下館レイル倶楽部
真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)
【特集:宇都宮LRT】建設費などの具体的なデータについて
- 2012/11/17 (Sat)
- 【特集:宇都宮LRT】 |
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宇都宮市のLRT計画(正しくは、東西基幹交通としてLRTを導入しつつ路線バス再編・拡充などを行うネットワーク型コンパクトシティを目指す交通政策)は、過度なクルマ依存から脱却して、クルマがあってもなくても、通勤通学や生活にある程度困らずに済む都市にしていこう、というものです。
宇都宮市が公表している「初期投資は約380億円」。
この額面上の数字だけが一人歩きしてしまい、不要な誤解を生じかねない状況になっています。
そこで、主に費用面について具体的に論拠となり得る数値を示し、LRTについて検討する際の材料にしていただけたら……ということで簡単に列挙します。
なお、初期投資の総額は約380億円ですが、その内1/2は国が補助し、1/4は栃木県が負担する意向なので、宇都宮市の実質的な残りの1/4、つまり「約95億円」である点を改めて記しておきます。
▲ 米国ポートランド市のLRT。早送りの前面展望映像で、道路の利用方法、バスとの連携など、一通り視覚的に把握できます。
■清原工業団地の売却益が約100億円残っている
2011年9月1日(木)に開催された「第1回 都市交通システム講演会」で宇都宮市の佐藤 栄一(えいいち)市長が財源についての重要な発言を行っています。
・宇都宮市の税収は約870億円
・その内、清原地区だけで年間115億円の法人税収入がある
・市の財政を支えている工業地帯に通勤するためのクルマが溢れて慢性的な渋滞を引き起こしている
・清原工業団地を売り出したときの売却益が約100億円残っている
・清原地区の同意を得る必要があるが、この資金をLRT整備に使うことが考えられる
(もし、清原地区の管理する売却益全額をLRTに活用すると、宇都宮市の実質的な初期費用負担はゼロになる可能性が高い)
・清原地区の皆さんは、以前から市の中心部への交通手段はLRTが最適だと考えている
・LRTに投資しないデメリットとして、最悪進出企業の撤退→税収の減少が考えられる
・税収が減少すれば、市民サービス水準を落とさざるを得なくなる
つまり、「清原地区は宇都宮市の生命線」であり、「自分の所には直接関係ないから」ではなくて、実は間接的に他の地区の生活にも関わってくる問題だ、ということです。
清原地区にお住まいの皆さんはLRT開通を一日千秋の思いで待っていますし、進出している企業にも極めてメリットが大きな話になります。
▲ 宇都宮の公共交通ネットワークも、おそらくポートランドのような姿を目指していくものと思います。
■「テクノ通り」は1km38億円、複線LRTは1km約25億円(補助受けると約6.25億円)
続いて、2011年11月18日(金)に開催された「第2回 都市交通システム講演会」で栃木県の福田 富一(とみかず)知事が「県の東西基幹交通にはLRTが最適」との講演を行った際の数字です。
(注:知事が「県の」東西基幹交通と発言しているのは、「新県土60分構想」の一つとして、既存鉄道も利用しながら茂木~宇都宮LRT~日光を結ぶ公共交通軸を形成しようと検討しているためでしょうね)
【LRTの建設費について】
・モノレールやAGT(「ゆりかもめ」のようなゴムタイヤ式案内軌条交通システム)は1km整備するのに100億円
・名古屋のガイドウェイバスは1km整備するのに50億円かかる
・LRTは「1kmあたり約25億円」(注:国や県からの補助が出る前の段階/補助が出た後の金額は「1kmあたり約6.25億円」)
・道路整備と比較すると、「テクノ通り」の整備には1km38億円、「北道路」に至っては1km100億円を要していて、「大通り」の拡幅には1km90~100億円
・複線のLRT整備費は4車線道路と同程度の金額で済む(補助が出た後の金額は4車線道路の「1/4程度」)
