支えていくかも、地域ぐるみで考えていかなければ……ということにもなります。

キハ5000形
▲ 沿線自治体と住民が「地域に必要不可欠な社会インフラ」と認識して、維持や運行に関わる費用を「地域の必要経費」としてまかなえるかどうかが重要になりそうです。

 道路や水道、公共施設などを整備するのと同様、公共交通も行政サービスの一環として考えることができるかどうか。
 地域を支える行政サービスとして「必要経費」としてまかなっていこうと考えることができるかどうか。
 目先の損得だけでなく、中長期的かつ総合的な見地から考えることができるかどうか、地域の見識が問われているといえます。


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路面電車「復権」

■「復活」というより「復権」かも

 「路面電車」の「復活」とありますが、昔あったものを「復活」するのではなく、「路面を走る軌道系交通機関」全体の「復権」という方が適切かも。
 また、必ずしも「路面『だけ』を走る」必要はなくて、「路面『も』走れる(専用軌道にもできるし併用軌道にもできる)」交通モードの評価・再評価が日本でもやっと本格化した……と捉える方が実態に近いのではないかと思います。

・「路面電車」が復活の動き その背景は?(THE PAGE 2014年6月19日)
 http://thepage.jp/detail/20140619-00000022-wordleaf

 この記事が言いたい「路面電車」には、欧州では「トラム」、米国などでは「ライトレール」と称されるLRT(軽量軌道交通)も含まれます。


▲ 英国ノッティンガムのトラム「ノッティンガム・エクスプレス・トランジット」。行政と民間資本によるPFI方式で整備されました。(クリックすると動画を再生します)

 LRT最大の売りは「何でもアリ」であること。
 整備費が手頃で、既存の鉄道への直通運転や、部分的な高架や地下があったり、併用軌道でも専用軌道でもあり……という柔軟さが魅力といえます。

 大都市圏では、通勤鉄道や地下鉄ではカバーしきれないルートへの導入が考えられます。
 地方都市では、これまで鉄道は整備できなかったものの、地域戦略上重要なルートや、すでにある程度の需要があってグレードアップを図りたいルートなどへの導入が考えられます。
 また、地方都市に直通するもののサービスレベルが不十分なローカル線の利便性向上や、あと数km延ばせば他路線に接続できたり、既存の駅から新興開発エリアへの新設、遊休施設化している貨物線の旅客転用などにも適用可能です。


▲ フランス・パリ近郊エリアで運行する「T4」系統は、鉄道をLRT化。列車の運行はフランス国鉄が行います。(クリックすると動画を再生します)

 地方の場合、JRが運行するローカル線が、都市間輸送に利用できるのに、運行頻度が低すぎたり、終列車が速すぎたりして、十分そのポテンシャルを活かせていないケースが多々あります。
 そうした線区をJRから地域に移管してLRT化(=鉄道からのダウンサイジングなんですけど)して、より少ないコストで利便性を高めるといった手法も考えられます。
 (その代わり、その地域の責任も増しますけど……)

 日本でも公設民営の上下分離方式が導入可能になったことで、導入実現のハードルはかなり下がったといえます。
 (もちろん、単に整備すればOKというわけではなく、地域戦略やまちづくりなどとの連携や、既存の鉄道やバスなどとの連携、マイカーや自転車との連携なども重要です)


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地方都市へのLRT導入

■過度なクルマ依存状態を脱して、便利な公共交通を実現するには

 これまでの状況についての分析も含め、よくまとまった良記事です。

・クルマ社会がもたらす地方都市の荒廃 – 新しい交通システムLRTに未来はあるか(ASREAD 2014年6月5日)
 http://asread.info/archives/773

 地方に住んでいるから「地方だからクルマ」が良いと思っている人ばかりではなくて、案外少なくないのは「そうは言っても(公共交通のサービスレベルが低いんだから)仕方ないだろ」という意見。
 逆に言えば、公共交通のサービスレベルを高めて、ネットワークを拡充することができれば、地方であっても「必ずしもクルマがなくても良い」状態を創出できますし、そのようなライフスタイルを選択する人が増えていきます。
 実際、つくばエクスプレス(TX)開業後のつくば市など沿線では、こうした人が増えていますしね。


