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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

カテゴリー「ニュース(鉄道・LRT・バスなど)」の記事一覧

【宇都宮LRT】年度末にも公共交通ネットワーク住民説明会

 宇都宮市の公共交通ネットワークを含む公共事業全般の「住民説明会」について、やや動きがありました。
 8月27日の定例記者会見で、佐藤 栄一 宇都宮市長は「年度末または来年度には開催したい」と表明したようです。

・宇都宮市、年度末にもLRT説明会 栃木(「MSN産経」 2010年8月27日)
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tochigi/100829/tcg1008290217002-n1.htm

・公共交通事業で住民に説明会 年度末にも宇都宮市(「下野新聞」 2010年8月28日)
 http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/utsunomiya/news/20100828/373298


 この「住民説明会」を各地で開催した上で、将来を見据えた総合的な公共交通ネットワークをどうしていくのかという結論を導き出す……というのが佐藤市長の方法論のようです。
 主要テーマは「まちづくり」と「公共交通」のあり方となる見通しです。

 宇都宮市のLRTを含めた公共交通ネットワーク計画は、昨年の政権交代で政府の動向が不透明になってしまったことで、しばらく様子見の状況となっていました。
 しかし、昨年夏の衆院選では民主党の選挙公約には「LRT推進という項目があったこと、公共交通ネットワークを拡充する助けとなる「交通基本法」の制定を目指す動きが加速しつつあること、国交省はLRT導入に向けた環境作りを着々と進めていることなどもあり、宇都宮市長としても「頃合い良し」という判断に至ったのではないかと推察します。
 (ちなみに、LRT推進に関しては超党派のLRT議連があり、与野党問わず大勢の国会議員が参加しています)


 このブログでも繰り返し述べていますが、LRTはまちづくりのツールの一つで、LRT導入が「目的」なのではなくて、効果的なまちづくりのための「手段」の一つとして重要な役割を果たすべき存在です。
 (おおよその目安としては、人口20万人ほどの都市であれば、LRT導入に見合う旅客需要があると考えられます/もちろん、ただ導入すれば良いというわけではなく、総合的なまつづくりの中でしっかりとした位置づけをして、他の交通手段とも円滑に連携を図ることが不可欠です)
 そのため、LRT導入によってどの程度まちづくりに貢献できるかという視点で議論すべきであって、単純な採算性云々という議論は出発点がかなりずれているといえます。
 (ただし、明らかに都市の規模が小さくて、LRTを導入するほどの需要が見込めないケースでは、他の交通手段を検討すべきです/宇都宮は導入の可否を議論する必要がないほど都市の規模が大きい)
 つまり議論が必要だとしても、LRTを含めた公共交通ネットワークをどう再編すべきだとか、それらによって社会的便益がどの程度増すかとか、どのルートがより効果的かとか、バスなど他の交通モードとの結節点をどこに設けたらよいかとか、そうしたことに注力すべきといえます。

 宇都宮では、残念ながら先の県知事選や市長選でLRT導入が政争の具とされてしまった(反対派の候補者が殊更にLRT反対を唱えた)ため、本来市民の皆さんに伝えなければいけない社会的便益についての話がほとんど伝わらず、単純な赤字黒字の話が先行してしまうという、なんともお粗末な状況に陥ってしまいました。
 県知事選で今の知事に大敗した反対派の候補者は、その後国政に転じた(民主党)のですが、民主党自体は「LRT推進」を謳っている中で未だに矛盾した主張を変えていないようです。


 実際のところ、宇都宮という街は駅(特にJR宇都宮駅)までは比較的楽に行けるのですが、そこから先の移動は本当に難儀します。
 路線バスは、一部の区間では過密といえるほど走っているのですが、路線バスの空白地帯・過疎地帯もかなりあり、なおかつ時間も読めないしどこを経由してどこに行くか分かりにくいので、正直なところあまりアテにはできません。
 クルマを使えば、各所で渋滞に巻き込まれ、目的地付近では駐車場が見つかりにくいということも間々あります。
 生まれも育ちも宇都宮という人はあまり実感が沸かない(不便さに気づかない)かも知れないのですが、他の都市の状況を知ってしまうと不便さが際だってしまうのです。

 今後少子高齢化が一層進行する中で、都心と地方都市の競争だけでなく、地方都市間の競争も激化するものと予想できます。
 もう少しいえば、不便な都市にはヒト・モノ・カネが集まらず、より便利な都市に流出してしまうということです。
 (高い生活費を払ってでも都心に人が集まり、企業も集まるという背景には、「都心は便利」というある種の安心感があるためだろうと思えます)

 同じことは宇都宮以外の地方都市にも言えるのですが、少なくとも従来のやり方――クルマと道路最優先で、際限なく郊外化が進んでいく――を続けていたのでは、市街地の拡大に伴い都市インフラの維持・整備に必要な莫大な資金が市の財政を直撃することになるうえ、中心市街地は衰退する一方ですから、良いことはあまりありません。
 つまり、ここで思い切った方向転換が行えるかどうか、言い換えれば「過度にクルマに依存しなくても良いまちづくりにシフトできるか」が試されているのではないかと思います。

 東京の都心並みとは言わないまでも、さまざまな方法で「便利さ」を実感できるような都市にしていけるかどうか、これが肝要であると考えます。
 市内の中心街を便利な公共交通(おそらくそれは従来型の路線バスでは役不足で、もっと高度化された分かりやすい乗り物である必要があります)が高頻度で走っていて、クルマを使わなくても移動に困らないような状態だったらどうでしょうか。
 既存鉄道の駅から離れていても、おおむね時刻表通りにスイスイ走る公共交通機関が整備されていて、他の交通機関への乗り換えが簡単に行えて、市民も余所から来た人も移動に困らないという状態であったらどうでしょうか。

