下館レイル倶楽部
真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)
【特集:宇都宮LRT】下野新聞「LRTを問う」第6回について
- 2012/11/13 (Tue)
- 【特集:宇都宮LRT】 |
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【第6回の概要】2012年11月1日(木)掲載
■議論:市は「受益」示しきれず
JR宇都宮駅東口と清原工業団地を結ぶ幹線道路は、平日だと朝は2時間以上も大渋滞が発生する。
清原工業団地に通勤する男性は、LRTは「計画に具体性がないから、現実感がわかない」と語る。
JR宇都宮駅東口から、会社が自費運行するシャトルバスに乗ると、会社までの所要1時間、読書で時間つぶししているという。
渋滞を少しでも緩和させようと、企業はシャトルバスの運行を行っているが、これには年間数億円を要している。
佐藤市長は、不況で各社の収益が悪化する中、シャトルバスの運行経費が重荷となった企業は、(公共交通が整ったもっと便利な土地に)移転してしまうと危機感を募らし、LRT導入を訴える。
栃木県と宇都宮市が2003年に行った試算では、LRT導入による移動短縮効果は1日約3,700時間、金額に換算すると年間約32億円の節約になるという。
このように、極めて大きな受益をもたらすことが見込まれているものの、それが市民には十分伝わっているとは言いがたいのが現状で、「市には1,280億円の負債がある」という点を理由に導入に反対する市民もいる。
宇都宮市長も宇都宮市も、LRT導入に関する初期費用(約380億円)の内、1/2は国が、1/4は県が負担するので、市の負担は1/4(約95億円)と再三説明している。
しかし、反対する一部市民との溝は埋まらない(注:そもそも聞く耳を持っていないのでは?)。
LRT導入を推進し、市域内の公共交通ネットワークについて考える市民団体「雷都レールとちぎ」の奥備一彦代表は、反対する人の理由はいつも「赤字だから」「家のそばを通らないから」ばかりだと指摘。
街の魅力向上、環境負荷軽減効果などの波及効果は無視され、ハコモノ公共事業と同列に語られてきたことを嘆く。
一方で奥備代表は、情報を十分提示できなかった市にも責任があるとも語る。
宇都宮の将来に期待しているだけに、忸怩たる思いが滲む。
LRT構想は渡辺文雄知事が打ち出して約20年。
これを「是とするのか非とするのか」決める市長選が迫る。
【第6回の記事内容について思うこと】
この「是とするのか非とするのか」という下野新聞の報じ方、これが市民をミスリードする最大の要因だったのかも知れません。
LRT導入へのハードルがここ数年で相当下がったことを踏まえたうえで、「東西基幹交通としてLRTが適しているかどうか」ならまだ理解できるのですが……。
▲ 米国オレゴン州のポートランド。米国における先進事例の一つで、宇都宮でも参考にしているだろうと思います。LRTと路線バスがうまく連携しています。
これまで宇都宮市が具体的な計画を示せなかった背景には、既存のバス会社への配慮や、「公共事業は何でも凍結」と言いながら「清原方面の渋滞は新しい橋を作れば解消する」と支離滅裂な発言に終始した、前の県知事に振り回されたこともあるのではないかと推察します。
今の県知事は、支離滅裂な前知事時代には宇都宮市長だった人物で、このままでは埒があかないと知事選に出馬し、現職を大差で破り当選しています。
とはいえ、LRTを取り巻く環境はその頃からかなり流動的ではあったので、市も大変だっただろうなあ……と。
「公共事業が全て悪」というのは暴論だと思います。
地域の公共交通など、投資効果があるもの(または適切な投資が必要なもの)には「きちんと投資する」(ただし浪費にならないよう監視する)のが本筋だろうと考えます。
交通不便地域に人・物・金は集まりませんから、これは極めて重要な視点です。
【連載記事「LRTを問う」について】
・「LRTを問う」第1回(下野新聞 2012年10月27日)について
・「LRTを問う」第2回(下野新聞 2012年10月28日)について
・「LRTを問う」第3回(下野新聞 2012年10月29日)について
・「LRTを問う」第4回(下野新聞 2012年10月30日)について
・「LRTを問う」第5回(下野新聞 2012年10月31日)について
・「LRTを問う」第6回(下野新聞 2012年11月1日)について
・「LRTを問う」第7回(下野新聞 2012年11月2日)について
・「LRTを問う」第8回(下野新聞 2012年11月3日)について
なお、この特集はあくまでも私自身が見聞きしたことについて、感じたことや考えたことを率直に書き綴ったものであり、特定の候補者を応援したり、特定の候補者への投票を呼びかけるものではありません。
記載内容は、私自身の「ツィッター」でのつぶやきがベースです。
既にLRTについてよくご存じの方はもちろん、LRTについてあまり詳しくない人・興味がなかった人にも「そうなんだ」と思ってもらえるように、国内外の先進事例や、論拠となる数値をできる限り示して説明するようにしています。
