下館レイル倶楽部
真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)
「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」計画案公表(続き)
昨日も弊ブログでご紹介しました「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」(案)。
「交通政策審議会(交政審)」が2030年頃の「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」をまとめた計画案を公表! 有楽町線の延伸について、少し掘り下げてみました。
・「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」計画案公表(下館レイル倶楽部ブログ)
https://t.co/UCa9657Yhx
— 下館レイル倶楽部 (@Shimodate_Rail) 2016年4月10日
昨日の記事では、主に有楽町線の茨城県西方面への延伸について触れましたが、今日はそれ以外の構想案の中で管理人が気になったものについて考察してみたいと思います。
・2030年、東京圏の鉄道はどう変わる? 国交省答申案、その内容(乗りものニュース 2016年4月10日)
http://trafficnews.jp/post/50208/
こちらの記事では、答申案に盛り込まれた線区を書き込んだ地図を掲載していて、分かりやすいですね。
・2030年、東京圏の鉄道はどう変わる? 国交省答申案、その内容(乗りものニュース 2016年4月10日)
https://t.co/BxWlGA3cyM
— 下館レイル倶楽部 (@Shimodate_Rail) 2016年4月10日
管理人が茨城県関連の構想案以外で注目したのは、「区部周辺部環状公共交通の新設」(葛西臨海公園~赤羽~田園調布)と、「埼玉高速鉄道線の延伸」(浦和美園~岩槻~蓮田)、「東西交通大宮ルートの新設」(大宮~さいたま新都心~浦和美園/中量軌道システム)。
「区部周辺部環状公共交通の新設」は、環七通り沿いの「メトロセブン」(葛西臨海公園駅~赤羽駅)と、環八通り沿いの「エイトライナー」(赤羽駅~羽田空港)にあたる路線。
「需要等も見極めつつ中量軌道等の導入や整備効果の高い区間の優先整備など整備方策について、検討が行われることを期待」としています。
[首都圏レールトピックス]メトロセブン(TOKYO MX 2013年6月3日公開) https://t.co/lnharmDxYb
今回公表された答申案にも記述がある「#メトロセブン」について、2013年6月のニュース映像です。
— 下館レイル倶楽部 (@Shimodate_Rail) 2016年4月10日
「埼玉高速鉄道線の延伸」は、現状では盲腸線の同線を、東武野田線の岩槻駅、さらにJR宇都宮線の蓮田駅まで延伸するというもの。
現状では「事業性に課題」があるので、「需要の創出に繋がる沿線開発や交流人口の増加に向けた取組等を着実に進めた上で、事業計画について十分な検討が行われることを期待」としています。
さいたま市としては、せめて岩槻駅までは……という考えのようです。さらに蓮田駅まで抜ければ、移動の選択肢が大きく広がることになるのですが……。
埼玉高速鉄道線の延伸構想、まずは岩槻までの部分開通を目指す?(BEYOND 2020 首都圏 未来予想図 2014年11月28日) https://t.co/6bQx9ca6B4#埼玉高速鉄道 を延伸して、岩槻で東武野田線、蓮田でJR宇都宮線と接続する構想があります。
— 下館レイル倶楽部 (@Shimodate_Rail) 2016年4月10日
「東西交通大宮ルートの新設」は、大宮駅からさいたま新都心を経由して浦和美園(さいたまスタジアムがある)を結ぶ中量軌道交通。
具体的には、LRT(軽量軌道交通)やモノレールなどを想定しています。
この区間の内、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで競技会場になっている「さいたまスーパーアリーナ」がある「さいたま新都心地区」~「さいたまスタジアム」がある「浦和美園地区」の間で、観客輸送のためにBRT(バス高速輸送システム)導入が検討されています。
さいたま市、新都心-浦和美園に新型バス導入検討(日本経済新聞 2016年2月9日) https://t.co/eHEb5htBqp
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、さいたま新都心地区~浦和美園地区で #BRT 運行を検討との記事。この区間は #LRT も検討。
— 下館レイル倶楽部 (@Shimodate_Rail) 2016年4月10日
今回の答申案で注目すべきは、「(2)地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」のラストに、「大規模な都市開発の具体化や少子高齢化を踏まえた身近な公共交通機関を核としたまちづくり等に対応するため(中略)LRT等の中量軌道等の導入について検討が行われることを期待。なお、検討に当たっては、開発等の状況とそれに伴う輸送需要の動向を踏まえつつ、まずはBRTを導入し将来的に中量軌道等に移行するなどの段階的な整備も視野に入れるべき」との文言が盛り込まれたこと。
いつまでも議論と検討を重ねていても埒があかない場合は、とりあえず導入しやすい交通モードを入れて、需要を喚起したり走行空間の確保を進めながら、本命の交通モードを整備する……ということを「視野に入れるべき」(=「本命」の交通モードを導入することが前提で)、ということなのだろうなあと。
これをさいたま市の事例にあてはめると、第一段階として2020年までに「さいたま新都心地区~浦和美園地区」のBRTをとりあえず導入し、第二段階として「大宮駅~さいたま新都心地区~浦和美園地区」にLRT(またはモノレールなど)を導入する……という感じ。
BRTの場合、「バスだからすぐ導入できるだろう」と考える人もいるかと思いますが、定時運行性や速達性が確保できなければ「普通のバス」と同じ弱点を抱えたままになってしまいます。
たとえばフランスだと、BRTは「バス車両を使うLRT」(=バスだけど軌道系交通)という解釈で、ルートの7割以上が専用レーンや専用走行空間で、しっかりした屋根付きの停留所を整備し、軌道系交通として運行システムを完備するなど、LRTと大差ないインフラを要します。
■パブリックコメントも募集中!
先ほどご紹介しました「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」について、パブリックコメントの募集を受付中です。
・東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)に関するパブリックコメントの募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155160802&Mode=0
応募期間は短くて、意見・情報受付締切日は2016年4月14日(木)となっています。「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」へのパブリックコメントを募集中! 〆切は4月14日なので、ご応募はお早めに!
・東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)に関するパブリックコメントの募集について
https://t.co/juP0zRTAEc
— 下館レイル倶楽部 (@Shimodate_Rail) 2016年4月9日
公表された計画案に対してご意見がおありの方、具体的・建設的に「もっとこうした方が良いのでは」という腹案がおありの方は、ぜひご応募を!
※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。
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