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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

【ひたちなか海浜鉄道】2015年度内に延伸ルート一本化

■4ルート案の中からいずれか1案に、国との交渉を進めて着工準備へ

 ひたちなか海浜鉄道の地元・ひたちなか市は、「国営ひたち海浜公園」方面への湊線の延伸を検討しています。
 このたび、国が鉄道延伸に対する基盤整備事業の調査費を予算化したことを受けて、ひたちなか市の本間市長は2015年度内に事業費を精査した上で延伸ルートを一本化する方針を明らかに!

・ひたちなか海浜鉄道湊線 延伸ルート年度内決定 国が調査費 市長「大きな一歩」(茨城新聞 2015年12月25日)
 http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14509562881638▲ 「ひたちなか海浜鉄道」湊線の延伸について、大きな前進。「ひたち海浜公園」や、郊外型SCが並ぶ「ひたちなか地区」までの延伸が実現すれば、かなりの効果が期待できます。

■延伸ルートは4案、総工費は12~28億円の見込み

 ひたちなか市が延伸を検討しているルートは4つあります。


(1)橋梁横断・園外南回り
(2)橋梁横断・園内南口
(3)畑地経由・園外南回り
(4)海岸経由・園外北行



ひたちなか市、湊線延伸4ルート案 調査報告書 総工費12~28億円(茨城新聞 2014年2月27日)
▲ 2014年2月時点で報道された延伸ルート(茨城新聞 2014年2月27日掲載)。ルートは4案あって、これらの中からいずれか1案に絞り込むことになります。

 (1)橋梁横断・園外南回りは、現在の終点である阿字ヶ浦(あじがうら)駅から北上して、県道「常陸海浜公園線」を高架橋を渡って、県道の東側を沿う形で「ひたち海浜公園」の南駐車場入口に至るルート。
 (2)橋梁横断・園内南口は、県道を高架橋で渡るところまでは(1)ルートと同じですが、そのまま公園内に入って「ひたち海浜公園」の南口ゲートに至るルート。
 (3)畑地経由・園外南回りは、LRT(軽量軌道交通/次世代型路面電車システム)としての延伸を想定していて、阿字ヶ浦駅でスイッチバックして西側の畑を突っ切って、県道を経由して「ひたち海浜公園」の南駐車場入口に至るルート。
 (4)海岸経由・園外北行は、全線高架で阿字ヶ浦海岸を経由し、海沿いに「ひたち海浜公園」の海浜口駐車場入口に至るルート。

 (1)~(3)の3ルートについては商業地区(郊外型ショッピングセンター)が集まっている「ひたちなか地区」までの延伸を視野に入れています。
 (4)については、「那珂港」への延伸を視野に入れることが可能です。

 現時点での総工費の試算は、もっとも少額の(3)ルートで12億円、もっとも高額の(4)ルートで28億円。
 (ただし、今後精査すると、試算より総工費が増加する可能性はあります)

■延伸が実現すると、回遊性も大幅に向上

 ひたちなか海浜鉄道の延伸が実現すると、行楽期や繁忙期などを中心に深刻な渋滞が発生する那珂湊地区・ひたち海浜公園・ひたちなか地区への移動がかなり便利になります。
 この状態で1日フリーきっぷを購入すれば、那珂湊地区・ひたち海浜公園・ひたちなか地区を何度でも行き来できるようになって、回遊性が大幅に向上すること請け合いです。

那珂湊の渋滞那珂湊の渋滞那珂湊の渋滞
▲ 行楽シーズンなど渋滞どころか麻痺状態に陥る旧・那珂湊市街地。(クリックすると拡大画像を表示します)

 道路がどんなに渋滞していても、鉄道なら時間通りに大勢の乗客を運ぶことが可能です。
 延伸には相応の事業費はかかりますが、それ以上の社会的効果を生み出すことになるでしょうね。

■最大の渋滞対策はクルマ以外の交通手段を拡充・便利にすること

 麻痺状態の深刻な渋滞が発生する理由は明白で、「許容量以上のクルマが流入するため」。
 「道路や駐車場を増やせば……」と錯覚しがちなんですが、実はそうではありません。
 どんなに道路や駐車場を整備しても、クルマの流入量が減らない限り、渋滞を根本的に解決することは不可能なんです。

 もっとも効果的な解決方法はクルマ以外の交通手段で移動する人を増やすことに尽きます。▲ 行楽シーズンに阿字ヶ浦駅~国営ひたち海浜公園を結ぶ無料シャトルバスが走ります。ある意味、延伸を先取りした姿ともいえます。

 もちろん、クルマでないと移動できない人は従来通りクルマを使って移動すればよいのですが、公共交通を利用できる人にはできるだけ公共交通を利用してもらう……ということになります。
 (移動手段の選択肢が複数あって、「目的や状況によって使い分けが可能」であることが重要)
 そのためには、公共交通を利用しての移動を促すことも必要ですし、公共交通ネットワークとサービスが十分なレベルに達していて便利なことも重要です。

 ひたちなか海浜鉄道の延伸が実現するかどうか、実現するとしたらどこまでなのか、現時点では「確定」ではないのですが、実現に向けて着々と準備が進んでいるような印象を受けます。
 今後の展開、大いに期待しています!


【参考記事】

・ひたちなか市、湊線延伸4ルート案 調査報告書 総工費12~28億円(茨城新聞 2014年2月27日)
 http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13934232260212

・湊線延伸 茨城新聞トップ記事(ひたちなか海浜鉄道「海浜鉄道日誌」 2014年2月27日)
 http://www.hitachinaka-rail.co.jp/journal/2014/02/27/湊線延伸 茨城新聞トップ記事/

・湊線延伸 増収効果は?(ひたちなか海浜鉄道「海浜鉄道日誌」 2013年5月8日)
 http://www.hitachinaka-rail.co.jp/journal/2013/05/08/湊線延伸 増収効果は?/


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 公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!

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