 私自身は、地元茨城であれば水戸と土浦・つくば、栃木であれば宇都宮と小山、群馬であれば前橋と高崎は、過度なクルマ依存から脱却して「クルマがなくても結構便利なまちづくり」を目指すべきだろうと考えています。
 そのための手段の一つが、新たな公共交通ネットワークを整備し、既存の鉄道・バスなどともシームレスな連携を図るということです。
 これは民間の交通事業者が単体でどうにかできるものではありませんし、官だけで実現しようとすると必ず無駄が生じますので、官民共同の運輸連合のようなものを設立しても良いのではないかと思います。


 話が脱線しましたが、目先の損得だけでなく、どうか長期的・戦略的な視点で考えていただける人が増えてほしいと願わずにはいられません。


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【DMV】3両編成の状態で報道公開される

 JR北海道が開発中の「デュアル・モード・ヴィークル(DMV)」
 7月にJR北海道「苗穂工場」内の試験線で3両編成となって試運転を行っている様子が目撃されていますが、このたび晴れて報道公開が行われたそうです。

・道路と線路走れる車両、新型は3両編成(「読売新聞」 2010年8月31日)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100831-OYT1T00183.htm


 「デュアル・モード・ヴィークル(DMV)」は、線路と道路の両方を走れるように、車輪とタイヤの両方を備えた車両です。
 ベースはマイクロバスで、線路を走るときは車体前方の車輪を出して、後部のダブルタイヤの内側のタイヤを線路の上面に接地させて、タイやの駆動によって走行します(車体最後尾にも誘導用の車輪が出て、線路上を直進するよう補助します)。
 道路から線路へ乗り換えるときは、専用のモードチェンジ区間をゆっくり前進しながら位置を調整し、前車輪を出すという手順です(車体下面にカメラを装備して、運転士が線路と車輪の位置を確認して容易にモードチェンジが行えるような改良も計画されていると思います)。


 DMVのメリットとしては、


・鉄道と道路の両方を走れる
・線路を走れるので、渋滞にはまらずに済む
・新規に線路を敷かなくても、現在の終点から先は道路で走ることができるので、実質的な路線延伸が行える
・往路は線路、袋は道路という使い分けを行うことで、単線区間でも複線のような高頻度運転を行うことが可能
・導入コストが一般の鉄道車両に比べると大幅に安い
・運行コストも一般の鉄道車両に比べるとかなり低減できる


 というものがあります。

 線路があるところは鉄道車両として最高70km/hで走行でき、線路がないところではバスとして走れるというのは大きなメリットです。
 今回報道公開された試作車を例にすると、駅までは3両編成で線路を走ってきて、駅で1両ずつに分割。駅からは道路に降りて、離れた場所にある学校や病院、団地、公共施設、商業施設などへバスとして走って行くという運用が可能です(当然、その逆も可能)。
 また、線路がない区間は道路を走ることで、実質的な路線延伸が容易に行えるというのも特筆すべき点です。

 導入コストについては、今回の記事ではディーゼルカーの1/4程度とあります。
 一般形のディーゼルカーが1両1億円~1.2億円程度なので、かなりざっくりですが「2,500万円~3,000万円」という辺りでしょうか。
 (しばらく前に「約2,000万円」という数字も出ていたことがあります/現在のベース車両よりも小型の試作車の頃でしたけど)
 ベースとなるマイクロバスは、新車で500万円~800万円程度ですから、結構値が張ります……。

 鉄道車両に比べると小型・軽量で、線路にかかる負担が少なくなりますので、保線費用が低減できると見込まれていて、鉄道車両よりは燃費も良いので燃料費も低減できるものと思います。

 いわゆる「車検」にかかる費用も、鉄道車両よりは安上がりといえます。
 (以前の記事ですが、鉄道車両は440万円、DMVは100万円という数値が出ていたことがあります)。


 ただし、デメリットもあり、


・1両あたりの輸送力が小さいので、積み残しが生じる可能性がある
・鉄道車両よりもエネルギー効率が悪い
・ベースのマイクロバスに比べると重く、導入コストがかさむ
・車両の寿命がよくて15年程度と、鉄道車両の半分程度


 などというものがあります。

 輸送力については、ざっくりですがDMV3~4両でディーゼルカー1両にやっと比肩する程度です。
 ディーゼルカーの車両寿命は約30年ですが、DMVはその半分以下。30年スパンで考えると、ディーゼルカー1両(1~1.2億円)と同等の輸送力を維持するには、30年間で6~8両のDMVを導入する必要がある計算になります(1両2,000万円として、1.2~1.6億円)。
 かなり乱暴な想定ですが、車両の導入費用が大差ない状態になる場合もある、ということです(実際には同等か、同等以下になるでしょうけど)。

 道路も線路も走れる装置を備えているということは、見方を変えれば線路走行時には道路走行に必要な装置がデッドウェイトになり、道路走行時には線路走行に必要な装置がデッドウェイトになっているということでもあります。
 このため、純然たる鉄道車両やマイクロバスに比べるとエネルギーロスの比率が大きいとも言えます。


 このように、DMVは従来の鉄道・バスという枠組みを超えた大きな可能性を秘めた車両であるという一方、数々の制約も抱えているので、決して万能選手ではない、ということは失念してはならないわけです。
 (念のため書き添えておきますと、私自身はDMVの可能性には大きな期待を寄せているし、各地に普及してほしいと願っていますが、だからといって「万事バラ色」ということではないということは踏まえておかないといかんと思っています)



 さて、ここからは話が少々脱線するのですが……。


 DMVの導入を検討している地方路線の中には、全部DMVだと高すぎて購入できない、という場合もあると思います。
 量産効果で価格が下がっていくとしても、1両2,500万円となれば、十分頭数が揃わないという危惧はあります。

 私見ですが、道路への直通運転用の車両としてDMVを、線路専用の車両として「マイクロレールバス」(マイクロバスのタイヤを車輪に履き替えたような簡便な車両)を用意しても良いのではないかと考えています。

 かつてのレールバスは、バス規格のため鉄道車両ほどには車体寿命が持たず、車体が小さいので輸送力に限界があるうえに、総括制御(何両編成であっても、先頭車の運転士が1人で運転できる)が行えないため複数両による連結運転が行えないために廃れた、という歴史がありました。
 (その後、第3セクター鉄道が誕生する頃になり、新世代のレールバスが誕生しています)
 しかし今、マイクロバスがベースのDMVが実用化されようという状況にあり、マイクロバスの鉄道車両化(?)については法的な整備も含めて以前より状況は好転しているといえます。

