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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

【関東鉄道】「きままに☆5000形撮影会」2013年3月2日(土)開催

 当ブログでも既報の通り、関東鉄道は常総線用の新造車両「キハ5000形」2次車を導入します。
 新造された「キハ5003」「キハ5004」は、2013年2月25日(月)に新潟トランシス→下館→車両基地へと運ばれて試運転などを行うことになります。

 常総線に入線した直後の3月2日(土)、この2両のお披露目イベント「きままに☆5000形撮影会」が行われることになりました。
 今回導入する「キハ5000形」(2次車)による臨時列車水海道~下妻間に運行して、下妻駅などで気ままに撮影を楽しんでもらおう……という企画です。

・【ニュースリリース】『きままに☆5000形撮影会』を開催いたします(関東鉄道 2013年2月15日)
 http://www.kantetsu.co.jp/news/130225_train/event.html

「キハ5000形」試乗会(2009年9月26日)
▲ 常総線に「キハ5000形」2次車が2両増備となります(写真は2009年導入の1次車)。3月2日(土)には、お披露目イベントが行われます。(クリックすると拡大画像を表示します)

 イベント概要は次の通り。


【開催日】
 2013年3月2日(土)

【運行時刻】
 往路……水海道 9:54発 → 下妻 10:19着(途中、石下駅のみ停車)
 復路……下妻 11:50発 → 水海道 12:15着(ノンストップ)

 下妻駅に到着後、側線に留置
 下妻駅に留置中、ヘッドマーク交換

【参加方法】
 事前予約は必要なし
 乗車券のみで、誰でも乗車可能

【イベント内容】
■記念品プレゼント
 「常総線一日フリーきっぷ」で乗車すると、往路・復路とも、先着50人に記念品をプレゼント
 往路(下り列車)記念品は、9:10から水海道駅の改札窓口で整理券配布(記念品の受け取りは下妻駅)
 復路(上り列車)記念品は、11:20から下妻駅の改札窓口で配布

■物販
 水海道駅と下妻駅で当日限定グッズを8:00から開始
 水海道駅……「特別版運行図表」(臨時列車や「キハ100形」などの運用スジを記載)を販売
 下妻駅……「特別版運行図表」(上記)、記念車両キーホルダーを販売

【問い合わせ先】
 関東鉄道(株)鉄道部
 電話:029-822-3718(月~金曜日の8:30~17:30対応)



「キハ5000形」試乗会(2009年9月26日)「キハ5000形」試乗会(2009年9月26日)「キハ5000形」試乗会(2009年9月26日)
▲ 2009年9月26日に行われた「キハ5000形」1次車(2両)による試乗会の模様。このときは関東鉄道のはからいで、下妻駅の側線に留置中の編成を間近で撮影できました。(クリックすると拡大画像を表示します)

 「キハ5000形」は、ワンマン運転対応の両運転台車で、6両製造された「キハ2400形」の改良型です。
 コモンレール式のディーゼルエンジン(330hp)を装備し、最高運転速度は90km/h。
 「キハ2400形」までの車両にはなかった「排気ブレーキ(エンジンブレーキ)」も装備しています(注:関東鉄道の車両としては初めて装備しました)。

 2009年に製造された「キハ5001」と「キハ5002」は「1次車」で、今回新造の「キハ5003」と「キハ5004」は「2次車」です。
 1次車からの差異は、(1)排障器(スカート)の大型化と、(2)吊り革形状を円状から三角形に変更などです。

「キハ5000形」試乗会(2009年9月26日)
▲ 「キハ5000形」2次車は、写真の1次車よりも排障器(スカート)が大型化しますので、遠くからも見分けることができそうです。(クリックすると拡大画像を表示します)

 茨城県も常総線の沿線自治体も、常総線を「県西地区の重要な社会インフラ」と位置づけ、軌道強化や施設・車両の近代化を積極支援するようになりました。
 (つくばエクスプレスが開業すると、常総線の収益性が低下する予測があり支援が必須なこと、一方で守谷で乗り換え可能になると都心方面へのショートカットが可能になるので、水海道・下妻・下館方面からの利用は増えるだろうことから、投資効果もあるという見立てがあったのでしょう)
 沿線自治体がまとめた「常総線再生計画」(PDFファイル)によると、車齢40年以上の老朽車両を更新するための新型車両を「平成22年度に2両、平成23年度に2両」導入するとあります。

