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下館レイル倶楽部

真岡鐵道・関東鉄道常総線・JR水戸線が集まる「下館」を中心に活動する鉄道模型趣味・鉄道趣味の倶楽部です。(2009年6月12日開設)

【特集:宇都宮LRT】下野新聞「LRTを問う」第4回について

【第4回の概要】2012年10月30日(火)掲載

■支援:国、県は市の計画待ち

 宇都宮市交通政策課の職員は、国土交通省の都市局に度々足を運び、宇都宮市におけるLRTを巡る状況について説明を行っている。

 国交省は2006年に「LRTプロジェクト」を立ち上げ、従来はバラバラだった都市・道路・交通の対応を一本化して導入を後押ししている。
 しかし、今までのところ実際に利用したのは富山市だけに留まっている。

 全国各地の都市でLRT導入構想が持ち上がっているのに実現に結びつかないで足踏みしているのは、バス会社の反発など自治体内での合意形成が遅れているため。
 国交省は「地元がまとまれば全面支援」という姿勢で、万全の支援体制は既に整っている。
 宇都宮はLRT導入が決まれば「完全に一からの整備」となり、これまで路面電車が走っていなかった都市としての先進事例となるために、各方面からの注目度は極めて高い。

 従来は慎重姿勢だった栃木県も、ここに来て積極的に。 県知事も知事選の公約に「LRTなどを踏まえた公共交通体系の充実」を初めて盛り込んだ。
 ただ県も現時点では「宇都宮市がLRT計画を正式決定しないと何も始まらない」という姿勢で、宇都宮における議論の行方を注意深く見守っている。


【第4回の記事内容について思うこと】

 栃木県が「宇都宮市の動き次第」としているのは、県が及び腰だから、ではありません。
 LRT導入に必要となる「地域公共交通総合連携計画」を連絡・調整する「協議会」は市町村が主体となって立ち上げるもので、交通事業者・道路管理者・利用者・学識経験者等と組織するものであるからです。

 この「協議会」が決めた「計画」は、都道府県(宇都宮の場合は栃木県)を介さず、直接国交省に提出することになっています。
 つまり、宇都宮の場合は市が主体になって、関東自動車など交通事業者や警察や市民団体や学識経験者等と「協議会」を組織して、国交省に「計画」を提出すればLRT導入は本決まりとなります。
 国も県も全面支持の状態なので、決まれば動きは早いのです。

 栃木県では、2000年~2004年の県知事が「無駄な公共事業は凍結」としてLRT反対を唱えたため、導入に向けた動きが一度頓挫してしまったという不幸がありました。
 このときの知事は、再選を狙う2004年の県知事選にあたり、「橋を架ければ渋滞は解消する」から「LRTはいらない」という主旨の発言を繰り返したのですが、大差で落選。
 そのとき当選したのが、2004年まで宇都宮市長だった福田富一氏でした。

 この「空白の4年間」でLRTの話は数年分は後退してしまったようにも思えます。
 この空白期間がなければ、当初予定の2010年10月10日にLRT導入が実現していたかも知れません。
 しかし、上下分離方式の導入など、2000年~2004年当時はまだ諸状況が整いきった状況ではなかったことを考えると、導入の賛否を巡る市長選が2012年になったこと自体は、LRTに関して言えば「良かった」と言うこともできるかも知れません。


【連載記事「LRTを問う」について】

「LRTを問う」第1回(下野新聞 2012年10月27日)について

「LRTを問う」第2回(下野新聞 2012年10月28日)について

「LRTを問う」第3回(下野新聞 2012年10月29日)について

「LRTを問う」第4回(下野新聞 2012年10月30日)について

「LRTを問う」第5回(下野新聞 2012年10月31日)について

「LRTを問う」第6回(下野新聞 2012年11月1日)について

「LRTを問う」第7回(下野新聞 2012年11月2日)について

「LRTを問う」第8回(下野新聞 2012年11月3日)について


 なお、この特集はあくまでも私自身が見聞きしたことについて、感じたことや考えたことを率直に書き綴ったものであり、特定の候補者を応援したり、特定の候補者への投票を呼びかけるものではありません。

 記載内容は、私自身の「ツィッター」でのつぶやきがベースです。
 既にLRTについてよくご存じの方はもちろん、LRTについてあまり詳しくない人・興味がなかった人にも「そうなんだ」と思ってもらえるように、国内外の先進事例や、論拠となる数値をできる限り示して説明するようにしています。


※なお、この記事にコメントをつける場合は、記事タイトル下の「CM」部分をクリックすると投稿できます。


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