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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

【TX】09年度の平均乗車人員は27万人超、10年4月は28万3千6百人

 発展著しいつくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道は、2009年度の平均乗車人員が270,300人に達していたことを発表しました。
 また、先月(2010年4月)の平均乗車人員が283,600人と、初めて28万人を突破していることも明らかにしています。

 TXは、「2010年度までに27万人」との目標を掲げて開業しましたので、当初発表より1年早く目標を達成したことになります。

・つくばエクスプレス 公式サイト
 http://www.mir.co.jp/

・TX 1日平均乗車人員が昨年度に27万人突破 目標を1年前倒しで達成(東京新聞 2010年5月25日)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20100526/CK2010052602000106.html

・TX1日平均27万人突破 東京駅延伸に期待 茨城(MSN産経 2010年5月25日)
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/ibaraki/100525/ibr1005251848005-n1.htm


 上記「東京新聞」の記事によると、2009年度の輸送実績は前年度5%増の9779万人。
 開業初年度は秋葉原駅以外の駅で2万人以上/日の利用客がある駅はなかったのですが、現在は他路線との乗換駅の「守谷」「流山おおたかの森」「南流山」「北千住」の各駅が2万人以上の駅となっています。


 「平均乗車人員が27万人を超えた」ということは、開業前に設定していた大きなハードルをクリアしたということで、これにより次の2つの目標について動きが現実味を帯びてきました。

 1つめは「編成の8両化」で、「利用客が増加したら8両化する」という前提で、まずは6両編成での開業となり、今に至っています。
 その後のTXは、利用客の増加で年々ラッシュ時の混雑はひどくなる一方で、現行の6両編成では積み残しが発生することがあるようです。
 既に編成数の追加による増発は実施済みですから、次に打てる輸送力増強は1編成あたりの車両数の増加ということになります。
 上記の新聞記事では触れていませんが、混雑率の上昇は徐々に問題になってきていますし、利用客からの要望も多いと聞きますので、遠くない内に決断が必要なものと考えます。

 2つめは「東京駅への延伸」で、沿線自治体や首都圏新都市鉄道は「27万人を超えることが前提条件」ということを以前から表明していました。
 実際、今回も発表を受けるかたちで、つくば市が沿線自治体と共同で、首都圏新都市鉄道に対して東京駅への延伸を申し入れるとの報道もあります。
 東京駅といっても、山手線のホーム直上ではなく、深度50m超といわれる大深度地下での丸の内側への延伸となり、場所も少し離れてしまいます。
 つまり、京葉線と同様、「東京駅」とはいっても山手線の一駅分程度は移動に要することになるものと言われています。


 東京への延伸というのは、計画当初時点であればまあまあ妥当だったとは思うのですが……(いかにもお役所的・お役人的な発想のような気もします)。
 東京延伸に必要な予算は「1,100億円」で、これは建設費の「節約」により発生しプールしている余剰金の総額に相当します。
 工費が見積もり通りであれば資金的には問題ないということにはなりますが、わずか4~5kmの延伸でこの金額ですし、しかもバリアフリーが重要視されている昨今の状況下での大深度地下での延伸ですから……。
 また、そもそも論ですが、現在の情勢下で東京に延伸することがどれほどのインパクトを持つのか、再検討を要するのではないかと思えます。

 つまり、私自身はこのような見方をしています。


・東京へ延伸すると、莫大な工費に見合うだけの大幅な利用の増加を見込めるのか
・現在の秋葉原は一大拠点であり、このまま始発・終着とすることのメリットの方が大きいのではないか
・東北縦貫線が開通すれば宇都宮・高崎・常磐線が東京に直通するので、TXまで延伸するのは過剰ではないか
・これだけの資金があるのであれば、秋葉原駅の改良や、筑波山方面や土浦方面など茨城県側への延伸を検討する方が良いのではないか



 東京駅といっても既存の駅とは離れているうえ、50mを超える上下移動を伴うとなれば、実質的にはあまり意味がないのではないか……という懸念があります。
 それなら、秋葉原駅での上下移動を容易化することで山手線・京浜東北線への乗り継ぎを改善する方が効果的なのではないかと思えます。
 上野~東京間ノンストップ予定の「東北縦貫線」が開通すれば、山手線・京浜東北線は相対的に混雑率が低下するでしょうから、この点でも好都合といえます。

 また、現在の秋葉原は、TX開業に伴って再開発が進んだ結果、渋谷や新宿などと並んで東京を代表する街の五指に入るようになっていますし、街のブランド力は極めて高く、国際的な認知度も相当高いので、このまま秋葉原を始発・終着とすることの方がメリットが大きいのではないかと思います。

 茨城県側の延伸については、沿線他県・他市への配慮もあって、茨城県としてはあまり積極的ではないようなんですが、私見ですが観光需要がある筑波山への延伸であれば比較的理解を得やすいのではないかと考えています。
 つくば駅からどんなルートで延伸するか、全線複線なのか、高規格鉄道のまま延伸するのか……など、いろいろ検討の余地はありますが、終着駅については旧・筑波鉄道の筑波駅が当時の駅設備がほとんどそっくり残されていますので(駅舎がバスターミナルとして利用中)、これを転用するというのが現実的だろうと思います。
 TXのつくば駅は、南北方向に細長く延びる「筑波研究学園都市」のかなり南の方にありますので、筑波大学、北の方にある大穂地区などを経由して筑波山方面に向かうルートでの延伸となれば、つくば市内の交通事情も大きく改善することにもなります。


 TX開業後、「守谷」駅~「つくば」駅の区間にあたる沿線3市(つくば市・つくばみらい市・守谷市)の人口が4年間で約2.3万人増加するなど、茨城県内では(埼玉・千葉も同様のようですが)TXの利便性向上と地域の発展は密接に結びついています。
 逆に言うと、TXの沿線以外ではいずれも厳しい状況が続いていて、魅力ある公共交通機関があるかどうかで「地域力」にも大きな差が生まれつつあります。
 この活況が県内の他の地域にも波及すれば良いのですが、現状ではレールがつながっておらず、そうなるとやはり「つくば」駅から先の延伸を期待してしまうところです。

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 「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
 しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
 公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!

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