 平成22年度(2010年度)の「2両」は、「キハ5001」と「キハ5002」が該当します。
 平成23年度(2011年度)の「2両」は、2011年3月11日(金)の「東日本大震災」の影響を受けて、まず復旧・復興に予算が割かれたため、計画通りには増備されず、今回「キハ5003」「キハ5004」として結実したものと思います。

 今回の「キハ5003」「キハ5004」は、先に運用離脱した「キハ350形」を更新するためのものなのか、それとも2両残存する「キハ100形」(旧「キハ300形」をワンマン改造して排障器を取り付けたもの)を更新するためのものなのか、現時点では判断できる材料がありません。
 もし前者だとすると、今後さらに「キハ100形」を更新するための車両も必要になるので、その場合はさらに「キハ5000形」が増備される可能性があります。
 (「キハ350形」が引退して、常総線の車両は慢性的に不足がちであるように見受けます)


 最近になってやっと日本でも公共交通の社会的役割が再評価されるようになり、車両更新に対する補助の拡充や、上下分離方式の「下」(インフラ部分)の一部として公的に賄う体制作りや法整備も進んできました。
 地方路線への支援も拡充され、従来の「赤字補填」という枠組みではなく、地域の持続的発展に欠かせない社会インフラの「必要経費」という枠組みでの支援が行いやすくなりつつあります。


 従来日本では、鉄道やバスなどの「公共」交通も、民間企業による営利事業と見なして「独立採算制」が大前提の考え方が支配的でした。
 しかし本来「公共」交通というように、地域の持続的発展に不可欠な極めて公共性が高い事業ですから、行政も「金も出すが口も出す」状態にして、民間任せにせず、一定レベルで関与し続けることが望ましいといえます。

 何故かというと、民間企業は「経営の失敗」リスクを内包しているからです。
 他の業種と異なり、鉄道やバスの運営会社が経営破綻して運行不能になってしまうと、沿線住民や、その沿線に通勤通学している人達は、「移動の自由」を奪われることになります。
 特に、道路交通と隔離した専用の走行空間を走り、定時運行性・速達性が高い鉄道の廃止は深刻な影響をもたらします。
 茨城県内では、筑波鉄道、鹿島鉄道、日立電鉄などが廃線となり、代行バスを運行したとしても、


・代行バスに移行……鉄道利用者の約3割
・マイカーに移行……鉄道利用者の約3割
・移動自体を断念……鉄道利用者の約4割


 このように推移することが分かっています。

 つまり、鉄道を廃止するということは、道路渋滞を悪化させ、その地域に移動しようとするマインドを大きく減退させるマイナス効果が甚大で、こうしたことから沿線の価値も大きく減退してしまいます。

 単にノスタルジーや鉄道趣味の観点からではなく、こうした社会的波及効果の大きさから、既存の鉄道をリニューアルしながら運行し続けていくということは極めて重要といえます。
 少子高齢化が進み、人口減少傾向が続く中ではありますが、だからこそ、しっかりした公共交通が機能し続ける地域の価値は高まっていきます。

 今回の「キハ5000形」2次車の増備は、こうした状況下で行われるわけで、実は結構意義深いものでもあります。


(当ブログ内の参考記事)

・【関東鉄道】「キハ5000形」2両増備、2月25日(月)に入線(2013年2月11日)
 http://shimodate.blog.shinobi.jp/news/kiha5000_20130211

・常総線の新型・キハ5000形入線(2009年8月26日)
 http://shimodate.blog.shinobi.jp/news/kiha5000_20090826

・【関東鉄道】キハ5000形、快速運用で下館駅に(2009年11月5日)
 http://shimodate.blog.shinobi.jp/news/kiha5000_20091105

・【関東鉄道】活躍する「キハ5000形」(2010年11月26日)
 http://shimodate.blog.shinobi.jp/report_ph_mv/kiha5000_20101126


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 「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
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