 車体寿命については、「そういうもの」という前提で割り切っても良いのかも知れません(夜間は野ざらしにせず、必ず「車庫」に格納するようにすることで長保ちさせることはできると思います)。
 また、運転席が前方にしかないままでは、反対方向に走れません(走れるけど、安全上問題がある)ので、鉄道車両のように前後両方向に走れるような対策が必要です。つまり、必要十分な逆転機を装備、反対方向にも走れる運転席を設ければ良い、ということになります。
 全部の車両を「両運転台型」とすれば割高になるでしょうから、「片運転台型」も適宜用意して、従来のディーゼルカーと同じような弾力運用を行うとか、「片運転台型」を背中合わせに2両連結するのを基本ユニットにして、朝夕ラッシュ時は適宜増結するとか、途中まではDMVタイプの車両と連結して、途中駅で分割併合を行うとか……。

 この「マイクロレールバス」の導入コストを1両「1,000万円」程度に抑制できれば、全数をDMVで置き換えるよりかなり現実的な案になりそうな気がします。

 必要な法整備・法改正や、車体強度が鉄道車両ほどではないことに起因する安全対策など、クリアすべき課題は少なからずあるかと思います。
 しかし、「○○だから実現は無理」という発想ではなくて、「これを実現するためには○○が必要だ」という発想で、どうしたらより良い状況になるか考えていく必要があるのではないかと感じています。


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【鹿島鉄道跡BRT】いよいよ本日(8月30日)から運行開始

 先日もご紹介しました鹿島鉄道跡BRT(バス高速輸送システム)が2010年8月30日(月)から運行を開始しました。
 昨日(8月29日)には「開通式」が行われたそうです。

・廃線跡にバス きょう発車 石岡―四箇村間5・1キロ専用道 定時性・渋滞緩和に期待(「読売新聞」 2010年8月30日)
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20100830-OYT8T00081.htm

・旧鹿島鉄道跡地をバス専用道に 公設民営BRT開通 茨城(「産経新聞」 2010年8月30日)
 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/ibaraki/100830/ibr1008300248000-n1.htm

・初の公設民営BRT  石岡駅で開通式 きょうから運行(「東京新聞」 2010年8月30日)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20100830/CK2010083002000071.html



 本日(8月30日)時点で「開業」したのは、石岡駅~旧・四箇村駅の5.1km。
 (BRT専用道として整備するのは石岡駅~旧・常陸小川駅までの7.1kmです)

 開業後の運賃は、石岡駅~玉造駅間が30円安い220円、石岡駅~小川駅間も30円安い360円となります。
 この区間がバス専用道として供用されることになった結果、並行する国道355号線(渋滞が頻発)を通らずに済むため、定時運行性と速達性が確保できるようになったはずです。


 当初計画は、石岡駅の東側(鹿島鉄道の敷地)に専用ターミナルを建設する予定でしたが、他の路線バスなどとの乗り換えを考慮し、現行の駅西口ターミナル発着という形に落ち着きました。
 ……が、上記「読売新聞」の記事を見てみると、将来的には東口に新たなバスターミナルを設置する計画がある旨の記述があります。

 石岡駅西口から鹿島鉄道跡のバス専用道へ向かうには、JR常磐線の線路を渡るか、国道6号線に出て陸橋を渡る必要があります。
 これがもし東口からの出発となれば、鹿島鉄道が現役だった頃と同じように、常磐線と併走しながら国道6号線の陸橋の下をくぐれるようになるので、所要時間の短縮が見込めます。


 廃線跡をバス専用道として代替バスを走らせる形態自体は、これまでにもいくつか行われていますが、それを公設民営で整備したというのが国内では初めてのケースとなります。
 今回は廃止された鉄道の軌道敷を転用しての専用道整備でしたが、何も鉄道の廃止が前提である必然性はないわけです。
 鉄道がないが渋滞がひどくてバスの定時運行制が担保できない地域や、LRTを導入するにほどには需要が見込めないものの、新たな公共交通の導入が急務である地域など、今後はさまざまな活用方法があるかも知れません。
 (LRTを導入しても需要が見込める地域や、導入の意義がある地域は、最初からLRTを導入するのが賢明だと思います)


 日本でもやっと鉄道や軌道を「公設民営」で維持・整備していくという考え方が実現しつつあるのですが、鹿島鉄道はこの流れが本格化する前に廃止となってしまいました。
 もし鹿島鉄道の存廃問題が5年遅れていたとしたら(あるいは、公設民営化の流れが5年早かったとしたら)、このBRT事業はまた違った展開を見せていたかも知れません。

 鉄道として残す選択をした場合でも、近代化や設備の改良は不可欠だったので、相応の投資が必要だったことには違いなかったのですが、BRT事業にはそれを上回る投資が行われています(しかも、バス化したことで運行経費は上がっているはずです)
 「公設民営」の枠組みを適応できたのであれば、鉄道、あるいはより維持しやすい軌道として再生する道もあったのですが……。

 鹿島鉄道跡のBRT化というのは、いわば過渡期における(ベストではなく)ベターな回答の一つではあるのかも知れません。


 今後も地方鉄道の存廃議論が顕在化するケースがあるかも知れません。
 しかし、鉄道には鉄道ならではのメリットがあるし、BRT転換するにしても思った以上の投資が必要になる(場合によっては既存の鉄道を近代化・改良する方が安上がりな場合もある)点を見落としてはいけません。
 そのため、「バス転換すればいいだろう」という「廃止ありき」の議論や、安易に「BRTにすればいいんじゃないの」という議論はすべきではない、と私は考えています。

 BRTは、今後は渋滞による遅延が常態化している路線バスの近代化・活性化の一環として検討を進めてはどうかと考えています。
 特に幹線系統のバスは、従来のバス専用レーンを一歩進めて、完全に一般通行とは隔離した専用道を走らせるようにするなど、より一層の定時運行制確保が不可欠です。
 (専用の走行空間を確保する以上、BRTよりもLRTの方が良いケースというのも出てくると思います)