※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。
■議論:市は「受益」示しきれず
JR宇都宮駅東口と清原工業団地を結ぶ幹線道路は、平日だと朝は2時間以上も大渋滞が発生する。
清原工業団地に通勤する男性は、LRTは「計画に具体性がないから、現実感がわかない」と語る。
JR宇都宮駅東口から、会社が自費運行するシャトルバスに乗ると、会社までの所要1時間、読書で時間つぶししているという。
渋滞を少しでも緩和させようと、企業はシャトルバスの運行を行っているが、これには年間数億円を要している。
佐藤市長は、不況で各社の収益が悪化する中、シャトルバスの運行経費が重荷となった企業は、(公共交通が整ったもっと便利な土地に)移転してしまうと危機感を募らし、LRT導入を訴える。
栃木県と宇都宮市が2003年に行った試算では、LRT導入による移動短縮効果は1日約3,700時間、金額に換算すると年間約32億円の節約になるという。
このように、極めて大きな受益をもたらすことが見込まれているものの、それが市民には十分伝わっているとは言いがたいのが現状で、「市には1,280億円の負債がある」という点を理由に導入に反対する市民もいる。
宇都宮市長も宇都宮市も、LRT導入に関する初期費用(約380億円)の内、1/2は国が、1/4は県が負担するので、市の負担は1/4(約95億円)と再三説明している。
しかし、反対する一部市民との溝は埋まらない(注:そもそも聞く耳を持っていないのでは?)。
LRT導入を推進し、市域内の公共交通ネットワークについて考える市民団体「雷都レールとちぎ」の奥備一彦代表は、反対する人の理由はいつも「赤字だから」「家のそばを通らないから」ばかりだと指摘。
街の魅力向上、環境負荷軽減効果などの波及効果は無視され、ハコモノ公共事業と同列に語られてきたことを嘆く。
一方で奥備代表は、情報を十分提示できなかった市にも責任があるとも語る。
宇都宮の将来に期待しているだけに、忸怩たる思いが滲む。
LRT構想は渡辺文雄知事が打ち出して約20年。
これを「是とするのか非とするのか」決める市長選が迫る。
【第6回の記事内容について思うこと】
この「是とするのか非とするのか」という下野新聞の報じ方、これが市民をミスリードする最大の要因だったのかも知れません。
LRT導入へのハードルがここ数年で相当下がったことを踏まえたうえで、「東西基幹交通としてLRTが適しているかどうか」ならまだ理解できるのですが……。
▲ 米国オレゴン州のポートランド。米国における先進事例の一つで、宇都宮でも参考にしているだろうと思います。LRTと路線バスがうまく連携しています。
これまで宇都宮市が具体的な計画を示せなかった背景には、既存のバス会社への配慮や、「公共事業は何でも凍結」と言いながら「清原方面の渋滞は新しい橋を作れば解消する」と支離滅裂な発言に終始した、前の県知事に振り回されたこともあるのではないかと推察します。
今の県知事は、支離滅裂な前知事時代には宇都宮市長だった人物で、このままでは埒があかないと知事選に出馬し、現職を大差で破り当選しています。
とはいえ、LRTを取り巻く環境はその頃からかなり流動的ではあったので、市も大変だっただろうなあ……と。
「公共事業が全て悪」というのは暴論だと思います。
地域の公共交通など、投資効果があるもの(または適切な投資が必要なもの)には「きちんと投資する」(ただし浪費にならないよう監視する)のが本筋だろうと考えます。
交通不便地域に人・物・金は集まりませんから、これは極めて重要な視点です。
【連載記事「LRTを問う」について】
・「LRTを問う」第1回(下野新聞 2012年10月27日)について
・「LRTを問う」第2回(下野新聞 2012年10月28日)について
・「LRTを問う」第3回(下野新聞 2012年10月29日)について
・「LRTを問う」第4回(下野新聞 2012年10月30日)について
・「LRTを問う」第5回(下野新聞 2012年10月31日)について
・「LRTを問う」第6回(下野新聞 2012年11月1日)について
・「LRTを問う」第7回(下野新聞 2012年11月2日)について
・「LRTを問う」第8回(下野新聞 2012年11月3日)について
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下館レイル倶楽部・代表
性別:
男性
趣味:
鉄道、鉄道模型、ミリタリーなど
自己紹介:
「下館レイル倶楽部」は、鉄道の街・下館(茨城県筑西市)を中心に活動する鉄道&鉄道模型の趣味団体です。
しもだて地域交流センター「アルテリオ」で鉄道模型の運転会を毎月開催するほか、各種イベントの見学・撮影なども実施しています。
公共交通の上手な利活用や、鉄道など公共交通を活かしたまちづくりなどの情報発信も行います!
・mixi(ミクシィ)
・Facebook(フェイスブック)
・Twitter(ツイッター)
・ご連絡&お問い合わせメールアドレス
nal@sainet.or.jp(←「@」を半角文字にしてお送りください)
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