【維持管理費と運賃収入、採算ライン】
・宇都宮LRTの維持管理費が年間15億円かかるとの試算
・運賃収入は年間20億円を見込む
・そのための「採算ライン」は33,000人/日(注:往復合わせての人数なので、実際にはその半分程度、16,500人/日でペイする)
(本来、公共交通を採算性だけで論じるのは不適当であるけれども、分かりやすく説明する材料の一つとして数字を出したとのこと)
・これらの維持管理費、乗車人員と運賃収入は、清原地区~JR宇都宮駅~桜通付近までの約15kmほどを一括整備する場合のもの
(JR宇都宮駅の2F部分を通り抜ける費用約40億円も含めた数字)
・もしJR宇都宮駅東口~清原地区を先行開業するのであれば、もっと「導入しやすい数字」になる
▲ ドイツ・ノルトハウゼンでは、低床型の連接トラムに発電用ディーゼルエンジンを搭載して、非電化の「ハルツ狭軌鉄道」(軌間1000mm)へ直通するトラムトレインを運行しています。海外では実に多彩で柔軟な導入例が多いです。
■明確な論拠となる数字を見て判断
まちづくりのツールともなっている公共交通機関。
適切な時期に、適切な規模の投資を行うことが、都市の将来を大きく左右します。
そのための判断材料が、今回のような具体的な数値です。
上記の話をまとめますと、
・宇都宮市の初期投資額は約380億円だが、実質的には約95億円
(約380億円という数字には、JR宇都宮駅の2F部分を通り抜ける費用約40億円も含んでいる)
・清原工業団地の売却益が約100億円あり、清原地区の同意を得ればLRT整備に充当可能
・設備や車両などのインフラ導入費と、軌道などの維持管理費は公的に賄う「上下分離方式」を導入
・いわゆる「採算ライン」は、片道16,500人/日
これらの数値が判断基準となるものです。
さらにいえば、
・定時運行性、速達性、将来確実性、シンボル性が高い軌道系公共交通機関を整備すると投資誘因効果が大きく、税収増、大きな経済波及効果をもたらす
・宇都宮市の人口は約51万人、都市圏人口は約100万人で、大きなポテンシャルがある
・この規模の都市は、路線バス主体の交通網だけでは支えきれない
ということです。
▲ ドイツ・マンハイムでは、一部区間でバスがトラムの専用軌道に乗り入れることができるよう工夫しています。乗り入れ区間では、トラムと路線バスが停留所を共用しています。
■一公共交通機関としてだけでなく、まちづくりのツールでもある
「地方はクルマがないと生活できない」から「クルマがあればいい」という旧来の「常識」を打破できるかどうか、これは今後の日本の地方にとって大きな命題となります。
地方、特に地方の中核都市(県庁所在地クラス)でも、一定以上に公共交通ネットワークが充実していて、なおかつ利便性が高く、クルマがなくても移動に困らない状況を創出できるかどうか、とても重要な局面に来ているといえます。
大袈裟にいえば、今後も東京など大都市への一極集中が進んで地方は衰退する一方なのか、それとも地方が活力を取り戻して活性化に向かうのか、その分かれ目になるためです。
私は地元だけでなく、飯能、入間、所沢、土浦、さいたま、小山などで生活した経験があります。
経済的な問題もありますが、長年クルマは保有しておらず(現在は軽自動車を保有)、部屋探しをする条件は「駅に近いこと(遠くても徒歩20分圏内)」で、「クルマがなくてもとりあえず日常生活に困らないこと」の重要性を常々感じながら過ごしてきました。
それだけに、現状では市域内公共交通ネットワークがあまりに弱く、せっかく有している大きなポテンシャルをほとんど活かせていない宇都宮の交通問題とまちづくりの問題を見聞きするにつけ、「もったいない!!」と感じています。
北関東で言えば、宇都宮や水戸、つくば&土浦、高崎&前橋、小山のような中核都市であれば、東京並みとは言わないまでも、中心市街地は「待たずに乗れる」だけの運行頻度があり、十分な輸送力がある公共交通を整備し、それを最大限に活用できるようなまちづくりをセットで推進することで、大いに「化ける」可能性があるのではないかと考えます。
