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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

【JR九州】クルーズ列車「ななつ星 in 九州」2013年10月運行開始

 5月の更新が滞りまくってしまい、すみません。
 6月に入って少し時間が取れるようになると思いますので、記事掲載のペースを元に戻していけると思います。


 さて……。

 JR九州が、豪華なクルージング寝台特急「ななつ星 in 九州」を走らせるというニュースをご存じでしょうか。

 日本初のクルーズ列車ということも注目に値するのですが、実はもっとも注目すべきは、その牽引機がどうも「DF200」なんじゃないかということだったりして(笑)
 JR九州のプレスリリースを見て、掲載されているイメージイラストの機関車が気になって気になって……。

・期待のクルージングトレイン"ななつ星in九州"。(「編集長敬白」 2012年5月25日)←追加しました
 http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2012/05/25_2.html

・クルーズトレイン"ななつ星 in 九州",2013年10月に運行開始(「railf.jp」 2012年5月29日)
 http://railf.jp/news/2012/05/29/150000.html

・クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」運行概要決定(JR九州)
 http://www.jrkyushu.co.jp/cruisetrain/


 日本では効果的な対策がほとんど行われないまま、次々に運行停止に追い込まれている寝台列車。

 豪華列車「カシオペア」や、意欲的な車両をわざわざ新造した「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」はともかく、今でも人気の「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」、JR東日本管内のみの運行で運転時刻とルート、走行距離のバランスが良い「あけぼの」も、車両の更新を行わなければいけない時期に差し掛かりつつあります。

 JR九州が運行を予定しているのは、「移動すること」が目的の実用的な寝台列車ではなく、「乗車すること」そのものが目的の高付加価値な観光列車です。
 とはいえ、機関車を新製してまで運行しようという気概は、きっと将来につながる何かを生み出すのではないかと思います。

 その機関車ですが、「ななつ星 in 九州」の運行ルートに非電化区間が含まれていることから、電気機関車ではないことが想像できます。
 JR九州は特に言及していないのですが、その特徴的な形状や乗務員用ドアの位置から、十中八九「DF200」をベースとする箱形の電気式ディーゼル機関車なんだろうと思います(オリジナルの「DF200」とは「顔」がちょっと変わっていますが)。
 (追記:5月25日付「編集長敬白」記事中に「機関車はDF200ベースが予定されている」という一文が掲載されています)


 「DF200」は、これまでのところ事実上北海道専用の貨物牽引機としてJR貨物が運用しています。
 ディーゼル機関車ですが、搭載するディーゼルエンジンは「走るためのもの」ではなくて「電気を作るためのもの」で、発電した電気でモーターを駆動させて走る「電気式ディーゼル機関車」です。

 電気式ディーゼル機関車は、言い換えれば「自前のディーゼル発電所を搭載する電気機関車」
 液体式ディーゼル機関車に比べると、電気式では液体式変速機が不要になるため、駆動系の構造がすっきりするし、制御もしやすいということになります。

 日本で電気式ディーゼル機関車というと、往年の「DF50」を最後に姿を消していたんですが、世界的にはむしろ電気式の方が主流。
 電気式が有利なのは、出力の制御が容易という点と、大出力に対応する液体変速機を使用せずに済む(これの開発は難しい)という点で、エンジンの他に発電機と走行用モーターを搭載するため重量が増すという欠点はあるものの、それを上回るメリットがあるため各国で広く使われています。

 かつて日本で電気式ディーゼル機関車が使われていた頃は、技術的な問題で重量の割に出力が低かったことがネックになっていました。
 そして何よりも、液体式の決定版「DD51」が実用化したことで、すっかり液体式が主流になっていたのですが、近年の半導体技術の進歩や上記のようなメリットから、新世代の電気式ディーゼル機関車「DF200」が開発されました。


 日本では久々の本線運用の電気式ディーゼル機関車としてデビューした「DF200」は、1両で「DD51」の重連と同程度以上の牽引力を持たせることを目的に開発されました。
 デビューしたのは1992年ですから、今年は生誕20周年ということになります。

 搭載するディーゼルエンジンは、試作機の「901」と、初期量産型「0番台」ではドイツ・MAN社製のV型12気筒エンジン(1,700ps・1,800rpm)を2基搭載。
 「50番台」と「100番台」では、コマツ製の「SDA12V170-1」エンジン(1,800ps・1,800rpm、最大時2,071ps・2,100rpm)を搭載しています。
 2基のディーゼルエンジンで2基の発電機を回し、発電した電気で6基のモーター(320kW×6=1,920kW)を駆動させています。

 「DF」という区分からも明らかなように、「DF200」は「6軸駆動」のディーゼル機関車です。
 (最初の「D」は「ディーゼル機関車」を示し、次の「F」は動軸の数を示していて、Fがアルファベットの6番目の文字であることから動軸は「6軸」であることを示している)
 動軸数が従来の「DD51」より増えていること、VVVFインバータ制御を導入していることも相まって、起動時の粘着力・粘着安定性が大幅に向上しているだけでなく、平坦線であれば800tの列車を牽引しても110km/h以上の均衡速度を維持できるという、極めて優秀な機関車でもあります。

 かつての電気式ディーゼル機関車「DF50」の発電用エンジンが1,060ps~1,200psで、駆動用のモーターが100kW×6基(600kW)であったことを考えると、「DF200」がいかに強力な機関車であるかが分かります。


 「ECO-POWER RED BEAR」という愛称が付けられている「DF200」。
 以前から同じ北海道を運行する「カシオペア」や「北斗星」、「トワイライトエクスプレス」を牽引させたら絵になるだろうな……という話はあったのですが、どうもその前にJR九州が導入することになりそうです。



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 しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
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