下館レイル倶楽部
真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)
【鹿島鉄道跡BRT】いよいよ本日(8月30日)から運行開始
- 2010/08/30 (Mon)
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先日もご紹介しました鹿島鉄道跡BRT(バス高速輸送システム)が2010年8月30日(月)から運行を開始しました。
昨日(8月29日)には「開通式」が行われたそうです。
・廃線跡にバス きょう発車 石岡―四箇村間5・1キロ専用道 定時性・渋滞緩和に期待(「読売新聞」 2010年8月30日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20100830-OYT8T00081.htm
・旧鹿島鉄道跡地をバス専用道に 公設民営BRT開通 茨城(「産経新聞」 2010年8月30日)
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/ibaraki/100830/ibr1008300248000-n1.htm
・初の公設民営BRT 石岡駅で開通式 きょうから運行(「東京新聞」 2010年8月30日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20100830/CK2010083002000071.html
本日(8月30日)時点で「開業」したのは、石岡駅~旧・四箇村駅の5.1km。
(BRT専用道として整備するのは石岡駅~旧・常陸小川駅までの7.1kmです)
開業後の運賃は、石岡駅~玉造駅間が30円安い220円、石岡駅~小川駅間も30円安い360円となります。
この区間がバス専用道として供用されることになった結果、並行する国道355号線(渋滞が頻発)を通らずに済むため、定時運行性と速達性が確保できるようになったはずです。
当初計画は、石岡駅の東側(鹿島鉄道の敷地)に専用ターミナルを建設する予定でしたが、他の路線バスなどとの乗り換えを考慮し、現行の駅西口ターミナル発着という形に落ち着きました。
……が、上記「読売新聞」の記事を見てみると、将来的には東口に新たなバスターミナルを設置する計画がある旨の記述があります。
石岡駅西口から鹿島鉄道跡のバス専用道へ向かうには、JR常磐線の線路を渡るか、国道6号線に出て陸橋を渡る必要があります。
これがもし東口からの出発となれば、鹿島鉄道が現役だった頃と同じように、常磐線と併走しながら国道6号線の陸橋の下をくぐれるようになるので、所要時間の短縮が見込めます。
廃線跡をバス専用道として代替バスを走らせる形態自体は、これまでにもいくつか行われていますが、それを公設民営で整備したというのが国内では初めてのケースとなります。
今回は廃止された鉄道の軌道敷を転用しての専用道整備でしたが、何も鉄道の廃止が前提である必然性はないわけです。
鉄道がないが渋滞がひどくてバスの定時運行制が担保できない地域や、LRTを導入するにほどには需要が見込めないものの、新たな公共交通の導入が急務である地域など、今後はさまざまな活用方法があるかも知れません。
(LRTを導入しても需要が見込める地域や、導入の意義がある地域は、最初からLRTを導入するのが賢明だと思います)
日本でもやっと鉄道や軌道を「公設民営」で維持・整備していくという考え方が実現しつつあるのですが、鹿島鉄道はこの流れが本格化する前に廃止となってしまいました。
もし鹿島鉄道の存廃問題が5年遅れていたとしたら(あるいは、公設民営化の流れが5年早かったとしたら)、このBRT事業はまた違った展開を見せていたかも知れません。
鉄道として残す選択をした場合でも、近代化や設備の改良は不可欠だったので、相応の投資が必要だったことには違いなかったのですが、BRT事業にはそれを上回る投資が行われています(しかも、バス化したことで運行経費は上がっているはずです)
「公設民営」の枠組みを適応できたのであれば、鉄道、あるいはより維持しやすい軌道として再生する道もあったのですが……。
鹿島鉄道跡のBRT化というのは、いわば過渡期における(ベストではなく)ベターな回答の一つではあるのかも知れません。
今後も地方鉄道の存廃議論が顕在化するケースがあるかも知れません。
しかし、鉄道には鉄道ならではのメリットがあるし、BRT転換するにしても思った以上の投資が必要になる(場合によっては既存の鉄道を近代化・改良する方が安上がりな場合もある)点を見落としてはいけません。
そのため、「バス転換すればいいだろう」という「廃止ありき」の議論や、安易に「BRTにすればいいんじゃないの」という議論はすべきではない、と私は考えています。
BRTは、今後は渋滞による遅延が常態化している路線バスの近代化・活性化の一環として検討を進めてはどうかと考えています。
特に幹線系統のバスは、従来のバス専用レーンを一歩進めて、完全に一般通行とは隔離した専用道を走らせるようにするなど、より一層の定時運行制確保が不可欠です。
(専用の走行空間を確保する以上、BRTよりもLRTの方が良いケースというのも出てくると思います)
徒歩、自転車、自家用車、タクシーやデマンド交通、コミュニティバス、路線バス、BRT、路面電車、LRT、鉄道……。
異なる移動モードをうまく組み合わせることが、これからの世の中には求められていくものと思います。
※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。