■バスより輸送力が大きく、フル規格の鉄道より安く

 地方都市では都市間輸送を担う鉄道と、都市内輸送を担うバスが運行していることが多いのですが、過度なクルマ依存状態が進み、郊外化が進んでしまった状態に十分対応し切れているとはいえません。
 そこで、より高い公共交通サービスを実現するために、従来の路線バスよりも輸送力・速達性・定時運行性が高く、なおかつフル規格の鉄道ほどにはイニシャルコスト(初期投資)やランニングコスト(維持費)がかからない、地方都市の基軸になり得る交通手段の新たに整備することが必要になることがあります。
 その回答の一つが軽量軌道交通、つまりLRT(ライト・レール・トランジット)です。


▲ 米国テキサス州ダラスのLRT。車両は日本の近畿車輛が製造しています。元々は2車体で1編成の高床LRVですが、中間に低床車体を挟み込んで3車体で1編成になっています。完全低床車でなくてもバリアフリー対策は可能です。(クリックすると動画を再生します)

 一言に地方都市と言っても、公共交通として成り立つだけの集約・集積は必要となります(上下分離方式を導入する前提であるとしても)。
 LRTを「完全新規に導入」できる一つの基準は「人口20万以上の規模かどうか」といわれていますが、人口20万人以下であっても、既存の鉄道路線を転用したり利活用できる場合は、もっとハードルは下がります。


■「何でもあり」がLRTの強み

 LRT=軽量軌道交通=必ずしも「低床型」の「路面電車」である必要はないものの、ダイレクトに市街地へ乗り入れて来て、スムーズに乗降容易な電車は強いインパクトをもたらすことは確かです。
 (いや、ディーゼルカー/ディーゼルLRVという選択肢もある以上、そもそも「電車」に限定する必要もないのですが)


▲ 米国ニュージャージー州の州都トレントン~工業都市カムデンを結ぶLRT「リバーライン」は、ディーゼルLRVで運行しています。運行するのは、同州で通勤鉄道、LRT、バスを一括運行する公営会社「ニュージャージー・トランジット」。(クリックすると動画を再生します)

 既存の遊休路線があれば転用してもいいし、運行頻度がショボい既存の鉄道路線を転換して活性化してもいいし、新設する必要がある区間には新設すればいいし、新設区間と既存鉄道路線を直通運転してもいい……というのがLRTならでは特徴。
 ついでにいえば、部分的な地下区間や高架区間を設けてもいいし、できれば専用軌道や走行空間が分離している方がいいけど、場合によっては併用軌道でもいい……と。

 「完全新規」に「フル規格の鉄道路線」を建設することが難しい地方だからこそ、LRTという選択肢は注目されているのだろうと思います。


■交通モードが異なっても、運賃体系や運行形態を共通化・円滑化することが重要

 新たに公共交通サービスを整備・導入する場合、重要なのは「導入するルートの戦略性や重要性、将来への拡張性なども考慮したうえでの選択を行う」ことです。
 基本的に、充分な効果を得るには相応の費用がかかります。

 戦略性が高く重要なルートなのに「コストがかかるからやらない」「安上がりで済ませよう」と投資を惜しんだ結果、本来得られる筈の効果をまるまる逸してしまうリスクにも注意しなければなりません。
 また、整備・導入時期が遅れれば遅れるほど、状況が地域や都市を取りまく環境が悪化していくリスクにも留意する必要があります。

 新規整備のLRT、ローカル線のLRT化、遊休路線を転用するLRT、中心市街地の新設軌道と郊外の既存鉄道を接続するLRT(トラムトレイン)、専用軌道を走るBRT、専用レーンを走る高度化したバス……などなど、いろいろな選択肢があり得ます。
 要はルートごとにケース・バイ・ケースで柔軟に検討すれば良いということです。

 そのうえで、異なる交通モードに乗り継いても割引制度を導入したり、できれば交通モードの違いで運賃体系を別々にする従来方式ではなく、異なる交通モードを乗り換えてもエリア内は共通運賃で……という状態にしていけるかどうか。
 これが、今後の地方・地方都市の移動を豊かにできるかどうかのポイントになるでしょうね。