なお、本記事はあくまでも私自身が見聞きしたことについて、感じたことや考えたことを率直に書き綴ったものであり、特定の候補者を応援したり、特定の候補者への投票を呼びかけるものではありません。
既にLRTについてよくご存じの方はもちろん、LRTについてあまり詳しくない人・興味がなかった人にも「そうなんだ」と思ってもらえるように、国内外の先進事例や、論拠となる数値をできる限り示して説明するようにしています。
※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。
宇都宮市が公表している「初期投資は約380億円」。
この額面上の数字だけが一人歩きしてしまい、不要な誤解を生じかねない状況になっています。
そこで、主に費用面について具体的に論拠となり得る数値を示し、LRTについて検討する際の材料にしていただけたら……ということで簡単に列挙します。
なお、初期投資の総額は約380億円ですが、その内1/2は国が補助し、1/4は栃木県が負担する意向なので、宇都宮市の実質的な残りの1/4、つまり「約95億円」である点を改めて記しておきます。
▲ 米国ポートランド市のLRT。早送りの前面展望映像で、道路の利用方法、バスとの連携など、一通り視覚的に把握できます。
■清原工業団地の売却益が約100億円残っている
2011年9月1日(木)に開催された「第1回 都市交通システム講演会」で宇都宮市の佐藤 栄一(えいいち)市長が財源についての重要な発言を行っています。
・宇都宮市の税収は約870億円
・その内、清原地区だけで年間115億円の法人税収入がある
・市の財政を支えている工業地帯に通勤するためのクルマが溢れて慢性的な渋滞を引き起こしている
・清原工業団地を売り出したときの売却益が約100億円残っている
・清原地区の同意を得る必要があるが、この資金をLRT整備に使うことが考えられる
(もし、清原地区の管理する売却益全額をLRTに活用すると、宇都宮市の実質的な初期費用負担はゼロになる可能性が高い)
・清原地区の皆さんは、以前から市の中心部への交通手段はLRTが最適だと考えている
・LRTに投資しないデメリットとして、最悪進出企業の撤退→税収の減少が考えられる
・税収が減少すれば、市民サービス水準を落とさざるを得なくなる
つまり、「清原地区は宇都宮市の生命線」であり、「自分の所には直接関係ないから」ではなくて、実は間接的に他の地区の生活にも関わってくる問題だ、ということです。
清原地区にお住まいの皆さんはLRT開通を一日千秋の思いで待っていますし、進出している企業にも極めてメリットが大きな話になります。
▲ 宇都宮の公共交通ネットワークも、おそらくポートランドのような姿を目指していくものと思います。
■「テクノ通り」は1km38億円、複線LRTは1km約25億円(補助受けると約6.25億円)
続いて、2011年11月18日(金)に開催された「第2回 都市交通システム講演会」で栃木県の福田 富一(とみかず)知事が「県の東西基幹交通にはLRTが最適」との講演を行った際の数字です。
(注:知事が「県の」東西基幹交通と発言しているのは、「新県土60分構想」の一つとして、既存鉄道も利用しながら茂木~宇都宮LRT~日光を結ぶ公共交通軸を形成しようと検討しているためでしょうね)
【LRTの建設費について】
・モノレールやAGT(「ゆりかもめ」のようなゴムタイヤ式案内軌条交通システム)は1km整備するのに100億円
・名古屋のガイドウェイバスは1km整備するのに50億円かかる
・LRTは「1kmあたり約25億円」(注:国や県からの補助が出る前の段階/補助が出た後の金額は「1kmあたり約6.25億円」)
・道路整備と比較すると、「テクノ通り」の整備には1km38億円、「北道路」に至っては1km100億円を要していて、「大通り」の拡幅には1km90~100億円
・複線のLRT整備費は4車線道路と同程度の金額で済む(補助が出た後の金額は4車線道路の「1/4程度」)
【維持管理費と運賃収入、採算ライン】
・宇都宮LRTの維持管理費が年間15億円かかるとの試算
・運賃収入は年間20億円を見込む
・そのための「採算ライン」は33,000人/日(注:往復合わせての人数なので、実際にはその半分程度、16,500人/日でペイする)