 徒歩、自転車、自家用車、タクシーやデマンド交通、コミュニティバス、路線バス、BRT、路面電車、LRT、鉄道……。
 異なる移動モードをうまく組み合わせることが、これからの世の中には求められていくものと思います。


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【関東鉄道】ヘッドマーク付き貸切列車「うたごえ列車」8月28日運行

 関東鉄道は、ヘッドマーク付きの臨時貸切列車「うたごえ列車」を2010年8月28日(土)に運行します。

・関東鉄道
 http://www.kantetsu.co.jp/

・【ニュースリリース】臨時貸切列車の運行について(2010年8月27日)
 http://www.kantetsu.co.jp/news/100827_song_train/100827_song_train.html


 使用車両は「キハ0形」。運行時間は、次の通り。


・水海道 11:34発 → 下妻 12:16発 → 下館 12:44着
・下館 13:16発 → 下妻 13:41発 → 水海道 14:20着



 なお、この列車は貸し切り列車なので、参加者以外の人は乗車できません。悪しからず……。

 土曜日の日中ということで、撮影にはうってつけなのではないかと思います。

 なお、沿線からの撮影の場合、線路への接近や、私有地への無断立ち入りは「御法度」ですよ!!
 しっかり安全を確保したうえで(「自分だけが安全だと思っている」というのは絶対×ですよ!!)、周囲の迷惑にならないようにして、撮影を楽しんでくださいね。


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【TX】祝・開業5周年!! 8両化や東京延伸の話も

 2005年8月24日に開業した「つくばエクスプレス(TX)」
 8月24日で開業5周年を迎えたことを記念して、沿線各地で記念行事が行われたようです。

・TX5周年 各地でイベント(「東京新聞」茨城版 2010年8月25日)
 http://www.yagan.co.jp/information/0000000048/detail.html

 大きな期待を背負って開業してから早5年!!

 当初は一部で不安視する向きもあったようですが、高速・速達路線であること、再開発によって秋葉原が単なる乗換駅から目的地へと変貌しつつある中での開業とあって、私自身は「絶対に発展・成長する」との確信を抱いていました。


 ▲ 2010年8月24日に開業5周年を迎えた「つくばエクスプレス」。今後もますます発展していくでしょうね。(画像をクリックすると拡大画像を表示できます)

 TX開業に伴い、接続する各路線にも大きな変化がもたらされました。

 JR武蔵野線とは「南流山」駅で接続。ここで乗り換えれば、「幕張メッセ」や「東京ディズニーランド」にもスムーズに行けるようになりました。
 東武野田線は、TXとの交差地点に新駅「流山おおたかの森」駅を建設。新駅開業に合わせて周辺地域の再開発も行われ、駅前に大規模ショッピングセンターができるなど、新都心として発展を続けています。

 関鉄常総線とは、「守谷」駅で接続。元の常総線の「守谷」駅は、今の駅よりも100mほど南側だったのですが、TXとの交差地点に駅を移設し、2線4面の立派な駅に生まれ変わっています。
 TX開業により、従来は「取手」駅まで出てJR常磐線で都心方面に向かっていた人の大半が「守谷」駅でTXに乗り換えるようになり、常総線の平均乗車距離は短くなってしまいました(その分、運賃収入も減少)。
 そのため、より遠距離からの乗客を新規に確保しようと、下館~守谷間の快速運行が始まり、「北線」(水海道~下館間)の普通列車の運行頻度が大幅に向上しています。


 高速運転で所要時間も短く、運転本数も多いTX。

 当初目標だった「27万人/日」をあっさりクリアし、2010年4月には「28万人/日」を達成したとのことです。
 利便性が高い路線なので、今後もますますTXの乗客は増えていくことでしょう。

 そこで問題になってくるのが、現在の6両編成のままでは輸送力不足に陥るということです。
 すでに限界に達しているというのが実情で、当初計画にも盛り込まれている「8両編成化」を実現する必要性が高まってきています。

 それと、私自身は懐疑的なのですが、以前から「東京駅への延伸」という話が持ち上がっています。


・TX開業5周年「27万人」前倒し達成 東京駅延伸、時期は不透明 茨城(「MSN産経」茨城版 2010年8月25日)
 http://www.yagan.co.jp/information/0000000048/detail.html


 東京駅に延伸といっても、JR京葉線などと同様、「大深度地下」で「かなり歩く」ことになるのではないか……という危惧があります。
 (東京駅周辺の地下空間は、既にかなり利用し尽くしている状況で、地下に鉄道を新設するとなると「深く」「遠く」するしかないのです)

 「常磐新線」計画当初の秋葉原というと、駅前に電気街やでかい市場が広がる状況でしたので(多くの人にとって「目的地」ではなかった)、当時の視点で考えると、なるほど「始発駅は東京駅に」という考え方は納得できます。
 しかし、その後の社会情勢の変化や、秋葉原の変貌ぶりを考えると、当初計画のまま東京延伸を墨守するのが最適なのかどうか……。

 再考を促したい理由は、大きく3つあります。


(1)再開発の結果、秋葉原は東京を代表する街の五指に入るようになった
(2)「東北縦貫線」の開通により、上野~東京間の山手線・京浜東北線の混雑が緩和する
(3)延伸するなら、筑波山方面や土浦・石岡方面の方が良いのでは



 まず(1)について。

 単なる通過駅・乗換駅ではなく、立派な「目的地」に生まれ変わった今の、これからの秋葉原ということを考えたとき、「アキバ始発」であることのメリットの方が大きいのではないか、ということです。
 世界的な認知度も高い「アキバ」が始発駅である状態を保つことが、イメージ戦略的にも大きな意味を持つのではないかと思えます。

