下館レイル倶楽部
真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)
【地下鉄8号線】有楽町線、将来は茨城県へ……?
■野田市を経由し、利根川を渡って茨城県西南部へ……
「地下鉄8号線」、つまり東京メトロ「有楽町線」の延伸についての記事が掲載されました。
延伸の構想があるのは、TX(つくばエクスプレス)の八潮(やしお)駅、JR武蔵野線の越谷レイクタウン駅を経由して、東武野田線の野田市駅に至るルート。
さらに、野田市から利根川を渡河して、坂東市、常総市、八千代町を経由して、下妻市の大宝(だいほう)駅へ、そこから関東鉄道常総線に乗り入れて筑西市の下館(しもだて)駅へ……という構想も!!
■実現までには高い壁が…… でも、手がないわけではない
もし実現すれば、鉄軌道の空白地帯が多い茨城県西部と都心方面を直結する新ルートの実現となりますし、東武野田線、つくばエクスプレスなどとの乗り換えができるうえに、集客力が極めて高い「越谷レイクタウン」を経由する新たな鉄軌道となります。
とはいえ、課題になるのは、整備費と需要の見通し。
つくばエクスプレスのような高規格の高架鉄道や地下鉄のまま整備するとなれば、整備費は膨大になります(1kmあたり100~200億円)。また、整備してどの程度の利用者が見込めるのかということもポイントになります。
整備費については、広域道路と一体的に整備する方法や、インフラの規格をより低廉なもの、具体的には主に地平レベルで整備できるLRT(ライト・レール・トランジット)規格で整備するという方法が考えられます。
需要については、現時点での沿線人口だけでなく、沿線全域の交通まちづくりの視点を加味して考える必要があります。
LRTについては、国内だと「次世代型路面電車システム」などと訳されてきましたので、都市間を結ぶ鉄軌道としてのイメージは沸きにくいと思いますが、世界の諸都市では「トラムトレイン」(鉄軌直通運転)によって近接する別の都市へ直通運転する事例が多数見られます。
▲ 地平レベルで整備できるLRTだと、整備費を抑制できるしバリアフリー対策も容易に行えます。市街地では路面電車として、郊外では鉄道として高速運行する「トラムトレイン」も普及しています。海外では連接式ディーゼル低床LRVを使っている都市も。
「トラムトレイン」とは、市街地では路面電車(軌道)、郊外では鉄道の特色を併せ持つ運転形態のことで、街中では電停(駅)の感覚が比較的短く(=表定速度はさほど上がらない)、郊外では鉄道のように駅間距離が長いため高速運転に適しているという、いわば「おいしいどころ取り」のスタイルです。
国内でも、福井鉄道の市内軌道線とえちぜん鉄道の三国芦原線を直通運転する「トラムトレイン」(鉄軌直通運転)が話題になりましたし、広島電鉄宮島線の運転形態は「トラムトレイン」であるといえます。
また、2023年8月開業に向けて準備が進む芳賀・宇都宮LRT(宇都宮ライトレール)も、市街地区間は50km/h・郊外区間は70km/h運転を織り込んで整備しているので、「トラムトレイン」を目指しているといえます(将来、栃木県内の他の鉄道路線に乗り入れることになれば、正真正銘の「トラムトレイン」です)。
国内でこの方式を導入する場合、従来は運賃授受方式の制約(運転士が全乗客の乗降に対応しなければならない)もあって、複数編成の増結による輸送力の増強が難しい、という問題がありました。
しかし今や、交通系IC乗車券やタッチ決済の普及に伴い、日本国内でも気がつけば事実上の「信用乗車方式」が普及していますので(例:JR水戸線の無人駅は、乗客自らがSuica簡易改札機にタッチして乗降しているので、信用乗車方式といってよい)、軌道法の特認を適用して2編成、3編成の併結を行えば、一般的な鉄道と同程度の輸送力を確保することが可能になっています。
▲ 既出の導入ルート案を参考に、野田市駅(東武野田線)から大宝駅(関東鉄道常総線)まで、八千代町経由でこんな感じになるだろう、という予想。既存の道路ベースでルート検索していますが、大まかなイメージはつかめるかと思います。
「8号線」の延伸がいつ、どこまで、どういう形で実現するのか、現時点ではなんとも言えません。
最大のネックは「利根川の渡河」ということになるでしょうから、そこの見通しが立てば茨城県内への延伸の可能性が出てきますし、難しければ野田市までの整備で終わってしまう可能性もあります。
都心側の整備の目処が付けば、具体的に整備計画が進展する可能性はあると思いますので、今後も注視していきたいですね。
※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。
「地下鉄8号線」、つまり東京メトロ「有楽町線」の延伸についての記事が掲載されました。
延伸の構想があるのは、TX(つくばエクスプレス)の八潮(やしお)駅、JR武蔵野線の越谷レイクタウン駅を経由して、東武野田線の野田市駅に至るルート。
さらに、野田市から利根川を渡河して、坂東市、常総市、八千代町を経由して、下妻市の大宝(だいほう)駅へ、そこから関東鉄道常総線に乗り入れて筑西市の下館(しもだて)駅へ……という構想も!!