(本来、公共交通を採算性だけで論じるのは不適当であるけれども、分かりやすく説明する材料の一つとして数字を出したとのこと)
・これらの維持管理費、乗車人員と運賃収入は、清原地区~JR宇都宮駅~桜通付近までの約15kmほどを一括整備する場合のもの
(JR宇都宮駅の2F部分を通り抜ける費用約40億円も含めた数字)
・もしJR宇都宮駅東口~清原地区を先行開業するのであれば、もっと「導入しやすい数字」になる
▲ ドイツ・ノルトハウゼンでは、低床型の連接トラムに発電用ディーゼルエンジンを搭載して、非電化の「ハルツ狭軌鉄道」(軌間1000mm)へ直通するトラムトレインを運行しています。海外では実に多彩で柔軟な導入例が多いです。
■明確な論拠となる数字を見て判断
まちづくりのツールともなっている公共交通機関。
適切な時期に、適切な規模の投資を行うことが、都市の将来を大きく左右します。
そのための判断材料が、今回のような具体的な数値です。
上記の話をまとめますと、
・宇都宮市の初期投資額は約380億円だが、実質的には約95億円
(約380億円という数字には、JR宇都宮駅の2F部分を通り抜ける費用約40億円も含んでいる)
・清原工業団地の売却益が約100億円あり、清原地区の同意を得ればLRT整備に充当可能
・設備や車両などのインフラ導入費と、軌道などの維持管理費は公的に賄う「上下分離方式」を導入
・いわゆる「採算ライン」は、片道16,500人/日
これらの数値が判断基準となるものです。
さらにいえば、
・定時運行性、速達性、将来確実性、シンボル性が高い軌道系公共交通機関を整備すると投資誘因効果が大きく、税収増、大きな経済波及効果をもたらす
・宇都宮市の人口は約51万人、都市圏人口は約100万人で、大きなポテンシャルがある
・この規模の都市は、路線バス主体の交通網だけでは支えきれない
ということです。
▲ ドイツ・マンハイムでは、一部区間でバスがトラムの専用軌道に乗り入れることができるよう工夫しています。乗り入れ区間では、トラムと路線バスが停留所を共用しています。
■一公共交通機関としてだけでなく、まちづくりのツールでもある
「地方はクルマがないと生活できない」から「クルマがあればいい」という旧来の「常識」を打破できるかどうか、これは今後の日本の地方にとって大きな命題となります。
地方、特に地方の中核都市(県庁所在地クラス)でも、一定以上に公共交通ネットワークが充実していて、なおかつ利便性が高く、クルマがなくても移動に困らない状況を創出できるかどうか、とても重要な局面に来ているといえます。
大袈裟にいえば、今後も東京など大都市への一極集中が進んで地方は衰退する一方なのか、それとも地方が活力を取り戻して活性化に向かうのか、その分かれ目になるためです。
私は地元だけでなく、飯能、入間、所沢、土浦、さいたま、小山などで生活した経験があります。
経済的な問題もありますが、長年クルマは保有しておらず(現在は軽自動車を保有)、部屋探しをする条件は「駅に近いこと(遠くても徒歩20分圏内)」で、「クルマがなくてもとりあえず日常生活に困らないこと」の重要性を常々感じながら過ごしてきました。
それだけに、現状では市域内公共交通ネットワークがあまりに弱く、せっかく有している大きなポテンシャルをほとんど活かせていない宇都宮の交通問題とまちづくりの問題を見聞きするにつけ、「もったいない!!」と感じています。
北関東で言えば、宇都宮や水戸、つくば&土浦、高崎&前橋、小山のような中核都市であれば、東京並みとは言わないまでも、中心市街地は「待たずに乗れる」だけの運行頻度があり、十分な輸送力がある公共交通を整備し、それを最大限に活用できるようなまちづくりをセットで推進することで、大いに「化ける」可能性があるのではないかと考えます。
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下館レイル倶楽部・代表
性別:
男性
趣味:
鉄道、鉄道模型、ミリタリーなど
自己紹介:
「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!