 もし東京駅までの延伸を行う場合、神田川を越えるために大深度地下を掘り進むことになるため、わずか2kmちょっとの工事に1,000億円を要するそうです。
 現行のTX秋葉原駅は、東京延伸を見越して始発・終着駅としてではなく、島式ホームが一つだけの通過駅タイプの構造です。
 これをもって「だから東京駅に延伸しないといけない」という話もあるようですが、1,000億円あれば現行のTX秋葉原駅の増強工事を行っても相当なお釣りが来るのではないかと思えます。


 続いて、(2)について。

 「東北縦貫線」とは、東北新幹線の東京延伸工事の際に分断してしまった在来線の線路を再び設置して、東北線(宇都宮線)・高崎線・常磐線が上野~東京間を走行できるようにするというものです。
 (東北新幹線開業以前は、東北線・高崎線・常磐線の列車の中には東京駅に直通している列車もありました)
 ポイントは、上野~東京間ノンストップで、秋葉原には駅を設けません(勾配などの関係上「設けられない」のかも知れません)。

 東北新幹線を東京まで延伸する際、秋葉原~神田間の線路脇スペースに余裕が少ない区間があったため、かつては直通していた在来線の線路は分断され、新幹線の軌道が建設されました。
 分断された在来線の線路は、上野方・東京方それぞれで留置線して使われていて、秋葉原駅周辺には東北・高崎・常磐線の電車が出番待ちで休んでいる姿を見ることができます。

 分断後、東北・高崎・常磐線が東京駅に直通していたメリットが再評価され、「東北縦貫線」として国家事業として実現に向けて動き出しました。
 これが実現すると、東北線・高崎線・常磐線は全列車ではありませんが東京駅に直通し、おそらく品川駅まで通して運行するようになります。
 (東海道線からも大宮方面に乗り入れてくる列車が設定されるかも知れません)

 現在は上野駅で山手線・京浜東北線に乗り換えて東京に向かう人が多いわけですが、「東北縦貫線」が開通して直通運転を行うようになると、わざわざ上野駅で乗り換える人は少なくなるはずです。
 (先述の通り、秋葉原駅には停まらないので、速達効果も生まれます)
 つまり、特に朝ラッシュ時の山手線と京浜東北線の混雑は緩和することが確実なのです。

 莫大な資金を投じてTXを大深度地下で東京駅に延伸するより、秋葉原駅の徹底的な改良を行い、TXとJR各線の乗り換えを容易にすることで、東京駅へのトータルの移動時間を同等にすることは十二分に可能だと思えます。


 (3)については、1,000億円を投じて東京までわずか2km延伸するぐらいなら、秋葉原駅の大改良を行ったうえで、いっそ茨城県内の延伸を検討したらどうか、という考えです。
 筑波山方面へ延伸するのであれば、旧・筑波鉄道の旧・筑波駅が終点になる(用地も駅の施設も廃止当時のまま残っている)と思います。
 もっとも、秋葉原~つくばまでと同様の高規格路線として建設するかどうかは議論の余地があり、延伸は建設費を抑制できるLRT新線として、秋葉原からの直通運転ではなく、つくば駅で容易にLRVに乗り継げるようにする、ということも考えられます。

 この(3)については、TXそのものの話題から逸脱する部分も少なからずありますので、今回はこの程度にとどめますが……。


 東京延伸と8両編成化。
 私は即刻8両編成化を実現して、東京延伸は再考を要すると考えていますが……どうなるでしょうか。


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【野岩鉄道】ファンクラブ設立、会員募集中

 東武鬼怒川線の「新藤原」駅と、会津鉄道会津線の「会津高原尾瀬口」駅を結ぶ第三セクター鉄道「野岩鉄道」は、開業25周年を記念して「野岩鉄道ファンクラブ」を設立。
 この8月から会員を募集しています。

 入会金・年会費は無料で、入会手続きを行うと会員証が発行され、会員限定の缶バッジももらえます。
 さらに、「お誕生日プレゼント」として同鉄道の片道優待乗車証も進呈されます。

 なお、入会手続きは郵送かファクシミリで行います。

・野岩鉄道ファンクラブ会員募集中!!(「野岩鉄道」公式サイト 2010年8月4日)
 http://www.yagan.co.jp/information/0000000048/detail.html
 (入会方法の詳細もこちらでご確認ください)

・野岩鉄道 利用増へファンクラブ 会費無料参加募る 優待乗車券の特典も(「東京新聞」 2010年8月16日)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20100816/CK2010081602000064.html


 「東京新聞」の記事によると、近年同鉄道の利用客は減少の一途を辿り、2009年度の利用者数は約48.9万人と、2004年度と比較すると約6.9万人減っているとのこと。
 ファンクラブの設立は、リピーターの確保が主眼で、少しでも同鉄道の魅力を知ってもらい、継続利用してもらおうということのようです。

 クネクネと線形が悪い東武鬼怒川線に比べると、野岩鉄道は線形が良く、電車は快走していきます。
 トンネルもあるのですが、ダム湖など眺望が良い区間も多いので、乗っていて楽しい路線です。
 沿線には川治温泉や湯西川温泉があるし(湯西川温泉は、駅から温泉までバスかタクシー利用)、浅草や栃木方面から会津方面に向かうのに適した路線でもあります。
 鬼怒川温泉周辺で遊んだ後、野岩鉄道と会津鉄道を使って会津若松へ向かうとか、あるいは逆に会津方面から鬼怒川温泉方面に向かうのに利用するとか、いろいろな利用の仕方があります。

 まずは年に1~2度でも良いので、これを機会にぜひご利用くださいね!!