▲ 下館駅まで直通する可能性も……!?【#地下鉄8号線】構想が全て実現すると、八潮~越谷レイクタウン~野田市~岩井を経由し、#関東鉄道 #常総線 と大宝で接続し、下館まで乗り入れることに……!?
・地下鉄有楽町線、北関東まで? 延伸の“壁”になる「地磁気観測所」とは(乗りものニュース 2023年1月31日)
https://t.co/hEQePMoVER
— 下館レイル倶楽部(新アカウント) (@ShimodateRail) January 31, 2023
■実現までには高い壁が…… でも、手がないわけではない
もし実現すれば、鉄軌道の空白地帯が多い茨城県西部と都心方面を直結する新ルートの実現となりますし、東武野田線、つくばエクスプレスなどとの乗り換えができるうえに、集客力が極めて高い「越谷レイクタウン」を経由する新たな鉄軌道となります。
とはいえ、課題になるのは、整備費と需要の見通し。
つくばエクスプレスのような高規格の高架鉄道や地下鉄のまま整備するとなれば、整備費は膨大になります(1kmあたり100~200億円)。また、整備してどの程度の利用者が見込めるのかということもポイントになります。
整備費については、広域道路と一体的に整備する方法や、インフラの規格をより低廉なもの、具体的には主に地平レベルで整備できるLRT(ライト・レール・トランジット)規格で整備するという方法が考えられます。
需要については、現時点での沿線人口だけでなく、沿線全域の交通まちづくりの視点を加味して考える必要があります。
LRTについては、国内だと「次世代型路面電車システム」などと訳されてきましたので、都市間を結ぶ鉄軌道としてのイメージは沸きにくいと思いますが、世界の諸都市では「トラムトレイン」(鉄軌直通運転)によって近接する別の都市へ直通運転する事例が多数見られます。
▲ 地平レベルで整備できるLRTだと、整備費を抑制できるしバリアフリー対策も容易に行えます。市街地では路面電車として、郊外では鉄道として高速運行する「トラムトレイン」も普及しています。海外では連接式ディーゼル低床LRVを使っている都市も。
「トラムトレイン」とは、市街地では路面電車(軌道)、郊外では鉄道の特色を併せ持つ運転形態のことで、街中では電停(駅)の感覚が比較的短く(=表定速度はさほど上がらない)、郊外では鉄道のように駅間距離が長いため高速運転に適しているという、いわば「おいしいどころ取り」のスタイルです。
国内でも、福井鉄道の市内軌道線とえちぜん鉄道の三国芦原線を直通運転する「トラムトレイン」(鉄軌直通運転)が話題になりましたし、広島電鉄宮島線の運転形態は「トラムトレイン」であるといえます。
また、2023年8月開業に向けて準備が進む芳賀・宇都宮LRT(宇都宮ライトレール)も、市街地区間は50km/h・郊外区間は70km/h運転を織り込んで整備しているので、「トラムトレイン」を目指しているといえます(将来、栃木県内の他の鉄道路線に乗り入れることになれば、正真正銘の「トラムトレイン」です)。
国内でこの方式を導入する場合、従来は運賃授受方式の制約(運転士が全乗客の乗降に対応しなければならない)もあって、複数編成の増結による輸送力の増強が難しい、という問題がありました。
しかし今や、交通系IC乗車券やタッチ決済の普及に伴い、日本国内でも気がつけば事実上の「信用乗車方式」が普及していますので(例:JR水戸線の無人駅は、乗客自らがSuica簡易改札機にタッチして乗降しているので、信用乗車方式といってよい)、軌道法の特認を適用して2編成、3編成の併結を行えば、一般的な鉄道と同程度の輸送力を確保することが可能になっています。
▲ 既出の導入ルート案を参考に、野田市駅(東武野田線)から大宝駅(関東鉄道常総線)まで、八千代町経由でこんな感じになるだろう、という予想。既存の道路ベースでルート検索していますが、大まかなイメージはつかめるかと思います。
「8号線」の延伸がいつ、どこまで、どういう形で実現するのか、現時点ではなんとも言えません。
最大のネックは「利根川の渡河」ということになるでしょうから、そこの見通しが立てば茨城県内への延伸の可能性が出てきますし、難しければ野田市までの整備で終わってしまう可能性もあります。
都心側の整備の目処が付けば、具体的に整備計画が進展する可能性はあると思いますので、今後も注視していきたいですね。
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プロフィール
HN:
下館レイル倶楽部・代表
性別:
男性
趣味:
鉄道、鉄道模型、ミリタリーなど
自己紹介:
「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!
・mixi(ミクシィ)
・Facebook(フェイスブック)
・Twitter(ツイッター)
・ご連絡&お問い合わせメールアドレス
nal@sainet.or.jp(←「@」を半角文字にしてお送りください)
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