・mixi(ミクシィ)
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・ご連絡&お問い合わせメールアドレス
nal@sainet.or.jp(←「@」を半角文字にしてお送りください)
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ブログ名…ボカロP常磐の鉄なブログ
管理人…常磐
お願いします
Re:リンクの依頼を
早速リンクに追加しました。
管理人のお名前は「常磐」だけで問題ないですか?
Re:Re:リンクの依頼を
どうぞ出資して
Re:どうそ出資して
当方へのご来訪ありがとうございます。
また、コメントを残してくださいまして、ありがとうございます。
宇都宮のLRTについては、まだまだ誤解や理解不足が多いようです。
まず、よくある誤解ですが、LRTを整備することが「目的」ではなく、十分な公共交通ネットワークを整備するための一つの「手段」が東西基幹交通ルートへのLRT導入で、それと連携する形で路線バスやコミュニティバス、デマンド交通を連携させることになります。
私はさいたま、所沢、入間、飯能、土浦、小山などに居住経験があり、それら諸都市との比較から、宇都宮ほどの都市規模があるのに公共交通がこんなにも貧弱なことに危機感すら抱いています。
宇都宮が今後徐々に衰退に向かうのか、それとも求心力を持つ地方都市として発展していくのかは、市域内公共交通の充実にかかっています。
クルマ「も」使える都市なら良いのですが、クルマ「だけ」の都市に未来はありません。
次に、「LRTは赤字だ」という話を耳にすることがあるのですが、これは目先のコストだけを見た場合に出る誤解です。
整備費はかかりますが、LRT導入及びそれに呼応した公共交通の充実によるトータルメリットを考えるとき、投資額が高いか安いかが決まります。
また、従来型の「公共交通も独立採算制で」という前提だと、宇都宮のLRTが減価償却するまでにたぶん30年程度かかると思いますが(他の鉄道などでもだいたいこの程度はかかります)、日本でもやっと普及し始まった新しい考え方、つまり「公共交通も道路などと同様、都市の価値を高める必要不可欠の『装置』」であるから「赤字ではなく必要経費として見る」考え方を適用すると、おそらくかなり早い段階で十分ペイすると思います。
ちなみに、もし「コストがかかる」「莫大な税金が使われている」という理由で公共事業をストップするなら、国道バイパスなど道路建設も一切行えなくなります。
4車線の道路は、1km25億円以上の整備を費やしますが、直接的な収入を得て建設費を回収することはできません。
宇都宮のLRTは、部分的な立体交差も含めて1km25億円の整備費がかかりますが、運賃収入である程度回収できることと、定時運行性と速達性が高く、導入による沿線価値向上が見込めますので、単純に考えてもこちらの方が「割が良い」のです。
なお、LRT推進の動きは国政レベルでは与野党問わず政党横断的に進められていること、与野党共に交通基本法の制定を目指していること、それに関連して基本的人権の一つに交通権を加えようという動きがあることを付記しておきます。
今後もLRTなどに対する誤解やご懸念を解消すべく、積極的な情報発信を行っていきます。
ご参考になりましたら幸甚です。