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【ひたちなか海浜鉄道】「レトロ列車」8月13日・21日・29日運行

 「ひたちなか海浜鉄道」が、夏休み限定の特別列車を運行します。
 暑~い夏を逆手にとって、旧型の非冷房車(クーラーがない車両)をあえて運行するという企画です。

 窓を全開にして涼風を楽しむという、最近の窓が開かない車両では経験できない貴重な体験ができると思います。


 ▲ 今や貴重な「キハ20系」一族のディーゼルカー。ひたちなか海浜鉄道は、8月中の3日間、非冷房車+冷房車による「レトロ列車」を運行します。(画像をクリックすると拡大画像を表示できます)

・ひたちなか海浜鉄道「タイムスリップ、真夏の“あつ~い”レトロ列車運行 3days」開催のご案内(「ひたちなか海浜鉄道」公式サイト 2010年8月4日)
 http://www.hitachinaka-rail.co.jp/htdocs/index.php?action=cabinet_action_main_download&block_id=42&room_id=1&cabinet_id=1&file_id=86&upload_id=539


 レトロ列車は、2010年8月13日(金)・21日(土)・29日(日)の3日間運行します。
 列車は、「キハ222」「キハ2004」「キハ2005」のいずれかの非冷房車と、旧型ながら冷房車の「キハ205」による2両編成で運転します。


【運行日】
・8月13日(金)……「キハ222」+「キハ205」
・8月21日(土)……「キハ2004」+「キハ205」
・8月29日(日)……「キハ2005」+「キハ205」


【運行時刻・下り(阿字ヶ浦行き)】
・那珂湊 1059発 / 勝田 1200発 / 勝田 1316発 / 勝田 1439発 / 勝田 1556発(→ 那珂湊 1611着)
【運行時刻・上り(勝田行き)】
・阿字ヶ浦 1125発 / 阿字ヶ浦 1239発 / 阿字ヶ浦 1354発 / 阿字ヶ浦 1521発


 いずれの列車も、通常の列車と同じダイヤで運行し、各駅に停車。一般のお客さんも乗車します。

 なお、「キハ205」「キハ222」「キハ2005」の3両については、昔懐かしい「栓抜き」が窓下に残されています。
 窓を開け放って、冷たいジュースの瓶の栓を栓抜きで開けて、涼風を全身に浴びながらジュースを飲み干してプハ~ッ……なんてのも良いかも知れませんね。


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【ひたちなか海浜鉄道】2010年9月1日から3往復増発

 「ひたちなか海浜鉄道」が列車増発の告知を行いました。
 金上駅における列車交換設備の新設工事(従来は単線にホームがついているだけの駅だったものを、駅部分は複線にして上下列車が交換できるようにした)が終わり、この駅で列車交換を行えば増発が可能となったのですが、早速増発を行うという積極姿勢が良いですね。

・ひたちなか海浜鉄道湊線 9月1日から3往復増発します(「ひたちなか海浜鉄道」公式サイト 2010年8月10日)
 http://www.hitachinaka-rail.co.jp/htdocs/index.php?action=cabinet_action_main_download&block_id=42&room_id=1&cabinet_id=1&file_id=88&upload_id=543


 発表によると、増発となるのは次の3往復。
 朝の時間帯に2往復、夕方に1往復が増発となります(いずれも勝田~那珂湊の区間列車です)。


・那珂湊 720発 → 勝田 734着 / 勝田 747着 → 那珂湊 801発
・那珂湊 842発 → 勝田 855着 / 勝田 909着 → 那珂湊 923発
・那珂湊 1705発 → 勝田 1719着 / 勝田 1731着 → 那珂湊 1745発


 なお、このダイヤ改正は従来のダイヤはそのままで、この3往復が純増となります。
 朝夕の通勤通学に役立つ増発ですし、他の列車の減便を伴うものでもないので、とても素晴らしいことだと思います。


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【JR東日本】E531系付属編成、今年度2本目の新造

 6月末に、実に3年半ぶりの「E531系」増備をご紹介しました。
 このとき新造されたのは5両編成(付属編成)の「K467編成」だったのですが、果たして増備はこれ1本止まりなのか、それとも2本目以降も増備を行うのか、気になっていたのですが……。

 月刊「鉄道ファン」誌のwebサイト「railf.jp」の「新着鉄道ニュース」コーナーに今年度2本目の新造となる「E531系」付属編成「K468編成」が尾久まで配給輸送され、その後試運転を兼ねて勝田まで自力回送を行ったとの記事が掲載されました。

・E531系K468編成が勝田車両センターへ(「railf.jp」2010年7月31日)
 http://railf.jp/news/2010/06/29/205800.html


 ▲ 先日の「K467編成」に続き、今度は「K468編成」が増備された「E531系」付属編成(左・中央画像が「E531系」です)。このまま増備が続けば「415系1500番台」(右画像)を一気に淘汰する可能性も……?(画像をクリックすると拡大画像を表示できます)


 「E531系」は、数年前から量産が進み、旧式化していた「403系」の生き残りや、従来の主力車だった「415系(鋼製車)」を一挙に淘汰しました。
 その結果、常磐線・水戸線では「E531系」が数的主力となり、「415系」はステンレス車体の「415系1500番台」だけが生き残りました。異端児だった「E501系」は10両の基本編成が土浦以北の常磐線で、5両の付属編成が水戸線と土浦以北の常磐線で使われています。

 「415系1500番台」は、「211系」と同様の軽量ステンレス製の車体とボルスタレス台車を採用しつつ、既存の「403系」「415系(鋼製車/鋼製415系)」との連結を考慮して電装品やブレーキなどは鋼製「415系」の最終版であった「500番台」や「700番台」と同等品を採用。
 軽くなった分走行性能を上げることもできましたが、在来車との連結を重視して、あえて走行性能を抑えています。

 現在も活躍中の「415系1500番台」は、全て4両編成です。
 乗り心地は良好で、当面使えそうな感じなんですが、実は車齢が20~25年。数年の内に置き換えを検討しても良い段階には達しつつあります。
 また、(これはちゃんと調べてみないと断言はできませんが)どうも近年故障が発生しやすくなっているような印象があります。


 今回再び「E531系」が増備されたわけですが、前回の記事でも書いたように、3年半ぶりに増備が行われた理由が気になるところです。


(1)増発のため、編成を増やす必要が生じた
(2)不調気味な「415系1500番台」の置き換え用
(3)「415系1500番台」全てを「E531系」で置き換える


 前回の記事では、2番目の可能性が高いのではないか……と推測したのですが、今後も新造が続くようであれば(3)なのかも知れません。

 新造が続くのか、続くとしたらどの程度の本数になるか……。
 今後の動向が気になるところです。



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【鹿島鉄道跡BRT】2010年8月30日(月)から運行開始

