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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

『水バラ バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅15』に筑西市が登場

■佐野厄除け大師から筑波山・霞ヶ浦周辺を経由して鹿島神宮へ!

 2023年3月15日(水)夜、テレビ東京で『水バラ バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅15 栃木・佐野~茨城・鹿島神宮』が放送されました。
 テレビ東京の旅番組は人気を博していて、この『バスVS鉄道』もすっかり定番として定着していますね。今回は「佐野厄除け大師」をスタートした鉄道チームとバスチームが、途中に設定されたボーナスポイントを経由しながら、ゴール地点の「鹿島神宮」を目指す……という旅。
 これまでの放送で7勝7敗と五分の成績となった両チームが、果たしてどんな旅を展開するのか……!!

・水バラ バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅15 栃木・佐野~茨城・鹿島神宮(テレビ東京 2023年3月15日放送)
 https://www.tv-tokyo.co.jp/broad_tvtokyo/program/detail/202303/25778_202303151825.html

 過度なマイカー依存に陥っている北関東でも、鉄道とバスを組み合わせればかなり移動範囲は広がるのですが、この番組では鉄道チームは鉄道を、バスチームはバスを使うのが基本。
 タクシーや徒歩での移動はできるとはいえ、あえて公共交通同士の連携を禁じた旅は、なかなか大変な旅に……(未見の方は、今後の地上波やBSでの再放送や、公式配信サービスでご覧ください)。


▲ 『水バラ バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅15』では、小山市→結城市→筑西市を経由するルートに。


■小山から筑波山への移動ルートは?

 さて、番組の中でJR小山駅(栃木県小山市)から筑波山(茨城県つくば市)のボーナスポイントに向かう際、鉄道チームとバスチームがそれぞれルート検索を行いました。
 鉄道チームは、まず筑波山にもっとも近い岩瀬駅か下妻駅に移動し、そこから軍資金の許す限りタクシーを使って、残りは徒歩で移動することを検討しました。検討の末に選んだのは、JR水戸線で下館駅に移動し、関東鉄道常総線に乗り換えて下妻駅に向かうというルート。
 一方のバスチームは、JR水戸線沿いに乗り継げるバスを探しながら、バスがない区間は徒歩やタクシーで繋ぐという作戦に出ました。小山駅からコミュニティバス「おーバス」で結城市の近くまで接近。バスがない区間は徒歩移動して、「結城市巡回バス」……にはタッチの差で間に合わず、そのまま徒歩で結城駅へ。結城駅からはタクシーでJR水戸線の川島駅か下館駅に向かい……。


▲ 筑西市(茨城県)の「筑西市広域連携バス」(左画像)と、小山市(栃木県)の「おーバス」(右画像)。結城市(茨城県)の「結城市巡回バス」は、ワンボックスカーを使用。

 実際にバスチームが選択したのは、「下館駅までタクシー移動」。下館駅では筑西市が運行する「筑西市広域連携バス」の発車時刻に間に合い、一気に旧・筑波鉄道の筑波駅=現在の「筑波山口(つくばさんぐち)」バスターミナルまで直行することができました。

 ところで、公共交通を利用して小山駅から筑波山へ向かうのに、「川島駅」が選択肢に入っていることに意外さを感じた人も少なくなかったのではないでしょうか。


■川島駅と下妻駅を結ぶ「筑西・下妻広域連携バス」

 公共交通を利用して小山駅から筑波山へ向かうのに、なぜ「川島駅」が選択肢に加わったのか。
 それは、筑西市と下妻市が協力して運行する「筑西・下妻広域連携バス」が発着するようになっているから。このバス路線を利用して下妻駅まで移動すれば、下妻駅から軍資金が許す限りタクシーで筑波山に接近し、残る区間は徒歩で移動できるのです。
 番組では、バスチームは下館駅から「筑西市広域連携バス」を利用して筑波山まで一気に迫り、鉄道チームは下館駅で常総線に乗り換え下妻駅に移動し、筑波山方面に向かうという展開になったのですが……。

 「筑西・下妻広域連携バス」は、かつて運行していた路線バスを、現在の公共施設の位置も勘案しながら改編した路線といえます。現在は本格運行に向けた「実証実験運行」の状態です。
 路線開設の大きな目的は、路線バスの廃止によって公共交通空白エリアになってしまった関本地区や上妻地区など、一定以上の人口の集積がある地域の移動手段を確保すること。
 行政サービスの一環として運行している路線で、運賃は全区間乗り通しても「1乗車200円」と破格です。また、路線開設に合わせて、小型超低床バス「ポンチョ」のロングボディ車を新規導入。地域としての本気度を示した格好です。


