下館レイル倶楽部
真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)
【東日本大震災】被災した三セク鉄道復旧で国が半額負担へ
- 2011/09/23 (Fri)
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先の「東日本大震災」で被災し、甚大な被害を被った第三セクター鉄道(旅客鉄道)の復旧に関連して、復旧費用の半額を国が負担し、残る半額も自治体に対する補助を行う方向で最終調整に入ったとのことです。
これは極めて重要なことで、本決まりになれば復旧に弾みがつくことは間違いないうえに、国として地方の公共交通をしっかり守っていく姿勢を明示することにもなります。
・三セク鉄道復旧、国が半額補助へ=東日本大震災の被災で-政府(時事ドットコム 2011年9月22日)
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%bb%b0%a5%bb%a5%af%c5%b4%c6%bb&k=201109/2011092200510
これまでの枠組みであれば、災害発生時の復旧費用は、国が1/4、関係自治体が1/4、鉄道事業者が1/2を負担するというもので、鉄道事業者の負担が結構重くなっていました。
体力がある大手私鉄であれば賄えるでしょうが、地方の中小私鉄や第三セクター鉄道では到底賄えない(大規模な復旧工事が必要な場合、何十年分かかってもその金額に相当する利益を生み出せない場合もある)ため、これまでにも何度となく大災害で甚大な被害=復旧を断念して廃止、というケースがありました。
今回の話で画期的なのは、まず国が1/2を補助したうえで、残る1/2は第三セクター鉄道の出資者である地方自治体へ助成を行うことで、事業者の負担を最小限にする仕組みになるということ。
LRT整備の場合は、国が1/2を賄い、県や自治体が残る1/2の割合について協議して決めることになっていますが、それに近い考え方で被災した鉄道の復旧を後押ししよう、ということになります。
▲ 懸案だった「東日本大震災」で被災した第三セクター鉄道の復旧費用問題。国が費用の半額を負担したうえで、残り半額についても三セク鉄道に出資する自治体に補助を行う方向で最終調整に入った模様です。(画像をクリックすると拡大画像を表示できます)
対象となるのは、三陸鉄道、仙台空港アクセス鉄道、阿武隈急行、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道の5鉄道。
この中で最大の被害を受けているのは三陸鉄道です。
市街地の移転を行うエリアでは線路の付け替えも必要になるでしょうから、国の負担割合が決まったことで地元の自治体による復興計画の策定もかなり楽になるのではないかと思います。
茨城県内では、ひたちなか海浜鉄道(湊線)と、鹿島臨海鉄道(大洗鹿島線)が対象です。
ひたちなか海浜鉄道は、線路脇にあった溜め池の決壊による路盤流出などで、約3億円の復旧費用がかかっています。
鹿島臨海鉄道は、大洗鹿島線の新鉾田~大洋間で大規模な路盤崩壊が発生するなど、約16.2億円の復旧費用がかかっています。さらに、貨物線の「鹿島臨港線」でも約9.4億円の復旧費用がかかっています。
どの程度の復旧費用を最終的に自社負担するのか、これら被災鉄道と沿線自治体は頭を抱えていたことと思いますが、復旧費用に対して国が手厚く補助を行うことが決まれば、心理的な影響も極めて大きいものがあると思います。
少子高齢化と地方の衰退が問題になる中、地方の生活を支える公共交通にどう接していくのかが、以前にも増して重要な課題になる中での大震災でした。
従来型の道路偏重政策では地方が衰退してしまう一方であることは明らかだったので、震災を気に国の方針が公共交通重視に方向転換したことは、地味かも知れないのですが、結構重要なターニングポイントになるかも知れません。
どの政党が政権を担当しても、国として地方の活力強化のために公共交通ネットワークを維持・拡充していくことを期待します。
※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。
これは極めて重要なことで、本決まりになれば復旧に弾みがつくことは間違いないうえに、国として地方の公共交通をしっかり守っていく姿勢を明示することにもなります。
・三セク鉄道復旧、国が半額補助へ=東日本大震災の被災で-政府(時事ドットコム 2011年9月22日)
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%bb%b0%a5%bb%a5%af%c5%b4%c6%bb&k=201109/2011092200510
これまでの枠組みであれば、災害発生時の復旧費用は、国が1/4、関係自治体が1/4、鉄道事業者が1/2を負担するというもので、鉄道事業者の負担が結構重くなっていました。
体力がある大手私鉄であれば賄えるでしょうが、地方の中小私鉄や第三セクター鉄道では到底賄えない(大規模な復旧工事が必要な場合、何十年分かかってもその金額に相当する利益を生み出せない場合もある)ため、これまでにも何度となく大災害で甚大な被害=復旧を断念して廃止、というケースがありました。
今回の話で画期的なのは、まず国が1/2を補助したうえで、残る1/2は第三セクター鉄道の出資者である地方自治体へ助成を行うことで、事業者の負担を最小限にする仕組みになるということ。
LRT整備の場合は、国が1/2を賄い、県や自治体が残る1/2の割合について協議して決めることになっていますが、それに近い考え方で被災した鉄道の復旧を後押ししよう、ということになります。
▲ 懸案だった「東日本大震災」で被災した第三セクター鉄道の復旧費用問題。国が費用の半額を負担したうえで、残り半額についても三セク鉄道に出資する自治体に補助を行う方向で最終調整に入った模様です。(画像をクリックすると拡大画像を表示できます)
対象となるのは、三陸鉄道、仙台空港アクセス鉄道、阿武隈急行、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道の5鉄道。
この中で最大の被害を受けているのは三陸鉄道です。
市街地の移転を行うエリアでは線路の付け替えも必要になるでしょうから、国の負担割合が決まったことで地元の自治体による復興計画の策定もかなり楽になるのではないかと思います。
茨城県内では、ひたちなか海浜鉄道(湊線)と、鹿島臨海鉄道(大洗鹿島線)が対象です。
ひたちなか海浜鉄道は、線路脇にあった溜め池の決壊による路盤流出などで、約3億円の復旧費用がかかっています。
鹿島臨海鉄道は、大洗鹿島線の新鉾田~大洋間で大規模な路盤崩壊が発生するなど、約16.2億円の復旧費用がかかっています。さらに、貨物線の「鹿島臨港線」でも約9.4億円の復旧費用がかかっています。
どの程度の復旧費用を最終的に自社負担するのか、これら被災鉄道と沿線自治体は頭を抱えていたことと思いますが、復旧費用に対して国が手厚く補助を行うことが決まれば、心理的な影響も極めて大きいものがあると思います。
少子高齢化と地方の衰退が問題になる中、地方の生活を支える公共交通にどう接していくのかが、以前にも増して重要な課題になる中での大震災でした。
従来型の道路偏重政策では地方が衰退してしまう一方であることは明らかだったので、震災を気に国の方針が公共交通重視に方向転換したことは、地味かも知れないのですが、結構重要なターニングポイントになるかも知れません。
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下館レイル倶楽部・代表
性別:
男性
趣味:
鉄道、鉄道模型、ミリタリーなど
自己紹介:
「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!
・mixi(ミクシィ)
・Facebook(フェイスブック)
・Twitter(ツイッター)
・ご連絡&お問い合わせメールアドレス
nal@sainet.or.jp(←「@」を半角文字にしてお送りください)
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この記事へのコメント
まだまだ
最終結果を待たないと。
(吉田)
Re:まだまだ
すみません、すっかり返信が遅れてしまいました……。
この件は、こういう状況だからこそ「国がしっかり負担します」という方針をいち早く明示してもらいたいですね。
基本方針が決まっていれば、後の展開はある程度スムーズに進むように思います。