昨日(8月29日)には「開通式」が行われたそうです。
・廃線跡にバス きょう発車 石岡―四箇村間5・1キロ専用道 定時性・渋滞緩和に期待(「読売新聞」 2010年8月30日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20100830-OYT8T00081.htm
・旧鹿島鉄道跡地をバス専用道に 公設民営BRT開通 茨城(「産経新聞」 2010年8月30日)
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/ibaraki/100830/ibr1008300248000-n1.htm
・初の公設民営BRT 石岡駅で開通式 きょうから運行(「東京新聞」 2010年8月30日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20100830/CK2010083002000071.html
本日(8月30日)時点で「開業」したのは、石岡駅~旧・四箇村駅の5.1km。
(BRT専用道として整備するのは石岡駅~旧・常陸小川駅までの7.1kmです)
開業後の運賃は、石岡駅~玉造駅間が30円安い220円、石岡駅~小川駅間も30円安い360円となります。
この区間がバス専用道として供用されることになった結果、並行する国道355号線(渋滞が頻発)を通らずに済むため、定時運行性と速達性が確保できるようになったはずです。
当初計画は、石岡駅の東側(鹿島鉄道の敷地)に専用ターミナルを建設する予定でしたが、他の路線バスなどとの乗り換えを考慮し、現行の駅西口ターミナル発着という形に落ち着きました。
……が、上記「読売新聞」の記事を見てみると、将来的には東口に新たなバスターミナルを設置する計画がある旨の記述があります。
石岡駅西口から鹿島鉄道跡のバス専用道へ向かうには、JR常磐線の線路を渡るか、国道6号線に出て陸橋を渡る必要があります。
これがもし東口からの出発となれば、鹿島鉄道が現役だった頃と同じように、常磐線と併走しながら国道6号線の陸橋の下をくぐれるようになるので、所要時間の短縮が見込めます。
廃線跡をバス専用道として代替バスを走らせる形態自体は、これまでにもいくつか行われていますが、それを公設民営で整備したというのが国内では初めてのケースとなります。
今回は廃止された鉄道の軌道敷を転用しての専用道整備でしたが、何も鉄道の廃止が前提である必然性はないわけです。
鉄道がないが渋滞がひどくてバスの定時運行制が担保できない地域や、LRTを導入するにほどには需要が見込めないものの、新たな公共交通の導入が急務である地域など、今後はさまざまな活用方法があるかも知れません。
(LRTを導入しても需要が見込める地域や、導入の意義がある地域は、最初からLRTを導入するのが賢明だと思います)
日本でもやっと鉄道や軌道を「公設民営」で維持・整備していくという考え方が実現しつつあるのですが、鹿島鉄道はこの流れが本格化する前に廃止となってしまいました。
もし鹿島鉄道の存廃問題が5年遅れていたとしたら(あるいは、公設民営化の流れが5年早かったとしたら)、このBRT事業はまた違った展開を見せていたかも知れません。
鉄道として残す選択をした場合でも、近代化や設備の改良は不可欠だったので、相応の投資が必要だったことには違いなかったのですが、BRT事業にはそれを上回る投資が行われています(しかも、バス化したことで運行経費は上がっているはずです)
「公設民営」の枠組みを適応できたのであれば、鉄道、あるいはより維持しやすい軌道として再生する道もあったのですが……。
鹿島鉄道跡のBRT化というのは、いわば過渡期における(ベストではなく)ベターな回答の一つではあるのかも知れません。
今後も地方鉄道の存廃議論が顕在化するケースがあるかも知れません。
しかし、鉄道には鉄道ならではのメリットがあるし、BRT転換するにしても思った以上の投資が必要になる(場合によっては既存の鉄道を近代化・改良する方が安上がりな場合もある)点を見落としてはいけません。
そのため、「バス転換すればいいだろう」という「廃止ありき」の議論や、安易に「BRTにすればいいんじゃないの」という議論はすべきではない、と私は考えています。
BRTは、今後は渋滞による遅延が常態化している路線バスの近代化・活性化の一環として検討を進めてはどうかと考えています。
特に幹線系統のバスは、従来のバス専用レーンを一歩進めて、完全に一般通行とは隔離した専用道を走らせるようにするなど、より一層の定時運行制確保が不可欠です。
(専用の走行空間を確保する以上、BRTよりもLRTの方が良いケースというのも出てくると思います)
徒歩、自転車、自家用車、タクシーやデマンド交通、コミュニティバス、路線バス、BRT、路面電車、LRT、鉄道……。
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下館レイル倶楽部・代表
性別:
男性
趣味:
鉄道、鉄道模型、ミリタリーなど
自己紹介:
「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!
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・ご連絡&お問い合わせメールアドレス
nal@sainet.or.jp(←「@」を半角文字にしてお送りください)
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