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【LRT】動画を活用したサイト「世界のLRT動画」

 宇都宮のLRT計画など、近年「LRT」(「ライトレール」とか「トラム」という言い方もあります)が話題になりつつあります。

 これからの少子高齢化時代を迎えるにあたって、従来型のクルマ最優先だった都市構造を改めて、公共交通を便利にして市街地をコンパクトに集約する「コンパクトシティ」の考え方が日本でも広がり始めていて、その成否を握る鍵の一つがLRT導入でもあります。

 でも、そもそもな話ですが、「LRTって何?」と思っている人も少なくないはずです。
 そんな疑問を実に分かりやすく紹介するサイトが誕生しました。

・世界のLRT 動画 トラムに乗って世界の街角さんぽ
 http://world-lrt-tube.jimdo.com/

 このサイトは、動画投稿サイト「Youtube(ユーチューブ)」で閲覧できる動画を多用して、視覚的に「LRTってこんなもの」と容易にイメージできる構成になっています。


▲ 動画を多用して分かりやすく「LRT」を紹介するサイト「世界のLRT動画」。この動画は、LRT先進都市・ストラスブール(仏)の様子。バスや鉄道などとも有機的に連携して、地域の公共交通ネットワークを構築しています。

 上の動画をご覧になると一目瞭然ですが、とてもオシャレ&スタイリッシュですね。
 使用車両は床が低く、停留所のホームと電車の床面の高さはほぼ同じなので、車いすやベビーカー、高齢の方でもスムーズな乗り降りが可能です。

 LRTとは「Light Rail Transit(ライト・レール・トランジット)」の略称です。
 日本語の適訳はないのですが「路面電車を近代化・高性能化して、他の交通手段との連携を強化した軌道系交通システム」「次世代型路面電車システム」とも言われます。
 (「LRT」はシステムの呼称で、車両そのものを指す呼称は「LRV(ライト・レール・ヴィークル)」です)


▲ クルマ社会の権化とも言えるアメリカ合衆国でも、行き過ぎたクルマ依存を見直し、都市内交通としてLRT導入が進んでいます。こちらはオレゴン州のポートランド。バスとの連携も見事な都市です。

 「路面電車」と聞くと、いわゆる昔懐かしい「チンチン電車」を想像する人が多いと思います。
 古き良き時代のレトロな乗り物で、高度成長期のクルマ普及に伴い「渋滞の原因だから」と廃止されてしまった過去の遺産……そんな認識が「従来の常識」だったのではないかと思います。
 (注:高度成長期の都市内の渋滞は「路面電車が原因」では断じてなく、クルマ普及に伴い道路交通量が爆発的に増加したことが原因です)

 欧州各国では、1980年代以降に路面電車を近代化する過程でLRT化が進み、まちづくりには欠かせない社会インフラとして広く認識されています。


▲ LRT先進都市・ドイツのカールスルーエ。市内は近代化された路面電車として、郊外では既存の鉄道路線に乗り入れて遠方まで走ります。


▲ フランス・ミュールーズ。人口11万、都市圏人口は28万人程度ですが、まちづくりの一環でLRTを導入。フランス国鉄と線路を接続して「トラムトレイン」も走っています。

 これらの国では、鉄道は鉄道、バスはバスと区別することなく、市域全体で運行も運賃も一体的に……というのが主流。
 たとえば約200円で市内の電車もバスも2時間乗り放題、約500円で1日乗り放題……というような感じになっているところも多いです。

 意外なことに、クルマ社会の権化のようなアメリカ合衆国でさえ、過度なクルマ依存から脱却して、中心市街地にLRTを導入する都市が増え続けています。


▲ サンフランシスコのLRT。それなりに勾配がある区間でもスイスイ走って行きます。


▲ テキサス州ヒューストンのLRT。2004年開業、路線は12.1kmです。これ単体でペイしようと考えているのではなく、市街地へのクルマ流入量抑制と回遊性向上が目的なので、運賃は1ドル、1日券でも2ドルと格安。


 ともあれ、百聞は一見にしかず。
 「どうせチンチン電車でしょ?」とお思いの方は、今回ご紹介したサイト「世界のLRT動画」で各地の先進的な状況をご覧になって、ぜひ認識を改めていただけたらと思います。


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 「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
 しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
 公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!

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