▲ 「筑西・下妻広域連携バス」運行開始に合わせて導入された「ポンチョ」ロングボディ。Suica・PASMO対応で、スムーズな乗降が可能です。

 JR水戸線の川島駅と関東鉄道常総線の下妻駅を結ぶ路線で、沿線には茨城県立高校が3校(鬼怒商、下妻一高、下妻二高)あるほか、水戸線や常総線に乗り換えることで下館方面や水海道方面、結城・小山方面への通勤通学にも利用できます。
 1日6便ずつ(2023年4月現在)と便数は少ないのですが、運賃が安いので川島駅からこのバスを定期利用する学生も少なくないようです。普段は「ポンチョ」で運行していますが、多客便はより輸送力が大きいノンステップ低床車が充当されることもあります。


■「筑西・下妻広域連携バス」の課題

 さて、筑西市と下妻市の連携によって誕生した「筑西・下妻広域連携バス」ですが、今後解決すべきいくつかの課題があるように見受けます。

(1)運行頻度
 公共交通の空白エリアを南北に貫くように走り、路線の両端を鉄道の駅に設定したことで両方向への利用が見込める点は良いのですが、「1日6便ずつ」という運行頻度ではなかなか利用しにくいことは事実です。
 通勤通学利用が見込める朝夕の時間帯は20~30分に1本程度、日中もせめて60分に1本程度は運行するようにしていけると良いですね。

(2)運行ルート
 公共交通の利用促進を図るうえで重要なのが「利便性の高さ」で、速達性の高さはその内の一つです。一般道を走る路線バスの速達性を高めるには、運賃収受の時間短縮、停車箇所の最適化、運行ルートの最短化などの方法があります。
 「筑西・下妻広域連携バス」は、路線北端では「鬼怒商業高校」や「筑西遊湯館」に、路線中央では筑西市役所の関城支庁(旧・関城町役場)に、路線南側では「ビアスパークしもつま」に立ち寄るために、本筋から外れて「寄り道」するルート設定です。
 経由地を増やして利用者を増やす取り組みなのですが、寄り道する分の走行距離と所要時間が増加してしまうというジレンマがあります。

(3)運賃
 地元自治体が運行経費を下支えして誕生したバス路線で、運行経費を運賃収入だけでまかなう必要がないことから、運賃は1乗車200円(全区間乗り通しても200円)に抑えられています。通勤定期は7200円/月、通学定期は6000円/月(片道3000円/月)と、こちらも破格です。
 ただ、運行頻度の向上や運行時間帯の拡大などを視野に入れると、運転手さんの人数やバス車両を増やす必要が出てきます。公共サービスの一環として運行経費を行政が下支えし続けるとしても、運賃収入を増やすこと自体は考えても良いと思います。
 二つの市をまたいで運行する路線ですので、たとえば増便するのに合わせて「市内は1乗車200円」「市境をまたぐ場合は1乗車300円」にするなど、増収を図る方策を検討しても良いかも。


■結城市への延伸も……?

 現在は北端をJR水戸線の川島駅に設定している「筑西・下妻広域連携バス」ですが、西隣の結城市(茨城県)がこのバス路線の結城市内への延伸の可能性を探っているようです。

・「結城市地域公共交通計画」令和4(2022)年度~令和8(2026)年度
  https://www.city.yuki.lg.jp/data/doc/1647917827_doc_16_0.pdf(PDFファイルです)

 同計画の58ページに、「筑西・下妻広域連携バスの本市への延伸について検討・調整し、運行準備が整い次第実施」という文言があり、令和5年度・6年度で検討→令和7年度以降に準備が整い次第運行と記載しています。
 具体的な延伸ルートは不明ですが、ちょうど国道50号線の4車線化工事が進捗している中での話ですので、その辺も念頭に置いているのではないか……と。「筑西・下妻広域連携バス」の運行ルートを「下妻駅~川島駅~鬼怒商業高校・筑西遊湯館~結城駅」と一筆書きのようにすると、比較的きれいにまとまりそうです(遊湯館方面には多少「寄り道」する形にはなりますが)。


▲ 「筑西・下妻広域連携バス」を結城駅まで延伸すると、おそらくこのような感じになるだろう、という推測ルート。結城二高の前を通るよう、国道50号の旧道経由に設定しています。

 仮に結城駅の発着場を南口とすれば、結城二高を経由するルートや、結城市民文化センター「アクロス」や結城市役所も経由するルート設定が可能ですので、より多くの利用が見込めます。
 なお、かつて路線バスが走っていた「結城駅~船玉交差点~下妻駅」というルートもあり得ますが、朝夕は船玉交差点を先頭とする久保田地区(結城市)の渋滞に巻き込まれて時間が読めなくなってしまうので、少なくともラッシュ時は回避する方が良さそうです。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。

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下館レイル倶楽部・代表
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男性
趣味:
鉄道、鉄道模型、ミリタリーなど
自己紹介:
 「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
 しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
 公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!

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