 先年、残念ながら廃止となった鹿島鉄道の線路跡をバス専用道として整備し、代替バスや路線バス、茨城空港シャトルバスを走らせる「BRT」(バス高速輸送システム)について、2010年8月30日(月)から運行開始となる方針がまとまりました。

・線路跡バス道8月30日運行開始(「読売新聞」茨城版 2010年7月23日)
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20100723-OYT8T00105.htm


 8月30日時点では、石岡駅~旧・四箇村駅の5.1kmが先行開通。
 (BRT専用道として整備するのは石岡駅~旧・常陸小川駅までの7.1kmです)

 当初は、石岡駅の東側(鹿島鉄道の敷地)に専用ターミナルを建設する予定でしたが、他の路線バスなどとの乗り換えを考慮し、現行の駅西口ターミナル発着という形に落ち着きました。

 開業後の運賃は、石岡駅~玉造駅間が30円安い220円、石岡駅~小川駅間も30円安い360円となります。


 この区間がバス専用道として供用されれば、並行する国道355号線(渋滞が頻発)を通らずに済むため、定時運行性と速達性が確保できます。

 特に効果を発揮すると考えられるのが「百里基地航空祭」開催日。
 毎回石岡から基地へと至る道が大渋滞し、バスも一般道を通るため渋滞に巻き込まれていたのですが、これが専用道経由となれば状況は一変します。
 BRTとして整備されるのは旧・常陸小川駅までなので、そこから空港ターミナルなり基地入り口まで優先通行できないと効果が半減してしまうのですが……。
 今年(2010年)の「第27回 百里基地航空祭」では、少なくとも空港シャトルバスについては優先通行を実施したようなので、これは極めて大きな一歩といえます。
 来年以降、航空祭のシャトルバスも専用道経由・優先通行の対象となるのであれば、従来の「シャトルバスはアテにならない」という状況が劇的に改善し、「一般車が渋滞しているのを横目にシャトルバスが快走する」ということになる可能性があります。

 その辺の詳細は、また来年お伝えすることになると思いますが、ぜひその方向で話が進むことを期待したいと思います。



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【JR北海道】新型「DMV」が「3両編成」で試運転

 JR北海道が開発中の「DMV」(デュアル モード ヴィークル)
 このたび、最新型の試作車3両(3台?)を連結しての試運転を実施したようです。

・「DMV」新形試作車が連結試運転(「railf.jp」2010年7月20日)
 http://railf.jp/news/2010/07/20/153000.html


 記事によると、今回の試運転はJR北海道「苗穂工場」にある試運転線で実施。
 試験に供されたのは、「トヨタ自動車」と「日野自動車」が開発に携わった現行の試作車(第3次試作車)で、「923」「921」「922」の順に3両編成を組成。
 3両の間にはそれぞれ総括制御用のコードが渡されていたようです。

 1両あたりの乗車定員が少ないDMV(元はマイクロバスですので……)を実用化するにあたり、総括制御を行えるかどうかは極めて重要な意味を持ちます。
 総括制御とは、複数の車両の制御を1人の運転士が行う(何両編成であっても、先頭車の運転士が1人で運転できる)ということ。
 DMVの場合、よほどの閑散路線でなければ、線路上を走る場合は2両以上を連結するケースが多くなるはずなので、総括制御できれば運用の柔軟性が飛躍的に増します。
 つまり、DMVの効用の一つとして考えられている「線路上は何両かで連結して列車として走り、ターミナル駅で各方面行きのバスとして分割(あるいは併合)する」という構想を実現しやすくなります。

 細かい話を書き出すと長くなりますので(苦笑)ここでは詳細は割愛しますが、DMVが実用化することで地方における公共交通ネットワークは変わっていくだろうと思います。
 DMVにはさまざまな制約があり、決して万能選手ではないのですが、しかしその将来性には大きな可能性を感じています。


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【JR東日本】新型新幹線「E6系」を報道公開

 秋田新幹線用の新型車両「E6系」が報道公開されました。
 2013年以降は、東北新幹線用の新型「E5系」と連結し、宇都宮以北では320km/h運転を行うことになります。

・国内最速320キロ!新型新幹線「E6系」を初公開 車体は秋田のあかね、座席は稲穂の黄(「読売新聞」2010年7月10日)
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20100710-OYT8T00149.htm


 山形新幹線と秋田新幹線は、在来線の線路幅(1,067mmゲージ)を新幹線と同じ幅(1,435mmゲージ)に換えた「ミニ新幹線」です。
 通常の新幹線とは異なり、車体のサイズも在来線サイズなので(新幹線よりは一回り小さい)、普通車のシート配列は新幹線の2席+3席の1列5席ではなく、2席+2席の1列4席(つまり、在来線の特急と同じ)となっています。

 「E6系」が営業運転に投入されるのは、2011年3月。
 秋田新幹線開業から見慣れてきた「E3系」は、「E6系」と交替する格好で引退となるはずです。

 小山駅の新幹線ホームではさまざまな新幹線車両が走り抜けて行きますが、遠からず東北新幹線を走る車両は「E5系」と「E6系」がメインになります。
 今は当たり前に走っている「E2系」や2階建ての「E4系」は上越新幹線に転じ、最古参「200系(リニューアル車)」は引退となる予定です。


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【阪堺電軌】堺市が50億円の支援策提示/上下分離方式導入も

 遠方の話題ではありますが、気になる話ですのでこちらでも取り上げます。

 大阪と堺を結ぶ「阪堺電軌(はんかいでんき)という路面電車があります。
 昔ながらのスタイルで走り続けてきた路線で、ノスタルジーを感じさせるともいえるのですが、言い換えれば設備も車両も老朽化していました。
 近年はすっかり輸送人員が減少してしまい、存廃問題が浮上する事態に。

