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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

【宇都宮LRT】とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)

【宇都宮LRT】とちテレ、市長インタビュー特番を放映(その2)


 2013年2月26日(火)、「とちぎテレビ」でインタビュー特番「100年後にも誇れるまちづくりを ~佐藤栄一宇都宮市長に聞く~」が放映されました。

 まとめ記事「その1」に続き、「その2」です。


■財政面について

 富山の場合は「お団子と串」ネットワークを掲げ、駅やバス停を中心にした「お団子」を、「串」となる公共交通でつなぐ方針。
 宇都宮の場合は、東西基幹交通としてLRTを導入してバスや地域内交通を結節する「魚の骨ネットワーク」。基幹交通による「背骨」と、市内各地のコミュニティを結ぶ「小骨」を連携させる「ネットワーク型コンパクトシティ」によるまちづくりで拠点を結ぶことになる。

 宇都宮では、LRTは完全に新規導入となる。
 財政面の不安を抱く人もいて、数字が一人歩きしている面があるが、現在市が検討しているルート約15km(桜通十文字付近~宇都宮テクノポリスセンター)の総工費は383億円。
 383億円の内、1/2は国が、1/4は県が、残り1/4を市が負担。
 仮に市の負担が約100億円になるとしても、運営も含めて宇都宮の財政の身の丈の中で十分賄える。


■宇都宮は数々の大型事業を経験している

 宇都宮市は従来も100億円を超える公共事業は度々実施してきた。
 道路建設にも相当な金額がかかっている。

 大型公共事業の一例としては、たとえばゴミ焼却施設「クリーンパーク茂原」は総工費約280億円かかっていて、市の負担は200億円。
 このように、100億円を超える事業は今までもやってきたし、それで市が財政破綻することもなかった。

 宇都宮の財政は健全で、今後も良くなっていくし市債も減らしていく。
 良い条件を保ちながら、より大きな投資をしていくための事業だということをご理解いただきたい。


■「バスで十分」?

 それでも「バスで十分」との声もある。
 現在3社がバスを運行しているが、バスは赤字路線が増えていて、民間事業なので廃止の危機も。
 バスがなくなると困るので、バス購入も含めて国・県・市が毎年1億円の赤字補填を行っている。
 公共交通は必要なので、地域内交通も含めてある程度整理して、効率性を上げていくためにも、LRTが必要になってくる。
 もちろんバスも便利で必要なので、バスも増やしていく。バス路線がない公共交通空白地域への路線新設を行っていく。
 東西基幹ルートにLRTを導入することは必須で、バスや地域内交通、既存鉄道との結節を強化することで、公共交通を使いやすくしていく。


■寝たきりのお年寄りを減らす

 今後の高齢化社会を見据え、医療費や介護費の割合が歳出の中でどんどん増大している。
 今後は2人に1人がお年寄りを支える時代になるが、せめて宇都宮では寝たきりを減らす方針。
 そのために、自力で出歩けやすくするために公共交通を充実させて健康寿命を高めていく。


■公共交通を利用しやすくするための工夫

 LRTも単体で整備するのではなく、バスや地域内交通などとトータルで整備して利用者を増やし、料金も下げていく。
 ゆくゆくは市域内の全ての公共交通は1枚のICカードで乗り降りできるようにして、利便性を高める。
 乗り降りも早くなるので定時運行性を高めることもできるし、子ども割引も可能だし、定期券化することも可能。

キハ40系(JR烏山線)211系(JR宇都宮線)E233系(JR宇都宮線)
▲ JR宇都宮駅には東北新幹線、東北本線(宇都宮線)、日光線、烏山線が発着。今後の課題は、駅から先の移動手段をいかに便利で分かりやすくできるか、市域全体をカバーするネットワークを構築できるか、です。(クリックすると拡大画像を表示します)


■LRT導入を待ち望む道場宿の自治会長の話

 LRT導入を待ち望む道場宿の自治会長の声を紹介。

 クルマのありがたさは皆分かっているが、クルマが利用できない人達の移動の問題が深刻。
 専用軌道を時間通りに低廉運賃で乗れるLRTを早期整備し、交通弱者の足を確保したいと望んでいる。
 お年寄りや子ども、学生など、交通弱者といわれる人達の移動手段を確保したい。
 清原地区は競技場など人が集まる施設がたくさんあるが、クルマしか使えないし、駐車場がないと困ってしまう。
 早くLRT整備をして皆さんが移動に困らないようになれば、この地域はもっともっと発展していくと思う。


■中心街の声

 中心街でも早く導入してほしいという声が多い。

「待たずに混まないで乗れる公共交通で行きたい」
「早くできないかなとわくわくしている」
「ただ反対するのではなく、投資する以上は投資効果を最大化して、宇都宮の活性化のためになれば良いのではないか」
「環境に優しいのが最大あのメリット。観光客を呼び寄せるのに最適」

8000系(東武宇都宮線)
▲ JR宇都宮駅と東武宇都宮駅をつなぐ、分かりやすく便利な公共交通機関の整備は喫緊の課題です。LRTを西口まで整備する際、東武宇都宮線への乗り入れも有力な検討課題になるのでは。(クリックすると拡大画像を表示します)


■清原地区は宇都宮市の稼ぎ頭

 公共交通が充実すると、大渋滞で苦しむ清原工業団地(宇都宮の法人税収の22%を上げている)にもメリットが多い。
 清原工業団地からは早期LRT導入を求める声が強い。
 芳賀工業団地 にも多くの人が通っている。
 清原・芳賀を合わせると、宇都宮から通勤している人の数は「7万人」もいる。
 いつまでも研究・生産活動を続けてもらうためにも、LRTなど公共交通の充実させ、通勤しやすい環境整備が不可欠。

 公共交通ネットワークが整備されると観光客が増え、沿線の都市開発も進み、住宅や商業施設などを集めやすくなる。
 LRTは宇都宮の身の丈の中で十分整備できる。


■「選ばれる街」になるために必要な施策

 宇都宮は東京から近く、新幹線が通ったことで成長した。
 ところが、今後北海道新幹線が開通すると、列車の速達化のために途中駅の通過が増えていくだろう。
 そのとき、宇都宮が通過駅になってしまったら、交流人口は減ってしまうだろう。
 北海道新幹線開業時、宇都宮が停車駅に「選ばれる」かどうかは、今後の方策次第。日本を代表する主要都市に宇都宮が選ばれるようにしていきたい。

 平成30年頃までには、LRT、バス、地域内交通などによるネットワークを整備して都市の魅力を高めていきたい。
 全国の中で生き残れるまちの中に宇都宮も入っていく。
 市民が安心して住み続け、働き続けることができる、行政も安定した税収の中で新しいサービスを提供し続けることができるようにしていきたい。


■市民へのメッセージ

 人口減少、超高齢化社会を迎えていく中、宇都宮が100年先も持続可能なまちづくりをしていく。
 市民の皆さんにもさまざまなアイディアを出していただきたき、宇都宮が発展していけるにしていきたい。


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男性
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 「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
 しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
 公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!

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