 そこで、堺市では以前からの弱点であった市の東西方向を結ぶ新たな公共交通機関としてLRTを新設することを決め、阪堺電軌と接続・乗り入れを行って一体運営で活性化しよう……という計画を打ち出しました。
 しかし、昨年行われ多市長選の結果、LRT計画中止を掲げた候補者が当選し、実現寸前と思われていたLRT新設が頓挫。
 LRT計画が中止となったまま何も手を打たないと、阪堺電軌は廃線の危機という状況に追い込まれました。

 新市長は当選後に「大阪方面からの地下鉄延伸」など、到底実現不可能な構想をぶち上げていたりしたのですが、ここに来て阪堺電軌存続を優先するような現実的な方向に舵を切ったのでしょうか。
 中止としたLRT計画とは別に、阪堺電軌に10年間で50億円の支援を行い、設備と車両を近代化することでLRT化してはどうかと提案したようです。

・廃線の危機-大阪の路面電車「阪堺線」に堺市が50億円支援案(MSN産経 2010年7月1日)
 http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/osaka/100701/osk1007011140003-n1.htm

・堺市 阪堺に50億円提示 支援10年間 値下げや停留所増設(読売新聞 2010年7月1日)
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20100701-OYT8T00092.htm

・堺市 阪堺電車存続のため 市が50億円支援案(「路面電車とLRTの館」 2010年7月4日)
 http://www.urban.ne.jp/home/yaman/news96.htm


 記事によると、インフラや車両などを堺市が買い取り、阪堺電軌は運行を行う「公設民営方式」の導入についても、積極的に検討する模様です。


 旧態依然とした「チンチン電車」のままではジリ貧になるのが当たり前で、単に存続させるというだけでなく、これからの社会情勢に対応するLRT化を積極的に進めることが重要です。
 一気にLRT化できるわけではないでしょうし、先の市長選の結果中止となってしまったLRT東西線をどうするのかも考えないといけないのでしょうが……。

 単に堺市だけの問題というだけでなく、古くからの交通インフラをどう再生するのか、(LRT路線を新設できるとすれば)既存の路線と新設路線をどう連携させていくのかという一つのモデルケースにもなりますので、関係各方面にはぜひ前向きな方向での議論を期待したいところです。


 下館界隈には路面電車はないのですが、老朽化して輸送人員が減少した路線……ということであれば、いくつかの地方路線のケースが該当します(しました)。

 従来であれば、老朽化したまま廃止、というのがさも当然であるかのように行われていたわけですが……。
 果たしてそれらが妥当だったのかといえば、必ずしも全てが妥当だったわけではありません。

 近年、日本でもやっと「公設民営方式」や「上下分離方式」という手法が公共交通にも取り入れられるようになり、道路交通と同じく線路などのインフラは公的に整備・管理し、運行だけ民間の交通事業者に任せるという形態が採れるようになりつつあります。
 鉄道・軌道でもっとも資金を要するのがインフラ整備で、この部分を負担しなくて良いとなれば、後は経営努力で何とかなるケースは少なからずあります。

 戦後はクルマ優先の施策が重視されてきましたが、その結果公共交通が衰退してしまい、クルマがないと不便な地域が急増しています。
 そこに住んでいる人は「クルマがあるからいいや」と思うかも知れませんが、余所から来る人にとっては極めて不便な状況となりますし、不便な地元より便利な都心へと人口流出が起こることを食い止めることが出来なくなります。
 公共交通、特に定時運行性と速達性に優れる鉄道がなくなるということは、その沿線の衰退に直結するという実例がごまんとあります。

 クルマが高性能化し、高規格道路がこれだけ整備されている状況下で、それでも「乗ると便利」と思ってもらえる公共交通機関をどう整備していくのか、あるいは既存の交通機関をいかにして現在の情勢に適応するよう再生できるか。
 今後の地方活性化を考えるとき、この問題はかなり重要な意味を持ってきます。


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【JR東日本】「カシオペア色」のEF510-509が甲種輸送

 ついに「カシオペア塗色」をまとった「EF510 500番台」が出現しました。

・カシオペア色のEF510−509が甲種輸送される(「railf.jp」2010年7月5日)
 http://railf.jp/news/2010/07/06/102000.html


 15両製造される予定の「EF510 500番台」の内、2両がこの「カシオペア塗色」となります。
 まず、509号機がこの塗色で製造されたわけですが、もう1両は何号機になるんでしょうね。

 遠からず、下館界隈では小山駅などでその勇姿を見かけることができるようになります。
 銀色の客車を牽く銀色の機関車。
 新時代の寝台列車の姿が、そこにあります。


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【JR東日本】存在感を増すEF510 500番台

 先日から営業運転を開始している「EF510 500番台」
 さまざまな形態での試運転が相次いでいるようです。

・EF510-505+EF510-506が重連で試運転(「railf.jp」2010年7月3日)
 http://railf.jp/news/2010/07/03/091700.html


 実は7月3日(土)の日中、所用のため小山から都心方面に向かったのですが、すれ違う窓越しに試運転で北上する「EF510 500番台」を目撃しました。
 この日は重連ではなく、おそらく単機だったと思いますが、ちょっと以外だったのは、その後を追うように「EF510 500番台」+「24系」客車も試運転で北上していったこと。
 よもや試運転列車があまり間を開けずに走ってくるとは思っていなかったので驚きました。


 「EF510 500番台」については、「編集長敬白」でも分かりやすくまとめていますので、ぜひご覧ください。

・EF510-500 営業運転開始。(「編集長敬白」2010年7月1日)
 http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/07/post_14.html


 「EF510 500番台」が増えるということは、置き換え対象となる特急牽引用の「EF81」が減るということでもあります。

 「EF81」といえば、かつては水戸線でも旅客列車・貨物列車を牽引して走っていた機関車ですから、下館界隈の人もとっても馴染みがある車両です。
 また、宇都宮線を走る「北斗星」や「カシオペア」を牽引してきましたから、小山駅などで見かける機会が多かった機関車でもあります。

 これまでの日常が、ある日突然非日常に変わるということは間々あることです。
 新旧機関車交代劇も、思ったより早く、思ったよりあっさりと、ある日突然起こることなのかも知れませんね。


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